29Lib 分館

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容疑者とのかすかなすれ違いがあったので

2020-03-20 08:20:59 | チラシの裏
  3月16日夕、男が埼玉県庁前で別居中の妻を刺殺して逮捕された、というのがニュースとなった。僕はさいたま市民なのであの辺りをうろうろしたことがあるが、殺人現場は浦和駅の西にある官庁街の中で、埼玉県警にも近い。土地が広く開けていて、逃げ隠れできるようなところがない。容疑者にあったのは殺意だけで、後のことは考えていなかったのだろう。あるいは即捕まるつもりだったか。

  驚いたのは、容疑者・浅野正が文教大学・人間科学部の准教授だったこと。文教大学は僕の前任校であり、五年間という短期間ながら在籍期間は彼と重なっている。ただし、僕の所属は文学部だったし、委員会などで同席したこともないので、容疑者のことはまったく知らない。キャンパス内ですれ違ったことぐらいはあるかもしれないが。

  事件の翌日に大学側が記者会見をして頭を下げた。会見に挑んだ四人とも僕が在籍した時代にお世話になった方々だ。謝罪は世間を相手に「お騒がせしました」ということなのだろう。だが、この件では文教大学は被害者である。大学側は、教員を失い、世間の評判を落とすことになった。

  しようがないこととはいえ、この謝罪には理不尽さを感じた。被害者側が謝罪しなくてはならない風潮はどうにかならないものかと思う。事件は、夫婦関係という、容疑者のプライバシーの上で起きたことで、大学組織が管理していることではない。組織内の優越的地位を悪用したパワハラとかではないのだ。プライベートな領域で事件を起こした職員が所属していた、そういうことで組織が批判されなければならないとしたら、組織は職員の私生活を監視しなければならなくなる。

  なお、現時点で動機についてはわかっていないとのこと。別居が人生のほころびだったとはいえ、地位もあり、子どももいるような人がやるようなことには見えない。「中年の危機」を乗り越えられなかったのだろうな。とりとめのない話になってしまったが、ショックは受けている。
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