半導体に賭けた40年岩瀬 新午工業調査会このアイテムの詳細を見る |
日本のトランジスタの“生みの親”、元三洋電機専務の岩瀬新午氏の著書『半導体に賭けた40年』を改めて読んでみました。
三洋半導体が伸長した70年代、松下電器社長の松下幸之助氏の東京三洋来社時、のことが書かれています。
「わざわざ東京三洋を来訪され半導体事業部で作っているステレオ用の厚膜ICをぜひ注文通りに出荷してもらいたいと・・(略)このICは三洋の独自ものであったため(井植)社長からは、たとえ社内には、迷惑をかけても松下電器には、絶対迷惑をかけるなという指示で、もちろん100%の出荷をした」
著者、岩瀬新午は電気通信省の研究員から、請われて三洋に。創業者井植歳男の人柄に接し、「この人のためならば今後の人生を半導体事業に賭けようと決心した」という。
折りしも三洋半導体、売却のニュース。
それにしても不採算事業とはいえ330億円とは、なんとも悲しいほど安い!
三洋電機はPanasonicに、そして手がけた三洋半導体は米・ON社へ。
しかし、経営主体は変わるとしても、合金トランジスタや厚膜ICなどを始め数多くの半導体技術の発展に寄与した著者の「賭けた人生」は、今もしっかり半導体製品に息づいていることにはちがいはありません。
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