Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

進化か停滞か(ルヴァンカップGS2節ガンバ戦)

2020-08-05 22:22:29 | マッチレポート20'
今シーズンに限っては「ルヴァンカップだから」と試合の内容や結果を低く見積もる必要はないと思うんですよ。何よりも今日のガンバのスタメンがそれを物語ってるわけで。今日のドローは内容も含めてとてもいい試合だったと思う。


疲れてる選手は休ませたい、チームの底上げの機会としたい、でも公式戦連敗の悪い流れは何としても止めたい、という片野坂さんの苦悩がそのまま表れたようなスタメンになった今日の試合。前3枚は伊佐・さんぺー・小塚という極めてなじみのあるメンバー構成となった。中盤も怜さん・コテ・星が並び新加入は佐藤だけだった。前節の記事でも書いたけど、連敗中はどうも試合の進め方が「雑」だと感じていた。その「雑」さが何なのかはハッキリしてなかったんだけど、今日の試合を観ていて何となく分かったような気がするんだよね。何度も言ってるけど自分は2列目に達也や井上健太を配置するやり方に否定的だ。2列目から走力を活かしてラインブレイクする動き出しで能動的に点を取りにいきたいというのが、昨シーズンのシュート数の少なさに対する片野坂さんとしてのバージョンアップの答えなんじゃないかな。ただその自ら動きにいこうとするやり方が急ぎすぎているように見えるし、バランスを崩しているようにも見えるし、結局バカバカ失点するし、ざっくり言ってしまえば「雑」ということになるんだよなと。今日2列目に小塚とさんぺーが並んでしっかりと中でボールを受けることで色々なパターンの攻撃を作り出せてた。象徴的だったのは前半42分のさんぺーのシュートでフィニッシュしたシーン。自陣でコテがパスカットしたところからゆっくりと計22本のパスを繋いでペナルティエリアにきっちりと侵入した。この流れの中でボールに関与しなかったのは怜さんだけ。中へのパスもあるという共通認識を全員が持てるだけであれだけ詰まり気味だったサイドからも攻撃が繰り出せるようになった。決してどちらか一方という話ではないと思うんだけど、いま全くうまくいってない中で再開後に取り組んでるやり方をいったんやめてみるのも一つの手じゃないかなと今日改めて思った。


そうは言っても今日の失点も自陣での繋ぎのミスを突かれてのもの。佐藤がボールを持って前を向いた時に一瞬迷いを見せると、あっという間に距離を詰められてしまい苦し紛れに出した横パスは完全に井手口に狙われていた。ガンバのプレッシングも見事だったし、この類いのミスはチームの練度を上げていく過程においてはやむを得ないと思うよ。それと佐藤は75分のスーパーブロックでこのミスを完全に取り返したしね。それでいいと思うよ。奎汰と星という片野坂さんのサッカーに1年以上親しんできている組合せで左が活性化した一方、まだ羽田にぎこちなさが残る右サイドは停滞した。そのタイミングで渡されても困るだけだよというパスが多くて怜さんのところでボールロストすることが多かった。さらに言うとリーグ戦は羽田のところを狙って勝ち点を得たわけだからガンバが今日の試合でも羽田にプレッシャーをかけないわけがないからそういう意味では右が停滞したのはある意味で必然かなとも思う。その裏返しで左に自由があったとも言えるわけで、左右均等なんてあり得なくて、こっちがダメならあっち、あっちがダメならこっちと出来るチームの方が当然強い。


キョンゴン頑張った。2つのビッグセーブはもちろんのこと2年前の天皇杯から全く出場機会がない中でよくぞここまで耐えて頑張った。サイドに付ける時も1人飛ばすパスが多くて工夫している感じが見てとれたし、相手のプレッシャーラインを2列くらい飛ばすミドルレンジのパスに何度もチャレンジしようとしていたのが印象的だった。自分は高木がこのスタイルのサッカーで最もフィットしてきたなと思ったのはこのミドルレンジのロブ気味のパスを多用するようになってきてから。食い付かせてひっくり返すのは何も相手の最終ラインの裏だけじゃなく、スペースが空いているところに上からパスを付けられればこんなに武器になることはないわけで高木がこのパスを多用するようになってきてから本当によくなったと思ってたんだけど、今日のキョンゴンはそれをしっかりと見ているなと思わせるチャレンジぶりだった。すぐにレギュラー交代になるとは思わないけど、高木が不安定なプレーを続けるようならいつでも変わりまっせというプレッシャーを常にかけ続けてほしいと思う。


残念ながらこれで2年連続ルヴァンカップGS敗退が決まってしまったわけだけど、3試合しかなくて初戦落としてたらそりゃ無理だよねって話だから仕方なし。高木のポロリが後になってこんなにもダメージなるとはね。ただ今日の試合で勝てなくても内容が伴えば何となく前を向くことが出来るなってことを再認識したので、次節柏戦も貴重な実戦の機会を無駄にしないように戦いたいね。片野坂さんがどういう選手起用で来るかってことからもう試合の楽しみは始まってるわけで、苦しい状況だけどチームは立て直してくると信じて楽しみに待ちたい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« チーム崩壊(8節鹿島戦) | トップ | 5連敗(9節川崎戦) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マッチレポート20'」カテゴリの最新記事