Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

3度目のJ2降格(36節鹿島戦)

2021-11-21 01:18:34 | マッチレポート21'

自分で撮っておいて手前味噌ですがこんなにも今日の試合後の状況を雄弁に物語る一枚はないと思っている。


この日だけに限らず負けた後は誰よりも悔しい表情や残念な表情を見せてきた北斗だけにこの日の涙にはもちろんグッときたわけだけど、ただ正直に言うと降格という事実に対してはそんなに心は揺さぶられていない。もう半年も前から少しずつ準備してきたっていうのがあるのかなとも思いつつ、また一方で既に試合前から他会場の結果が我々の追い風になっていないことが分かっていたから試合が始まる前からどこか気持ちが冷めていたからかもしれない。そんな心持ちで試合を観ていたからかもしれないけど、終始ここに来るまでに何とかしてこなきゃいけなかったんだよという思いばかり去来していたからあまり試合に集中出来なかったのが本音。今日も頑張ってはいたけど、ゴールのにおいはほとんどしなかったようにここが限界。だから降格は妥当も妥当というところだと思う。



このタイミングでスタメンをいじってきた片野坂さん。エンリケ→ペレイラについては来季ペレイラの方が残せそうという見込みなんじゃないのかくらいで見ていたけど、それは置いといたとしてもペレイラは安定してたね。戦力になるのがあまりにも遅すぎたけど、今日の守備はとても良かったと思う。それと初スタメンとなった野嶽。デビュー戦のマリノス戦は投入されたタイミングがあまりにも酷だったし、次の湘南戦ではいきなり頭部負傷とここまで全く力を発揮出来ていなかっただけに今日のパフォーマンスでやっと自分がどれだけやれるのかを見せてくれたんじゃないだろうか。貴重なレフティだけに来季にかかる期待は大きい。



この日も腰が重かった片野坂さん。後半なかばあたりから走り合いの様相が増してきている中でもう戦術云々よりもまずはフレッシュな選手を投入してチーム全体の強度を保たなければ絶対に点は取れないだろうとずっとやきもきしていたわけだけど、結局最初の交代が81分と勝たないと降格するのが本当に分かっていたのかと疑いたくなるくらいに腰が重かった。ここまで来ると片野坂さんらしいなとも思うけど、この部分さえ何とかすれば十分に残留出来たのにという思いも捨てきれないのが何とも歯がゆいところ。夏に解任すべきだったのかという点も含めて個人的な感想はシーズン後の総括記事に書こうと思う。



後半のキックオフ直前に3人で取り囲んで前半のPKについて今村さんに説明を求めていたんだけど、これは良かったと思う。今村さんは必死にジェスチャー付きで言い訳をしていたけど、ここでしっかりとプレッシャーをかけておかなかったら呉屋は退場だったと思うよ。あそこで今村さんが注意で済ませたのは少なからず「帳尻」があったと思ってる。





涙は流していなかったものの試合終了からしばらく立ち上がれなかった伊佐。何度も膝に手をつきその無念さは手にとるように分かった。伊佐ももう在籍8年。来季はどうしたいと思ってるのかな。



鹿島側の話題も一つ。鹿島も勝たないとACLの権利が絶たれると知ったのは試合後。それにしてはラストパスの精度とか低かったし、キックオフからの猛ラッシュのトーンダウンもけっこう早かったなと思う。今季は監督交代もあったしここまで持ってきたので精一杯だったんじゃないかな。この3年間ビッグクラブと目されている中でなぜか鹿島だけはあまり強さを感じることがなかったのはずっと不思議だったね。右SBで先発した常本佳吾は2019シーズンに大学サッカー界で最も推していた選手。今はサイドバックをやっているようだけど、このシーズンエグいくらい強かった明治の3バックのセンターで本当に躍動していた。こんなにも片野坂サッカーにフィットしそうな選手はいないなと思っていたから密かに期待していたんだけど、出身のマリノスどころか鹿島からも声がかかっちゃあ仕方ないよね。


これが明治の頃。ガンバの佐藤瑶大とか山形→栃木の小野寺とか屈強なタイプのCBを両脇に従えて最終ラインをコントロールする様子は本当に抜群だった。


これは高校時代。Jユースカップで宮地くんとマッチアップ。ちなみにこの試合は2015年のJユースカップ準々決勝で会場は今日と同じカシマスタジアムなんだよね。







ということで各所で語られていますが、カシマスタジアムで始まったJ1での大冒険はカシマスタジアムで終わりを迎えた。この3年間本当に楽しかったし、クラブもチームもよくやってくれたと思う。個人的なスタンスはずっと言い続けているけど、大分は基本的にはJ2のクラブ。だからかけ声だけならいいけど、来季の陣容が固まる前から「いるべき場所に戻ろう」とか「1年でJ1復帰」とかちょっと現実見えてなさすぎじゃないと思ってしまう。例年であれば片野坂さんの続投はこの時期に発表されていたけど、試合後のインタビューでシーズンが終るまでは自分の去就は明言出来ないと言ったということは大分で契約することはないと考えるのが自然。片野坂さんへの感謝は持ちつつ、ここからまた新しい大分トリニータの歴史を作っていくだけの話。J2降格はそんなに重く受け止めることではないように思う。


仙台戦から続いた6試合連続参戦。正直少し疲れた。残り2試合が消化試合となって行かなくていいやと思えるようになってくれたことに少しホッとしている部分もある。ただ消化試合ではあるけど、来週はいきなり2022明治安田生命J2リーグ第0節だからね。絶対負けられないよ!


天皇杯まではしばしゆっくりと大分のサッカーを見ようと思う。
コメント
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