ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

『ツイッターノミクス』

2010年05月04日 | 研究・書籍
「・・ノミクス」というと、最初に連想したのがレーガノミクス。
小さな政府と軍備増強を中心としたあのタカ派レーガン政権の経済政策でした。

本書でいうツイッターノミクス(TwitterNomics)は、ツイッターに代表されるWeb2.0時代のさまざまなネットツールによるいわば“ウェッブ経済学”のまとめのようなものです。

従来の市場経済(Market Capital)はお金が基本。それに対してWeb2.0時代ではお金に代わって究極の「信用」といえるウッフィー(Whuffie)が仮想の通貨として媒介となる。そしてそこではギフト経済(Social Capital)、その“経済学”はまさにツイッターノミクス、だということに。

私にとって取立て驚く発見は多くありませんでしたが、なんとなく描いていたネットワーク時代の新しい流れを、本書がきれいに整理してくれた感じです。

さかんに登場する“ウッフィー”。カタカナで読むとちょっとひょうきんなイメージ。
ツイッターノミクスでは、このウッフィーが人と人を信頼関係で結びつける「お金」の役。ウッフィーを増やす行動は「共有」「公開」、反対にウッフィーを減らす行動は「秘密主義」。

著者、タラ・ハントはカナダ生まれの有力ブロガー(女性)。デビューは自身のブログから。それだけに「マス」の発想を嫌う。目先の利益でなく、社会貢献それ自体をコミュニティに貢献する、それこそが「ギフト」でありウッフィーが増えることだと・・。

たしかに「今では誰もが影響力をもてる時代」(本書解説:津田大介)になりました。
互恵社会の到来のようなギフト経済(Social Capital)、この先どのように進んで行くのか興味が尽きません。



ツイッターノミクス TwitterNomics
タラ・ハント 津田 大介(解説)
文藝春秋

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コメント (1)
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