ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

『美しい昔』の思いを歌うカーン・リー

2014年05月03日 | 愛しのオールディーズ

きょうの愛しのオールディズでは『美しい昔』、べトナムの歌手、カーン・リー(1945~)さんのヒット曲をお届けします。
日本では、NHKドラマ・人間模様「サイゴンから来た妻と娘」から1979年で放送されました。

カーン・リー(Diem Xua)さんのこの曲は、米軍が南べトナムに派兵して戦火が燃え上がったベトナム戦争のさなか、大衆は音楽を聴くことを制限されたにもかかわらず、ダビングのダビングで擦り切れたテープが出回わり密かに人々に愛唱されたといいます。日本でもそうでしたが戦時になると芸術は、戦意高揚に合致するものは認められるものの、そうでないものは弾圧されるのですね。

サイゴン陥落後、『美しい昔』の作詞・作曲家のチン・コン・ソンは戦時は南ベトナム政府に目をつけられていたがそれが解け新生ベトナムに残る。一方、国民的な人気歌手カーン・リーは米国に行きそこから再出発した。北ベトナム政府を批判しての脱出ではなかったといいますが、詳細のほどは良くわかりません。

今のベトナムでも彼女の歌は生きている。人々は彼女の歌に国を出て音信不通となった肉親を思い、国外生活者は望郷の思いを託した。それは戦争前の美しいベトナムを思い出させる民族遺産だから」(上野清士:社会新報2014.5.7参照)

それにしてもベトナムの人々は、米軍からの連日の爆撃(北爆)やソンミ村事件など多くの犠牲を受けながらも、戦後賠償や謝罪を執拗に迫り続けるという行為は耳にしません。

洗濯好きで、衣服は貧しくとも清潔感を大事にする国民性は、どこか日本人とも共通したものを感じます。

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『美しい昔』 カーン・リー

コメント (2)
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