ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

あんぱんまん 戦争大きらい

2014年09月29日 | 研究・書籍

やなせたかし『ぼくは戦争は大きらい』を読みました。
本書は2013年、生前のやなせたかしが「オレはもう死ぬぞ」と前置きして始めたインタビューをまとめたものです。

万事塞翁が馬

私の亡母と同じ1919年生まれのやなせたかしさん。軍隊嫌いな、やなせさんといえども召集令状(赤紙)が来て野戦銃砲隊に2等兵として入営する。伯父に育てられ係累がないからと本籍地の高知から小倉に回された。もし高知の歩兵連隊にいたら比国で激戦亡くなっていたかも。また幹部候補生試験では甲官(士官)に合格していたものの前日の居眠りの罰で乙官(下士官)合格とされた。もし士官になっていたら早々に中国戦線に渡りシベリアに送られたところ。下士官であったため内地にしばらく留まっていた・・。万事塞翁が馬とも。

南京事件はなかったのでは・・

そんな、やなせたかしさんも一度中国・南京に軍馬を運んだことがありました。「南京大虐殺があったとか、なかったとか言っていますが、中は平和そのものでした・・中国の人たちもぼくらに友好的で、みんなニコニコと応対してくれました・・・ぼく自身は、南京事件なんてなかったんだと信じています」

嫌いな国とも共存を

「一度戦争をしたら、みんな戦争がきらいになりますよ」アンパンマンとばいきんまんのたたかいは、食べ物とばい菌のことで、マンガの中ではともに生きている。
戦争の原因は「飢え」と「」だとも。「国同士も同じことです。嫌な相手ともなんとかして一緒に生きていくことを考えなければならないのだと思います」アンパンマンで描こうとしたことは、分け与えることで飢えはなくせ、嫌いな相手とでも一緒に暮すことはできる。「マンガだからできることだ」「現実はムリだ」なんて言わずに若い人たちが真剣に考えてくれればうれしいです、と話しています。

やなせたかしさん94歳の遺言集のようでもあります。良い本でした。

ぼくは戦争は大きらい: やなせたかしの平和への思い
やなせたかし
小学館クリエイティブ単行本

   にほんブログ村 雑感

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「本能寺の変」の秘密 | トップ | 御嶽山噴火 レベル1予測の責... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

研究・書籍」カテゴリの最新記事