ミラー(レフレックス)レンズ

 昨日、トキナーの500mm F8のミラー(レフレックス)レンズをご覧いただきましたが、今日はそのミラーレンズレンズについて少々詳しく。

 通常の望遠レンズが10枚以上のレンズを複雑に組み合わせた屈折式であるのに対して、ミラーレンズは2枚の反射鏡(ミラー)と2-3枚のレンズを組み合わせた望遠レンズです。屈折式で500mm、1000mmと云った超望遠レンズを作ると長くて重たくかつ高価なものになりますが、反射型の場合には小型軽量(太くて短くなる)でしかも廉価に製作することができます。

 ただし、構造上絞り機構を内蔵することができないため500mmの場合にはF8の固定となることが多く、同様にオートフォーカス(AF)化することも困難ですがミノルタだけがAFのミラー方式500mm F8を商品化していました。ミノルタがカメラ事業をソニーに譲渡してからもしばらくはソニーのカタログに載っていたような気がしますが、いつの間にか無くなっていました。

 描写は超望遠レンズに共通する遠近感が押しつぶされたような特徴の他に、ボケが二線や点光源がリング状になるのがミラーレンズの大きな特徴です。リング状のボケは通常はミラーレンズでしか発生しないためにミラーレンズを好んで使用する写真家もおりますが、現在では少数派となっています。

 屈折式ではまず不可能ですが、小型軽量なミラーレンズでは500mmでは手持ちの撮影も可能です。特に最新の高感度性能に優れボディ内手ブレ補正機構を持つDSLRではその機動力が遺憾な発揮されるものと思われます。

 と云うわけで今日は500mm F8のミラーレンズの作例です。blogには2011年にも一度掲載したことがありましたのでご記憶の方もおられるかもしれませんが、郷秋<Gauche>が本気でフォトジャーナリストになりたいと思っていた1973年9-10月頃に撮影したものです。 

 カメラは当時最新最強であったNikon F2 Photomic、レンズはReflex Nikkor 500mm F8(いずれも借り物)で手持ち。レフレックス特有のリングボケの片鱗がお分かりいただけるだろうか。フィルムはKODAKのTRI Xで現像液は公開されていたコダックD76の処方に基づいて薬品を調合したもので、深タンク(7、80cm程の深さの四角いポリバケツみたいなものだ)になみなみと入っていた。フィルムをステンレス製のハンガーに捲きつけそのタンクに沈み込め、8分程経ったら引き上げて隣の定着液の入った深タンクに沈め、10分経ったら引き上げて水洗いをすると云う現像方法だったと記憶している。

 この写真に関する元記事・キャプションは下記のリンクからご覧いただければ幸いです。

『IMAGES of YOKOSUKA』★目次★(2011年掲載)
No.1 (1月28日掲載)
No.2 (1月29日掲載)
No.3 (1月30日掲載)
No.4 (1月31日掲載)
No.5 (2月1日掲載)
No.6 (2月2日掲載)
No.7 (2月3日掲載)
No.8 (2月4日掲載)
No.9 (2月5日掲載、最終回)

  blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori には、ただいまは5月25日に撮った写真を7点掲載いたしております。真夏日となった森の様子をどうぞご覧ください。

To the author of this page: gaucheadgc(at sign)gmail(dot)com
Type "ijnuG ihsoyiK" adversely, and find me on Facebook.

コメント ( 0 ) | Trackback (  )