今回は北の海で食用にされている魚です。ヒレグロGlyptocephalus stelleri (Schmidt)です。
見た目まんま、鰭が黒いからヒレグロ。これまた見た目まんまですが、カレイ目・カレイ科に属します。ヒレグロ属の種は大西洋に1種、もう1種、ベーリング海~カリフォルニアにかけて生息します。本種は東シナ海北部・日本海各地、銚子以北の太平洋岸からロシアにかけています。
ヒレグロはヤナギムシガレイに良く似ていますが、頭部無眼側にくぼみがあること、背鰭・臀鰭縁辺が明瞭に黒くなることから区別できます。小型の個体は浅いところの底曳網でも漁獲されますが、大きな個体は深い場所に多いです。
無眼側もこんな感じで真黒です。
良く似たヤナギムシガレイは高級食用魚(干物)ですが、本種はそれほどでもなく、安価にうられているようです。でも決してまずいというわけでは有りません。干物にしても焼いても煮ても十分に美味しくいただけます。
北日本や日本海側ではカレイの種類が多いです。日本海側の底曳網で漁獲されるのは本種のほかにはアカガレイ属のアカガレイ・ソウハチ、ヤナギムシガレイ、ムシガレイ、メイタガレイなどがあります。いずれもそれらの土地で食されています。