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冷遇され続けるピアノトリオ名盤

2010-07-22 10:49:02 | 音盤ノート
Richie Beirach "Elm" ECM, 1979.

  George Mraz(b)とJack Dejohnette(d)がバックを支えるピアノトリオ。。素人の僕の耳では、Beirachのピアノは「明るくないChick Corea」という感じなのだが、どうなんだろうか? メロディより和音に凝った演奏である。最近のECM作品には無いバトル演奏が繰り広げらているのが特徴で、特にDejohnetteの手数の多いドラミングが聴きどころ。3曲目と5曲目のような耽美的な演奏もあるが、2曲目と4曲目のような壮絶なインタープレイの曲の印象の方が強い。

  この録音は2000年に日本盤CDとしてのみリイシューとされている。稲岡邦彌『ECMの真実』1)によれば、Beirachが御大アイヒャーと喧嘩して、以来Beirach参加作品は本家ECMのカタログから外されているのだとか。Liebmanの"Lookout Farm"(参照)がCD化されないのも彼が参加しているためだと思われる。それにしても、かなりのクオリティを持った作品群がLPのままというのももったいない。(この作品のLPも個人的に持っていたが、大学時代の友人に貸したままになっている。CD化されて取り返す気が無くなってしまった。)

  ちなみに、ジャケット上のファーストネームは"Richard"となっているが、"Richie"とした方が通りが良いようだ。本CDの日本盤のオビでも"リッチー・バイラーク"となっているし、米Wikipediaでも"Richie Beirach"で項目が立てられている。

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1) 稲岡邦彌『ECMの真実』河出書房新社, 2001.
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