議員が減れば良い政治になるか
消費税を上げる前にやるべきことは、どうしても国会議員定数の削減なのだろうか。国会議員が「身を切る」ことで税制改革は済むことなのだろうか。その定数削減も比例から80だという。日本の人口の割合からみれば世界的にも現在の議員定数が多いとは決していえない。今、国民が日に日に政治不信、政治家不信に陥っているから、いっそ何の成果も出せないような政治家なら議員自ら「身を切れ」とばかりに矛先を向けているにすぎない。もしその結果、議員が減ったら良い政治が期待できるのだろうか。そこのところを理解しないで「身を切る」ことに解決策を求めていては誤った大衆迎合にほかならず政治は一向に進歩しない。
カットするなら議員定数でなく議員歳費を
それに定数削減を比例区に向けていることも履き違えるている。それでは少数意見を反映する弱小政党はますます国会の場から消えてしまうことになる。これからの時代に自民、民主の2大政党だけで、多様な国民の意見は十分集約されきれるだろうか。むしろ財源の削減が目的なら議員定数ではなく議員の歳費の削減の方が民意を反映する障害にはならない。
庶民は消費税値上げ話を前に喉元が「ゼイゼイ」風邪ひきのようになっている。「サンデー毎日」2/26号が「消費税必要なし」をテーマに専門家に意見をまとめていた。(敬称略)
手付かずの課題解決で歳入確保
(1)5年で14兆円に膨張した一般会計のバラマキを削れ。整備新幹線、八ツ場ダム、東京外環道、国家公務員人件費、独法の整理・・(慶大・岸博幸)
(2)最高税率引き上げと租税特別措置廃止で28兆円出る。これまで税金をとれるところから取らず、まけてやったことによる窮地。(不公正税制ただす会・富山泰一)
(3)埋蔵金50兆円を国民に還元せよ。国債整理基金30兆円。財政投融資19兆円。外為資金50兆円。民主党は埋蔵金があるから増税しないと言っていたのに・・(アナリスト・菊池英博)
(4)8000兆円ある金融不動産資金に1%の富裕税をかければ80兆円の税収に。(元大蔵官僚・武田知弘)
前回の広場2/6ブログで高橋洋一(元財務官僚)が指摘した現行の税制回収の不備と合わせ、これだけ幾つもの改善策が列挙されている。どれかいくつかつまみ上げただけでも増税に頼らずとも良い方策が実現しそうだ。またこれらは本来なら歴代政権を含めこれまで政治家が取り組まなければならなかった課題ばかりなのだ。「財務官僚は目先の増税成果に目が行き長期展望を描けていない(武田知弘)」という。ここにメスを入れほしい。定数などという「身の切り方」でなく。そうすれば、国民の政治(家)への信頼が生まれるくることだろう。
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