石飛博光著「ほっとする禅語」二玄社より
仏教の禅の言葉には、自戒させられる言葉がたくさんあります。
仏教の三毒「妬むな、怒るな、愚痴るな」それに私は「驕るな」を付け足しました。驕り高ぶる自分に言い聞かせたい、しっかり反省させたいとき、禅語にこのような教えがありました。
勢、使い尽くすべからず(いきおい つかいつくすべからず)
調子に乗っているときは、恐れを知らない自分になっています。自分が正しいと思い込んでしまい、人の言葉が聞こえなくなります。
そんな時「謙虚であれ」と気づけばいいのですが、勢いは強い力となって突き進む。そんなことができてしまうのです。
しかし、歳を重ねるごとに、それはいつまでも続けることができないのだということを学んでいきます。
勢いあまって本来の目的以外にも鉾先を向ける。勢いあまってついてくる人たちを見失う。勢いにまかせていると、弱いものが見えなくなる。勢いが人を傷つけ、自分の首を絞める行動に走らせる。
だから、腹八分目でやめておく知恵が生まれました。
歴史をふりかえれば、勢いに陰りがさすのは、敵側の要素ではなく、きまって自分に原因があるのですよと、この本は教えております。