Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

必死のパッチでCatch the wave(20節町田戦)

2022-06-05 23:31:58 | マッチレポート22’
試合中はずっとこの3点リードは深津康太のおかげと思っていた。ノムにも藤本にも1対1で完璧に置いていかれて次々とチャンスを作られ失点にも絡んだ。37歳だしさすがにもうJ2でやれるレベルじゃないだろうと。ついでに前半で岡野を下げた時点でほぼほぼ深津のフルタイム出場は確定したわけでまあこれで間違いなく勝ったなと確信した。あれだけ攻撃の糸口が見つけやすいと選手たちもやってて心が軽かったと思う。「あそこで1対1さえ作れれば何とかなる」という意識が心の拠り所となるわけだ。相手チームながらあのレベルの選手のフルタイム出場はちょっと自分の感覚では理解出来ない。


ただ試合後の下平監督インタビューで発せられた一言で少し印象が変わった。「ミラーゲーム」。自ら狙ってミラーゲームにしたと。昨年降格した最大の要因を挙げるとしたら個人的には「ミラーゲーム」で相手を上回れなかったことだと思っている。前半は立ち位置のズレをうまく使ってしっかりと試合を運べてもハーフタイム後にミラーゲームにされると個の質的優位性で圧倒される試合が何度あったことか。結局それはシーズンの最後まで続き、そして最後まで克服することが出来なかった。それをカテゴリーを下げた今シーズンは自らそのやり方に持ち込み、そしてまさに質的優位性で相手CBの穴を突き続けて前半で試合を決めてしまった。ただよく考えると今シーズンの根拠なき期待(今になってみると)ってこれだけ選手が揃えば質的優位性で圧倒出来るだろうという感覚があったからだと思う。その見立てが甘かったわけだけど。


これで4ゴール連続でヘディングゴール。つまりサイド攻撃が機能しているということ。ワントップが収められてさらに落としもうまい、両翼は仕掛ける意識の高い藤本と健太、それを繋ぐ2人のシャドーはタイプこそ違えどゴールへのイメージを明確に描ける選手。きっと下平監督がシーズン前に描いていた3トップのイメージってこんな感じだったんじゃないかと思う。もちろん今日は監督自身が言っている通り、ミラーゲームに持ち込んだゲームプランがハマったところがあるからまたすぐにグズグズの試合に戻ってしまうことも十分にあるとは思うから楽観は出来ない。今日の試合に注文をつけるとすれば後半の試合運び。実際に我々自身がやられたこともあるから3点がセーフティリードだなんて言うつもりはないけど、3点はセーフティリードだ。だから後半は意図を持って試合をスローダウン、クールダウンしてほしかった。そして失点した前後の町田の時間帯は単純に体力的な問題だったと思うから交代は明らかに遅かった。ましてや相手は前半で選手交代をしているからこれ以上あれやこれやイジることは出来なかったわけでもっとシンプルにエネルギーを注入する交代を早くしてほしかった。実際に最後もう一度主導権を握り返したことがその何よりの証明。失点はもったいなかった。


サムエルは素晴らしいヘッダー2発。ルヴァンのゴールも含めてこれで3発全て頭。少し前のインタビューで見てほしいのは左足で頭はおまけみたいに言ってたと思うんだけど、3つとも簡単ではないもはや「利き足は頭です」と言い切っていいレベルのもの。ただ上でも書いたようにサムエル効果はゴールだけではないと思う。あれだけロングボールを収めたり、ワンタッチで味方に繋いでくれることで相手が的を絞りづらくなるからビルドアップの助けにもなっていると思う。このヘディングの強烈さをもしのぐ左足のシュートというのを早く見てみたい。


新太も2試合連続でヘディングゴール。決めたことももちろん素晴らしいけど、その前にディフレクションしてゴール前の絶好の位置に落ちてきたボールに誰よりも早くたどり着いていることに新太の価値があると思う。貪欲に前へ進みゴールへの渇望を隠そうとしない。ディフレクションしたボールがたまたま新太の近くに落ちてきたのではない。常にそういう姿勢だからこそ誰よりも早くボールの落下地点にたどり着けるんだと思う。次節は初の古巣戦。J2でやりたかったわけじゃないと思うけど、心に期するものはきっとあるはず。空回りせずにいつもの新太で。


保田くん、リーグ戦デビューおめでとう。もうこれで完全に戦力としてカウントされているということで間違いない。哲平さん、一刻も早く昇格の発表を。しかしこれでボランチの序列は完全にリセットされたと言っていいと思う。CBだと物足りなさの残る羽田健人もボランチだとより羽田の良さが出せるように思う。やや抜け出した感のある将輝もまだ絶対ではないし、シャドーと併用出来るユーティリティさは魅力の北斗、ケガで離脱中なのかしばらくお見かけしないネット、天皇杯で内容は分からなかったものの完封勝利に貢献した小林裕、と完全にボランチが混戦状態。シーズン前は北斗が序列を下げる状況をほとんどの人が想像していなかったと思うけど、結果が出ないならどんどんこうするべきだ。70分にまた悪い癖を出したペレイラ。直後に新太から厳しく言われていたところを見ると、チームメイトからもそういう認識なんだろうと思う。今日の上夷の出来ならペレイラを一度外しても何の問題もないと思う。ペレイラは最終ラインを任せる選手としては軽い印象がどうしても拭えない。


今シーズン3度目の連勝。波は来たような気がする。気がするだけかもしれない。強気になれないのはもう何度も裏切られてきたから。ただ前半戦の最後で首位の新潟を迎えるというのはタイミングとしてはちょうどいいんじゃないだろうか。もしかすると来たかもしれないこの波をこのタイミングでキャッチ出来なければ今シーズンの自動昇格チャンスはもうないと思う。勝ったとしてもまだ勝ち点7差もあるしその間に仙台や横Cが先に行ってしまう可能性もあるし、勝ったことが何かを約束してくれるわけではないけど、勝たなければこの来たかもしれない波に乗ることは絶対に出来ない。何がなんでも乗るしかない!!

必死のパッチでCatch the wave!!
コメント
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