魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

コンペイトウ

2010年07月13日 23時42分26秒 | 魚紹介

北の海の魚その2です。今回は魚と思えないような魚のコンペイトウEumicrotremus birulai  Popovです。

名前はもちろん、その姿形も全く魚らしからぬものです。魚というよりは、むしろ熱帯の木の実・・・?しかしこの個体は酷寒の日本海の底曳網で漁獲されました。カサゴ目、ダンゴウオ科と、科名も美味しそうなものです。

本種は、おなかに吸盤を持っています。ハゼなどと同じく、腹鰭が変化したものですが、形状などはかなり異なっています。その名の由来となった体にある大きな突起は、「骨質瘤状突起」といいます。これを手のひらにのせるとかなーり気持ちいいものです。

ちょっと見難いですが、吸盤でトレイに張り付くの図です。しかしコバンザメの吸盤ほど張り付く力が強くありません。あまり長いこと張り付かず、少し移動するのでしょう。

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ヤマトコブシカジカ

2010年07月10日 21時29分20秒 | 魚紹介

兵庫県の日本海側の魚をご紹介します。
まずは、ウラナイカジカ科の珍種ヤマトコブシカジカMalacocottus gibber Sakamotoです。

ヤマトコブシカジカの分布域なのですが、これについてはいくつか論されてるようです。魚類検索では、太平洋岸にも分布するということでしたが、日本海側にのみ分布するようなことが書かれた論文もありました。

水深についても、魚類検索では800-1000mですが、この個体はハタハタなどとともに底曳網に入った個体です。300-500くらいの場所にもいるのでしょう。

奇怪な面構えの魚です。全身は真っ黒で、皮はぶよぶよしています。クサウオなどにも似た雰囲気の魚です。良く似たコブシカジカとは、頭部背面に粟粒状鱗が全くない、もしくは第1背鰭基部付近にのみあることで区別可能です。日本海側でよく漁獲されるもう1種、ガンコとは、後頭部に大きな棘がないこと、左右の鰭膜は皮褶を形成しないこと、などで区別できます。

ウラナイカジカ科の魚は寒い海の深海に生息し、11種が日本から知られています。ただし本種はコブシカジカのシノニムとする説があります。もしそうなったら、コブシカジカの標準和名が採用されそうです。

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リュウグウノツカイ

2010年07月08日 22時09分29秒 | 魚紹介

さーて。昨日はワールドカップで無敵艦隊スペインが決勝進出を果たしました。
きのうの私の「予言」(とはいえ、タコのパウル君と同意見でしたが)が当たり、ほっとしてます。

昨日は七夕でしたが、今回は銀色の短冊・・・?いえ、超レア物のご紹介です。

リュウグウノツカイRegalecus russellii (Cuvier)です。

「なんだ、レアじゃないじゃん」なんて言わずに、最後まで見てください。

このリュウグウノツカイですが、確かに珍しいものではありません。底曳網や定置網で漁獲され、数は少ないのですが、そう希少種でもないのです。

では、なぜ今回「レアもの」の付をつけたのか。これを見てください。

 

じゃーん!!尾鰭の先端の長い軟条が付いています!

これは非常にもろくて折れやすく、なかなか見ることができないのです。底曳網や打ち上げられる個体では、すれて切れてしまうことが大多数。以前の底曳網の個体も切れてしまっていました。しかしこの個体は定置網で漁獲されたもので、ぴーんと細長い軟条がみられます。

気になる味のほうは、以前リュウグウノツカイのフルコースと深海魚の刺身なるタイトルで以前に画像をのせたと思います。あの時のハナビラウオは旨かったなあ。

そういえば昨年はこの手の魚を何匹も見ました。サケガシラ、テンガイハタ?、フリソデウオ・・・しかしそんな状況でもアカナマダやユキフリソデウオを見られなかったのが残念ですね。

今年も「宇和海の魚」さんの定置網ではこんなのが入りました。フリソデウオDesmodema polystictum (Ogilby)です。これは去年もあまり見る機会がない魚でした。

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ナガコバン

2010年07月07日 23時18分42秒 | 魚紹介

ナガコバンRemora remora  (Linnaeus)は、世界中の暖かい海域に広く分布するコバンザメの仲間です。

本種は生物の分類学をあみだし分類学の父とも呼ばれるかのカール フォン リンネにより、記載された魚種です。リンネはコバンザメ科は本種のほかにコバンザメも記載しています(Linnaeusは、Linnéのラテン表記)。

ナガコバン属魚種は世界で5種が知られ、日本には全ての種が分布します。体側に暗色縦帯がなく、臀鰭軟条が28軟条以下と少なく、脊椎骨数が27である、などの点で他のコバンザメ科魚類と区別できます。

その中でナガコバンは尾鰭が湾入し、鰓耙数が27以上と多く、吸盤板状体が16-20であること、などで他のナガコバン属魚類と区別できます。

さて、コバンザメ科と言ったら、これ!

頭部の吸盤です。宿主は種によってことなり、本種では、カジキやサメにつくことが知られています。この個体は愛媛県西海町の定置網において、ジンベエザメに付着していたようです。

背中を下にしてトレイの上に置くと、吸盤でひっつきます。冷凍してそれを解凍したものですが、それでも他のものに付着することができます。

吸盤を頭からはずしても、このように吸着させられます。かなり機能性の高い接着パーツとして、宇宙工学とかで応用できないでしょうか・・・?

今日は七夕、ワールドカップのドイツ対スペインですが、私はスペインが勝つんじゃないかと思います。ドイツは前戦、アルゼンチン戦で全力を出しつくした感が・・・?絶対的中するといわれるタコのパウル君も予想しているので、後だしじゃんけんではあるのですが。

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カイワリ

2010年07月05日 23時25分08秒 | 魚紹介

土曜日に市場へと出かけてみました。何匹か魚が入って250円のパックがあったのでそれを購入。

アジ科のカイワリKaiwarinus equula (Temminck and Schlegel)が2匹入ってました。そのほかマダイのちっこいのが3匹と、ウシノシタの類が1ぴきという内訳。

さて、このカイワリの口に注目してみましょう。

じゃーん!

これは口腔に潜む等脚類と呼ばれるグループの節足動物です。魚類の口腔内に寄生するものは「ウオノエ」と総称されますが、本種もその一つ。「日本の海水魚」では、口腔内にシマアジノエが付着することが多い、としています。これもシマアジノエなのでしょう。

仲良く?記念写真の図です。カイワリは2匹入っていましたが、いたのはこの個体のみ、もっと大きな個体には付いていませんでした。口腔内にウオノエ類が寄生してると、魚が餌をとりにくそうです。この個体は宇和島市の下波産です。過去にはクロトガリザメなどが獲れていたことがあります。

この個体は、後にフライにして美味しく頂きました。ウオノエはさすがに食べませんでした。

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