Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

首位であるがゆえのジレンマ(14節岐阜戦)

2018-05-13 18:31:33 | マッチレポート18’
大宮に負けた時にも書いたけど、うちの4バックは対岐阜用の特殊戦術。だから今日の4バックスタートは納得の選択。ただ去年から何で岐阜戦だけ4バックを使うのか、そして何でそれがそこそこハマるのかが分からなかった。岐阜の3トップに合わせた最終ラインの枚数なのか、流動的な相手に均等にスペースを埋めたいがための4−4なのか分からなかったけど、片野坂さんのコメントで「どうせ押し込まれるから、5バックで後ろが重くなりすぎずに中盤を厚くするため」と聞いて大いに納得した。ちなみに決勝ゴールについては副審が選手の体でブラインドになってるわけでもない位置から入ったとジャッジしてるわけだから議論の余地なくね?あるとしたらハンドのシーンとセットで議論してほしいね。ついでに言うと大宮戦の山越のやつも。つまり議論の意味ない。


去年の岐阜との2試合を思い返すと、相手のボール保持に対して我慢して我慢してカウンターから2発で沈めたアウェイゲームと、力の差を見せつけ楽勝ムードから自ら動いて自滅したホームゲームと明確に順位なりの差を感じていたけど、正直今日は同点にした後も苦しかったし、勝ち点0も十分にあり得た試合だった。去年よりも順位の開きが大きいにも関わらず何でそんなに苦しくなってしまったかの要因が2つあるんじゃないかと個人的には思ってる。

1つはまさに「順位に開きがあった(首位に立っている)」からこその苦しさ。去年の対戦時は今のサッカーの完成度ももう少し低く似たようなサッカーを志向する岐阜に対しては主導権は譲りながらも要所で落とすという割り切ったサッカーで臨んでいた。ただ今年はボールを動かすサッカーの完成度も上がった手応えがあり、そんな自信が岐阜に対しても真っ向勝負を挑む心理状態にさせたんじゃないかな。そして何よりも首位に立つチームとして腰の引けたサッカーは出来ないというプライドもあったと思う。ただ今日の2ゴールに象徴されるようにあれだけ質の高いボールの動かし方が出来る岐阜の順位がいつまで経っても上がってこないのはひとえに「裏に弱い」ことに尽きる。だから本来であれば千葉戦の後半に見せた「伊佐&清本行ったれやサッカー」に徹しておけばもっと楽に勝ち点3を手に出来てたと思う。だからこの苦戦は首位に立っているが故の苦しみと前向きに捉えたい。

もう1つは今季の大分のトレンドワードと言っても過言ではない「ピッチが濡れている」ということ。今日は屋根は閉まっていたものの、既にピッチは濡れていてボールがよく走った。パスを多用するチームにはもってこいのコンディションで本来であれば大分にとっても歓迎すべき状態だったのかもしれないけど、それをより効果的に活用したのはやはり岐阜だったということ。大分も地道にブラッシュアップしているとはいえ、保持率やパスの本数ではまだまだ岐阜には及ばない。あれだけの本数のパスをいつもより速いテンポでそして速いスピードで回されると苦しい。伊佐が早々にへばり出したのも明らかにそこに要因があったと思うし、真っ向勝負のしわ寄せは試合終盤のパワーダウンに間違いなく影響した。


このあたりの要因がこの試合を苦しくしたと思ってる。ただ上にも書いたけど、決して否定的には捉えてないし、何よりも勝っている。苦しみながらも勝つ、こんなにも素晴らしいことはない。


試合前にスタメンが発表になった時に4バックに対する驚きはなかったものの、「このメンバーで勝ち切ったら、片野坂さんマジで名将じぇねえか」と少しドキドキした。それはコテの先発起用。今季はメンバー争いが激しいとずっと言われながらも先発は固定気味になりつつあったところにGWの連戦で大きくメンバーをいじった片野坂さん。正直に言って「もう夏頃にはどこかにレンタルで出るかもな」くらいに出番を失っていた伸太郎を先発で起用。その伸太郎の躍動もあり、新潟から勝ち点3を持ち帰った。伸太郎に出番があったらあったで今度は「コテはどうしてんだろ」って心配になっちゃうサポーターの心理を見透かしたかのように今日はコテを先発起用。4−4−2のサイドだったら引き続き伸太郎でいいんじゃないのかと思ってたけど、蓋を開けてみると4−1−4−1のインサイドハーフの位置にコテは入った。岐阜の素早い寄せに狭い局面での仕事が多かったものの、ワンタッチの短いパスで対面の相手を外すプレー等のコテの良いところが出たし、何よりも決勝点の流れに絡む決定的な仕事をした。この苦しい試合で最後までタフにボールに絡み続けたのはコテならではだし、そのコテをここで先発させた片野坂さんの仕事ぶりにはもはや感嘆のため息しか出ない。シーズン序盤からインタビューで片野坂さんが「30人全員で」と何度も言っているのはメンバー外になった選手のモチベーションを落とさせないようにという配慮かなと思ってたんだけど、どうやらここ数試合で「本気で」30人全員で昇格を勝ち取ろうとしているとやっと気付いてしまった気がする。


高木の複数のビッグセーブ、フク&ノリの複数のシュートブロック等苦しい中でも勝ち点3が掴み取れたのには後ろの選手の奮闘抜きには語れない。今季は決して失点が少ないとは言えないけど、去年のような「おいおい」というミスは激減していると感じる。特に去年はビルドアップ時の狙い所とされることが多かったフクからも大きな自信を感じる。今日の最大のピンチ時もゴール前でよく体を張っていた。怜さんと入れ替わるシーンを何回か作り出したりと最後の最後まで脅威だった古橋。おまけかもしれないけど、高木→フクと猛然と2度追いしてきた古橋の股を抜いてかわしたシーンは痛快だった。効果的な斜めのフィードも増えてきてるし、頼もしさが日に日に増している。


試合終盤に明確に大分をパワーダウンさせた岐阜のパスサッカー。そこまでのレベルには達していないかもしれないけど、このサッカーをやり続ければうまくいかない試合でも相手が先にへばってくれるかもしれないというポジティブなものとしてこの現象を捉えたいし、そう考えられる試合が既にいくつかあった。もっともっとこのサッカーの追求をしてほしいと思わせてくれる試合だった。


これで5節首位を確保。次節は山口との頂上対決(第15節の大分−山口が頂上対決とか誰が予想したよ?)だけど、負けても3点差以上つけられなければ首位を守れるので、これでほぼほぼ1ヶ月間以上首位にいることになる。これはやばい、そろそろ首位ボケしてくる頃だわ。チームを引き締めるのと、周りを油断させるためにもここら辺でいったん山口に首位の座を譲っといてもいいかもね、


とかいう首位の余裕。んなことするわけねーだろ!オレたちが首位!!
コメント
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