16日に、「家族の姓」と「女性の再婚期間」についての初めての最高裁判断が出ました。
いやあ、私は「夫婦別姓」が認められたら法的婚姻関係(いわゆる結婚ですな)を結ぼうと約束した相手がいたのよ、これが。20年ぐらい待つうちに、結局友だちに戻ったのよ。私の場合はお互いそのほうがよかったのでいいんだけどさ。
まあ、そんなこともあり、今回の最高裁判断には非常に興味があったわけですな。それがねー、こんなことになってねー。
東京新聞記事から抜粋します。
●夫婦別姓認めぬ規定「合憲」 最高裁初判断 「家族の姓一つに合理性」(12月18日朝刊1面)から抜粋
最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎(いつろう)長官)は十六日、初の憲法判断を示した。夫婦別姓を認めない民法七五〇条が憲法違反かどうかが争われた訴訟では、「結婚時に夫または妻の姓(氏)を名乗る」との規定を「家族の呼称を一つに定めることには合理性があり、女性の不利益は通称使用で緩和できる」と、合憲と判断した。
最高裁は夫婦別姓訴訟の判決で、「いずれの姓を名乗るかは夫婦の協議に委ねており、規定には男女の形式的な不平等はなく、憲法違反とはいえない」とした。ただ、希望すれば結婚前のそれぞれの姓を名乗れる「選択的夫婦別姓制度」にも一定の合理性を認め、「どのような制度にすべきかは、社会の受け止め方を踏まえ、国会で論じられ判断されるべきだ」と、国会での積極的な議論を促した。
「姓の変更で不利益を受けるのは女性の場合が多いと思われる」と認めたが、旧姓の通称使用が一般的になっていることなどから、「個人の尊厳と男女の平等に照らして合理性を欠く制度とは認められない」と結論づけた。
現在の規定が「合憲」との判決は裁判官十五人のうち十人の多数意見。女性裁判官三人は全員が違憲と判断し、「多くの女性が姓の変更による不利益を避けるため事実婚を選んでいる。別姓を全く認めないことに合理性は認められない」などとした。
「いずれの姓を名乗るかは夫婦の協議に委ねており」だと? 現実を知らないのか? 知らないんだな! 結婚したら男性側の姓を名乗るものだと男女とも思いこまされているってことを。
まだ30代の女性友人が数年前に結婚したときに、どっちの名前にするのか聞いたら、「夫の名前にならなくちゃいけないんでしょ」って言われた。もうびっくりした。その友人はレベルが高いと言われている大学も出ているし、仕事もしっかりやっている人だったから。
「どっちの姓を選んでもいいんだよ。結婚(婚姻)は、二人とも“生まれた家族”の戸籍から出て、こんどは“生む家族”――(子どもだけじゃなく二人の文化や生き方を生み育てていくっていう意味の“生む”ね――である二人の新しい戸籍をつくるってこと。だから女性が入籍する、男性側の家族の戸籍に入るという言い方は大間違いなの。
新しい戸籍をつくるにあたって、日本では夫か妻の名前を名乗ることになっているのよ。言ってしまえば、新しい戸籍に名前がないと不便だから便宜上どっちかの名前をつけとこうってことだよ。だから夫でも妻でもどっちの名前をつけてもいいの。妻の名前をつけたら夫が婿養子になったことになるわけじゃないの。婚姻届の、夫または妻の名字どちらかにチェックすることで、結婚後に夫婦が名乗る名字を決めることができるのよ」と言ったらもんのすごくびっくりしてた。
かくのごとく、「いずれの姓を名乗るかは夫婦の協議に委ね」られていないんじゃい。最高裁、しっかりしてくれ。
それから、夫婦別姓訴訟の判決骨子に、「改姓した女性はアイデンティティー喪失など不利益を受ける場合が多いが、通称使用が広まれば緩和できる」ってのがあったけど、これって女は我慢しろってことじゃん。最高裁判所が男女差別してんじゃん。ひっどくない?。
●12月17日の社説「家族と法と最高裁 時代に合わせ柔軟に」(12月18日社説)からの抜粋
(民法では「夫か妻の姓を名乗る」と定められているだけだが)問題なのは、どちらかの姓を強制されてしまう点だ。96%が「夫の姓」を選んでいる。女性が「自分の姓で生きたい」という願いを持った場合、法律婚は事実上、無理で、届け出をしない事実婚を選ばざるを得ない。
だが、事実婚では、税法上の扶養家族になれず、配偶者控除などの適用外となる。相続の場合にも難しい立場に置かれる。経済的に負担となるのだ。
だから、夫の姓を選んだ上で、旧姓を通称として使ったりする。会社など勤め先でも、それを認めるケースは増えた。ただし、その場合でも、新規につくる銀行口座や健康保険証、運転免許証などでは通称は使えない。差別的だと考えるのも理解できる。議論を進めねばならないテーマだ。
(日本ユニセフ協会会長の)赤松さんは「私は女性が長く職業を続けることが大事だと思っています」と語っている。
「結婚したら、どちらかが名前を変えなければいけないというのは、仕事を続ける上で迷惑なことと思います。夫婦同姓にしたり、別姓にしたり、選べるようにしたらよいのではないでしょうか。民法で姓を変えることを強制しないでほしい」
明治民法では「家制度」が根幹にあった。夫の姓が当たり前の時代だった。「家族の一体感が失われる」などの意見は、この発想の延長線上にあるのかもしれない。だが、今や社会はグローバル化し、価値観も多様化している。選択的夫婦別姓など二十一世紀にふさわしい制度を立法府は早く構築すべきであろう。
結婚による改姓の面倒さを女性に押しつけてるのが現状だよ。
「家族の一体感が失われる」って? 夫よ、そういう縛りがないと妻を引き留められないのか? この判決でほっとしている夫がいたら、かなーり惨めな夫婦関係しかつくれなかったってことになるんじゃないのか? 心のつながりをつくるのがまず必要だろうさ。うーむ。
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