ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

国富論からみたリストラ社会

2014年06月17日 | 経済

アダム・スミスの『国富論』を「まんがで読破」してみました。経済学のバイブルといわれる『国富論』には、今日のビジネスマン社会に対しての教訓が込められています。

国民が富まずして国家の繁栄はありえないのです。諸国民への富の分配を願い、「みえざる手に」よって。「正義の諸法」を守って行動すれば、自然の導きによって全体への富が波及。それは国家の最大の利益にもなる。

「人は、企業はときに「改革」(リストラ)を望む。しかし「改革」(リストラ)を行うのであれば、その損害を被る人々の感情を配慮して進めなければならない。正義感をもって行動し、その制約のなかで利己心に基づいた経済活動を行うことーーー。」「改革」の文字を「リストラ」と置き換えて読んでみました。

もうひとつ、スミスの言葉を「リストラ」を用いてアレンジしてみました。
「私たちが自然的自由の体系を取り戻すに必要なことは厳しいリストラ環境からの負担を自分で解放し、提示されたリストラ案の展望と計画を自分の境遇との適合につとめて考え、慎重に時間をかけ長くリストラ攻勢に対峙し建設的な努力を重ねることである。」

アダム・スミスはあくまでフェアな商道徳を前提に話しています。利益追求と公正な取引が行われるのも「正義のルール」という道徳心のある経済活動であるからと。

繰り返しますが、国民が富まずして国家の繁栄はありえないのです。非情なリストラは富の分配の格差をいっそう拡大させかねません。リストラの後、新たに転職し「天職」にめぐりあえればそれは幸いですが、そんな人は、ほんのわずかにすぎません。転職の大方は天職とはかけ離れた、労働条件も悪化した中での勤務となることでしょう。しかしすべての商品の交換価値を測る真の尺度は労働なのです。その労働に携わり生産活動に寄与していることに誇りをもってがんばっていただきたいと思います。

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国富論 (まんがで読破 97)
アダム・スミス・作
イースト・プレス

 【写真】懐かしい三洋扇風機(1993年発売)EF-30AXR 本文とは関係ありません。

アダム・スミス「正義の諸法を守って経済行動を」

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