Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

大分で見られなかった男たち

2016-07-31 22:23:31 | トリニータ
「栃木は僕らとは違うスタイル。リーグ戦で結果を求めるならああいう戦いもありだとは思う。ボールを保持してどう相手を崩すかを突き詰めようと目指してきた。ウチのほうが良いサッカーをしているということを結果で表したい。」(途中若干省略)

勝負事だから勝つこともあれば、負けることもある。ただ、これはダサい。こういうことを言っておいて、この負け方はダサ過ぎる。監督が如何にダサいかの言葉は泉から水が湧き出てくるかのごとくどんどん出てくるけど、まだこの監督を信じて昇格を目指さないといけないから、今日のところは控えておくけど。

とりあえず文字情報でATの失点を知った時のオレの頭の中には、リング上で仰向けに大の字になる片野坂監督を踏みつけて、舌を出しながら親指で首を斬るポーズを取る横山監督の図がすぐに思い浮かんだわけですよ。






さてと、気持ちを切り替えて。今週は嫁さんと子供が帰省中につき、一人でフラフラと色々なところにサッカーを観に行っとりました。


まずは朝の9時に前橋市は富士見総合グラウンド。初めて来たけど、まあ遠いのなんの。看板なんかを見てると、市町村合併で前橋市になってるけど、もとは富士見村だったようで、遠いのも納得。しかし群馬もハンパなく暑いけど、毎年来てると、何だかこの秘境っぽいグラウンドで若人たちが一生懸命にボールを追ってる姿を観るのが病みつきになってくるような感覚がある。



カードは神戸U18−JFAアカデミー福島。神戸U18といえば個人的には前川くん定期観測。2年生ながら、しっかりと右SBのレギュラーポジションを確保してるようで素晴らしい限り。



その前川くんとアカデミーの5番・清水くんのところのマッチアップがこの試合のポイントに。序盤はこの局面で優位に立ったアカデミーが徹底してこのサイドを狙った。「アイツビビってるから、全部いけるよ」なんて声が飛ぶくらいに徹底してた。ただ結局アカデミーはここの見立てがちょっと甘かったように思う。徐々に持ち直した前川くんは決定的な穴を開けることもなく、劣勢だった神戸に考える時間を与え、試合の流れも変えさせた。そもそも中学年代で全国準優勝して、今も日頃からプレミアリーグでもまれてんだから、そんじょそこらの対面の相手にビビったりしないでしょうよと、贔屓目抜きでも思ってたし、その通りになった。



この試合で抜群に面白かったのは、神戸の22番・佐々木大樹くん。読みは多分「だいじゅ」。2年生で高さもあるFWだけど、注目すべきはそのドリブル。独特の間合いからヌルヌルと抜けていくドリブルはバイタルエリアでアカデミーの脅威になってたし、実際に2点目のPKは彼のドリブルをGKが引っ掛けてしまったところからだった。東京ラウンドでもう一度見たいと思わせるちょっと中毒性のあるプレーヤー。



神戸の左SBの4番・白石くんはスマイス・セレソン出身。彼が本日一人目の「大分で見られなかった男」。ちなみアカデミーのサブにも林田くんというカティオーラ出身の子がいた。結局出場はなかったけど。





試合は3−2で神戸が勝利。飲水タイムやケガもあり、6分あったATの5分ごろに決勝ゴールが決まるという劇的な展開。試合自体は面白かったから、延長もいいかなと思ってたけど、最後に神戸が見事に決めた。



試合終盤に接触でケガをしたアカデミーの5番・清水くんは結局救急車で搬送されることに。ピッチに救急車が入ってくるのを、この1年で3回も見た。嫌なもんだし、軽症であることを祈りたい。





続いて約120km移動して、相模原でJ3を観戦。対戦相手の福島は大分の次節の相手。さらに相模原は時間は開くけど次々節の対戦相手ということでスカウティングを兼ねて。試合前には先日の相模原市内の痛ましい事件を受けて黙祷とフラッグも半旗に。



この夏に相模原に移籍してきた石川大徳が左SBで先発。去年結局大分での出場機会はなく、今日初めてサッカーをしてる姿を見た。石川が本日二人目の「大分で見られなかった男」。石川を筆頭に、近藤、赤井、ベンチに石田とこの夏に積極的に補強した新戦力をドンドン使っているという印象を受けた。



相模原のアンカーに入ったトロ。ホームでの対戦時にはいなかったと思うけど、このトロがなかなかいい。トロはトロでも中トロ並みの脂っこさで最終ライン前でお掃除をして回る。ちょっと厄介な存在に感じた。



試合内容自体は極めて面白みに欠ける、また低調な内容の試合だったけど、深井が本当に何もないところから一人でグリグリ侵入して決めてしまった。あの辺はさすがと言うほかない。



能活さんにこう言われたら回さざるを得ない。





今季の福島は初めて観たけど、何とも表現し難いチームだった。樋口、金功青、星が絡む攻撃は非常に自由で創造性があって守る側からすると捕まえにくいだろうなと思わせるもので、実際に何度かはゴールに迫った。ただ、福島全体として見ると、前述の3人が輝くアタッキングサードまでボールを運んでいく術を持ち合わせていないという印象。何とかそこまで持ち込めれば恐いけど、カッチリと守られると急に元気がなくなってしまうように見える。ちなみにチーム全体も何となく元気がない。是非次節までそのテンションで行っといてほしいとこだけど。そしてDFラインは大型DFのパウロンを筆頭に何だかとても不安定。常にやらかしそうな空気を身にまといながらプレーしてるみたいで、サポーターからしたら堪んないだろうなと思った。アウェイだけども主導権を握り続けて、前の3人の出る幕を出来る限り少なくしたい。今季学んだJ3によくいる典型のようなチームなので、今まで払った授業料を活かすためにもしっかりと勝ち点3を取りたい。





ちゃんと作れれば攻撃は恐いのに、終盤は梅井を前線に投入して、梅井大作戦に移行。しかし結局不発で敗戦。もったいないという印象しか残らなかった。梅井もプレーしてる姿は多分初めてで、本日三人目の「大分で見られなかった男」。



そして本日最後の「大分で見られなかった男」はこの選手。大分サポーターの皆さーん、この選手があのシンバですよ。厳密にはほんの少し見たんだけど、あっという間に我々の前から姿を消してしまったシンバ。何か神秘的なものすら感じさせるシンバ。元気に復帰してましたが、まあ普通の選手でした。





スカウティングだ何だといっても今日の敗戦で、アウェイだろうが、相手がどこだろうが、もう全部勝たなきゃ優勝出来ないくらいまで引き離されたわけで、もうとにかく「勝て勝て勝て勝て、ぶっちぎりで優勝するんやろ」な気分です。


監督、ダサいままで終わらないでください。本当に良いサッカーが何なのか見せてください。
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