ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

水木しげる「初期戦記漫画」を読む

2010年08月22日 | 研究・書籍
NHK朝のドラマ「ゲゲゲの女房」のヒットで水木しげる人気は再燃しています。
当ファミリーにも、熱烈な水木しげる漫画ファンがいます。
「画業60周年記念出版」の分厚い弁当箱サイズの高価な復刻版を買ってきた。

水木しげるの1950年代から60年代、困窮していた貸本マンガ時代の戦記物の力作集だ。「楽園慕情」という南方での生活から得た、水木哲学的なミニ本も付いている。

漫画の方は、敵機、英軍パイロットとの奇妙な“友情”を描くところなど、いかにも南の島で現地人と友達になった経験のある水木らしい人種の偏見を越えたヒューマンなタッチだ。

私にも貸本の思い出があります。
前橋市国領町に住んでいた小学生の時分、近くに貸本屋が開店。すぐに常連になりました。確か新刊一冊、10円だったと思う。その中でいまでも記憶している戦記物があります。内容は、日米ハーフの少年兵の“敵性混血”ゆえ悩む悲しい物語。周囲の疑いの目を晴らすように自ら「自分は日本人だ!」と叫んで率先して特攻隊に志願し散って行く・・。
当時、深くため息をつきながら読んだものです。今思うと水木作品にも通じるものがありますが漫画の絵の描き方が、明らかに水木とは異なり悲観的でした。水木作品は、戦記とはいえどことなく陽性さがあります。

そんなことを思い出しながら、この傑作集を読みました。

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戦記漫画傑作選 限定版BOX
水木 しげる
小学館クリエイティブ

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コメント (2)
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