ふうるふうる・たらのあんなことこんなこと

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正しいエコ生活って

2010-03-08 20:31:35 | 本や言葉の紹介
 武蔵浦和“ふうるふうる”のたらです。
         (↑これをクリックするとホームページに行きます)

 武田邦彦さんは今推奨されているエコロジー生活を批判しているかたです。
 「完全理解版 家庭で行う正しいエコ生活」(武田邦彦 講談社)は、何がどのように間違っているのかをわかりやすく解説しています。

 武田さんは、「環境の時代」とは、「自分のことだけを考えない」、「目に見えるところだけを考えない」ということでもあると言います。
 レジ袋についても、レジ袋を廃止したらその代わりに使うバッグやゴミ袋のことは考えない、ペットボトルのリサイクルについても、ペットボトルの回収に使うトラックの燃料や人件費などのことを考えない。目先のことだけを見ているから、かえって環境を汚すことになっているそうです。
 たとえば、紙をリサイクルすると石油を2倍使い、森林を破壊することになるため、よいことではない。
 しかし、紙の原料となる森林は製紙会社が管理しているか、もしくは長期的な契約を結んでいるため、ほとんど現状を維持し、保護している。紙をリサイクルしないほうが製紙会社は森を守ろうとするので、紙の消費量が増えれば「保護された森林」が増えることになる。
 問題は、発展途上国の森林で、国が発展するときは、森を切り開いて道、宅地、工場団地などを造成するなどで多くの森林が犠牲になる。
 たとえば牛乳パックをリサイクルすると、水道水を無駄に使う、紙のリサイクルに石油を2倍使う、量的に紙の消費量全体から言ってまったく効果がない、等の結果になるので牛乳パックのリサイクルはしないほうがよい。
 たとえば、リサイクルしてもごみが減ったことにならない。市民が分別せずにごみを出すと「市役所が処理するごみ」に分類されるが、市民が分別すると「資源」に分類されるので統計上はごみが減ったように見える。しかしその「資源」は実際には使えないので、役所はお金(税金)をつけて業者に私、業者はそのお金を使ってその「資源」をごみとして捨てる。
 等々。裏話も含めて、「えっ、そうだったのか」がいっぱいでした。
 
 今、「エコのためだから」とつけるとなんでも通っちゃうような感じになっているのがいやーな感じなのですが、武田さんが孔子の言「好直不好学其蔽也絞」(正直なのを好んで学問を好まないと、その弊害として窮屈になる)を、を引用して「まじめな人は勉強しなければならない。なぜなら、まじめで知識が少ないと、他人を非難し、責めるようになるから」と訳しているところでは、そうだよねえと膝を打ちました。

 武田さんは「私の解決策」として、レジ袋をゴミ袋に利用する、ペットボトルは3回以上再利用して、ごみとして捨てる、国産の割り箸をどんどん使う、ダイオキシンに注意する必要はない、紙や牛乳パックはリサイクルしないでごみにする、アルミ缶はどんどんリサイクルする、食糧自給率を上げるために、ハウスものでも養殖物でもとにかく国産のものを食べる等をあげています。

 そんな武田さんには風当たりも強い。
 私も何となく釈然としないなあと思うところもありました。
そこで、「武田邦彦はウソをついているのか? 日本人の環境問題の常識を覆す熱闘論」(編著:武田邦彦/杉本裕明 PHP研究所)を読みました。
 これは、循環資源研究所、全国都市清掃会議、国立環境研究所、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議事務局、内閣府原子力委員会、環境省地球環境局、廃PETボトル再商品化協議会環境ジャーナリスト、本国会議員、大学教授などの面々が、2007年と2008年の2回に渡って武田さんと討論を繰り広げた記録をまとめたもの。

うーん、、何が正しいエコ生活なのでしょうかねえ。
 両方読んでも、とまどうことしきりであります。