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春日部市にある巨大団地・武里団地を去っての感慨

2016-09-02 14:25:52 | チラシの裏
  8月末に春日部市からさいたま市に引っ越した。新居は築15年ぐらいの賃貸マンションである。建物自体はとても良いが、家の近辺がマンションばかりで殺風景。また、これまで自転車通勤だったのだが、新居からは電車を使う。運動不足にならないか心配だ。まあ、しばらくすれば慣れるだろう。

  春日部ではおよそ3年半の間URの武里団地に住んでいた。東武伊勢崎線沿いの、4層から5層の建物が170棟くらいある、築50年の古い巨大団地である。古いながらも3.11をくぐり抜けているので、それなりに造りはしっかりしているのだと思う。ただし、傾斜棟も数棟あって、そこは立ち入り禁止になっていた。一部の棟を除いて、ほとんどの棟にはエレベータが無い。借り手には高齢者が多くて、階段では昇降が辛いのだろう、4~5階はけっこう空家になっていた。最近では、その4~5階に若い人に住んでもらおうと、URは無印良品と組んで内装をおしゃれにして、入居者を募集していた1)。この企画は上手くいったのだろうか。(ちなみに僕が住んでいたのは3階で、この企画とは無関係である)。

  団地の敷地内には緑がとても多い。桜、はなみずき、ぼたん、あじさいなどなど季節によっていろいろな花が目を楽しませてくれた。同時に虫も多くて、窓を開けっ放しにしていると、蚊やハエだけでなく、蝶やカマキリも室内に入ってくる。その虫を食べる動物もまたいて、猫やカラスが団地内のどこかに巣を作っている。コウモリもよく見かけたが、たぶん傾斜棟の最上階の吹き抜けで暮らしているんだろう。もっとも困った動物がムクドリで、夕方になると大通り脇の街路樹のけやきに毎日集う。何百羽と集まってのその鳴き声はうるさく、木の下が糞だらけとなってとても臭いが酷い。一時期ムクドリの集会所は団地の南にあるせんげん台駅前(越谷市)になっていたのだが、越谷市側がいろいろ対策を打って撃退してしまったために、今は市境を越えて春日部市内の武里団地が集会所になっている。

  借りていた部屋は3Kで、部屋はいずれも畳。寝っころがって本を読む人間なので、フローリングより畳の方が都合がよい。けれども、天井が低く、さらに壁の上部に出っ張りがあったりして、本棚の置き場所が限られてしまうのが難点だった。借りた際には洗面所と台所がリフォームされていて新品の装置を使えた。だが、洗濯機置き場の更新はなされていなかった。洗濯機の廃水を風呂場に流すのだが、風呂場より洗濯機側の位置が低いためにそのままでは廃水が流れない。なので、洗濯機の下にブロック二つを置いて高さを調整しなければならなかった。また、風呂場の排水溝はよく詰まった。洗濯時の廃水のせいかと思って洗剤を粉末から液体に変えたのだが、効果は無かった。業者を呼んで排水溝をドリルみたいなものでほじってもらったことがあるが、数か月すると元に戻った。

  きれいなところではないので客も呼べないが、友達はたいしていないので無問題だった。静岡から武里団地に引っ越した三年前、実家から父母が一度だけ来訪したが、足の悪い親父は気に入らなかったようで二度と来ることはなかった。このように不満はいくつかあったのだが、総合的には悪くない住居だった。正確には「値段相応」だった。49m2の3Kの家賃が月5万円強である。都内でワンルームを借りるような家賃で40歳のおっさんが一人暮らしていたわけで、とても安価だった。結婚したばかりの若い夫婦が生活をスタートさせるのにいいんじゃないだろうか。ここで貯金して、子どもができたら戸建なり分譲マンションなりを買う、と。夫婦のどっちかが見栄っ張りだと無理かもしれないな。

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1) MUJI×UR:団地リノベーションプロジェクト / 武里団地
  http://www.muji.net/ie/mujiur/area/13_takesato.html
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