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霞が関の残業、厚労省が最多

2009-07-02 23:07:13 | その他社会・時事
霞が関の残業、厚労省が最多 労組調査(朝日新聞)

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 中央省庁で昨年度最も残業時間が長かったのは厚生労働省という調査結果を、霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公、22組合)が1日発表した。月平均で旧厚生省系が71.2時間、旧労働省系が66.3時間と、調査した9組合の中でワースト1、2位を占めた。仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の旗を振る厚労省の足元が問われる結果となった。

 東京・霞が関の省庁で働く組合員にアンケートし、一般職員の約8%にあたる計3573人から3月に回答を得た。全体の平均残業時間は前年度より1.4時間減って月36.3時間。若い年代ほど長く、20代が44.5時間、30代が39.8時間だった。過労死の危険ラインと言われる月80時間以上も8.9%いた。

 残業理由(複数回答)では「業務量」が64%で最も多く、続く「国会対応」が24%。また、74%が「残業代の不払いがある」と回答した。

 厚労省の残業最多はここ数年続いている。指標の多くは改善傾向にあるが、霞国公は「長時間労働の深刻さに変わりはない」として、政府に改善を申し入れる方針だ。
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霞ヶ関の中央官庁の残業といえば、かつては大蔵省(現・財務省)や通産省(現・経産省)が有名だった。大蔵省は、残業で家に帰れず、泊まり込む人が多いことから「ホテル・オークラ」といわれたし、通産省も、その正式名称である通商産業省をもじって「通常残業省」と呼ばれたものだ。だが、それも今は様変わりし、厚労省がここ数年、残業ワースト1を続けている。

厚労省が残業ワースト1となっている背景として、やはり国民生活に密接に関わる分野であるため、国民の注目度が突出して高いことがあると見て間違いない。また、きめ細かい施策の実施、社会的弱者への配慮等が求められるにもかかわらず、現実には大ざっぱで弱者切り捨てに近い政策に国民の強い批判が集中していることもありそうだ。これに加え、政府・与党、とりわけ自民党で今は厚生族が最も強い政治的影響力を持つとも言われることから、先の郵便不正事件に見られるような政治介入の動きも強まっている。いわば、社会保障問題が国民の最大の関心事になるとともに複雑高度化していること、もっと端的に言えば、国民の利害が最も鋭く対立しているのが社会保障問題という最近の日本の状況を反映している。

それとともに大きいのが、2001年の省庁再編だろう。この省庁再編は、閣僚ポストを減らす行革の一環として出てきた構想だが、そもそもが「組織をスリム化すれば、官僚はそれに合わせて自分たちの仕事をスクラップしてくれるだろう」という根拠のない希望からスタートした乱暴な構想でもあった。組織を一本化しても、仕事は減らないのだからスリム化にはならないし、官僚の数も仕事が減らない以上減らせないのだから、単なる目くらましに過ぎなかった。

その結果起こったことは、厚生労働省の機能不全だ。消えた年金問題から非正規雇用、後期高齢者医療制度、救急医療崩壊、果ては新型インフルエンザ対策までがこの省の所管となり、多忙を極めている。しかも、これらすべてが国民の生命に関わる問題であるため、手を抜くわけに行かない。ここ半年ほどの厚労省は、首相がテレビに出ない日はあっても厚労相がテレビに出ない日がないほどの多忙ぶりだ。

行革や民営化などが政治的争点になると必ず名前が出てくる屋山太郎や猪瀬直樹などの「亡国評論家」達は、政府は小さければ小さいほど正しいと信じ、いかに政府に仕事をさせないことが大切か説いて回っている。しかし、彼らの主張が小泉、竹中改革に反映され、冷酷に実行された結果、今日の事態は引き起こされている。もういい加減、政府は小さければ小さいほどいいという幻想から醒めるときではないか。問題なのは政府の仕事を減らすのではなく、複雑・高度化した国民の要求に応えるために官庁の仕事を再編し、不要となった業務から新たに必要となった業務へ態勢を振り向けることである。

同時に、2001年の省庁再編から8年経過し、そろそろその政治的総括をすべき時期だろう。結論から言えば、厚労省を見る限り再編は失敗だったと断ぜざるを得ないし、そこで起きていることは担当業務の範囲が広すぎることによる機能不全である。厚労省の現在の仕事がいずれも重要なものであり、減らすことができないとするなら、麻生首相ではないが再分割を検討すべき時期ではないかと当ブログは考える。

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