兵庫県の日本海側の魚をご紹介します。
まずは、ウラナイカジカ科の珍種ヤマトコブシカジカMalacocottus gibber Sakamotoです。
ヤマトコブシカジカの分布域なのですが、これについてはいくつか論されてるようです。魚類検索では、太平洋岸にも分布するということでしたが、日本海側にのみ分布するようなことが書かれた論文もありました。
水深についても、魚類検索では800-1000mですが、この個体はハタハタなどとともに底曳網に入った個体です。300-500くらいの場所にもいるのでしょう。
奇怪な面構えの魚です。全身は真っ黒で、皮はぶよぶよしています。クサウオなどにも似た雰囲気の魚です。良く似たコブシカジカとは、頭部背面に粟粒状鱗が全くない、もしくは第1背鰭基部付近にのみあることで区別可能です。日本海側でよく漁獲されるもう1種、ガンコとは、後頭部に大きな棘がないこと、左右の鰭膜は皮褶を形成しないこと、などで区別できます。
ウラナイカジカ科の魚は寒い海の深海に生息し、11種が日本から知られています。ただし本種はコブシカジカのシノニムとする説があります。もしそうなったら、コブシカジカの標準和名が採用されそうです。