間違いだらけのカメラ選び

 一昨日掲載の@DIMEの「スマホじゃ物足りない人におすすめ!初心者でも使いやすいミラーレス一眼12選」
https://dime.jp/genre/714794/

 「初心者でも使いやすいミラーレス一眼」と銘打ちながら、記事はいきなり「もうワンランク上の写真が撮れる!おすすめの一眼レフ」。タイトルと記事本文との整合性はどこへやら。さらに「一眼レフのモデルは『ミラーレス一眼』と、昔からある『一眼レフ』に大別できます」との意味不明な解説。「ミラーレス一眼」(正しくは「ノンレフレックス」)と「一眼レフ」はコンセプトも構造も大きく異なる、まったく別カテゴリのカメラです。

 電子ビューファインダー(EVF)を用いる「ミラーレス」はデジタル時代になって初めて可能となった形式です。一眼レフには必須であったレフレックスミラーとペンタプリズムが不要なためカメラ本体を軽く小さくすることが可能ですが、フランジバック(レンズマウントからイメージセンサーまでの距離)が短いため同じメーカーであっても一眼レフ用のレンズを使用するためにはマウントアダプターが必要となります。また光学ファインダーの代わりに使用するEVFの画像の質は一眼レフの光学ファインダーに比べ大幅に劣っており、ファインダーをのぞきながら「撮影を楽しむ」レベルには(現状では)達しておりません。

 また、@DIMEは「豊富なAiニッコールレンズが使える、ニコンのエントリーモデル」としてNikon(ニコン)のD5600を勧めておりますが、この記述と「勧め」は真に受けないのが賢明です。

 AiニッコールとはニコンFマウントのマニュアルフォーカス(MF)レンズです。D5600に装着が可能なようですし確かにAiニッコールは中古市場で大量に流通しておりますが、初心者がこのレンズをお使いになることはまったくお勧めできません。なぜならば、この組み合わせでは露出計が作動せず自動露出(AE)撮影ができないからです。つまり、自分で光の量に応じて絞り値とシャッタースピードを判断しその数値を手動で設定しなければならないのです。カメラ初心者がピント合わせと同時にこの操作をすることは事実上不可能です。あっ、D5600自体は一眼レフの雄、ニコンが初心者のためにまじめに作った一眼レフですので悪かろうはずもありません。お間違いないように。

 とまぁ、こんな具合でまったくもって「間違いだらけのカメラ選び」です。
 いまどき、ネット上にはありとあらゆる情報がありますが情報が存在することと、その情報が正しい事とはイコールではありません。誤解を恐れずに云うならば、ネット上にある情報の多くは「眉に唾して」読むのが良いということです。つまり、私が上に書いたものも正しい情報であるか否か、勘を働かせてあるいはより正確と思われる他の情報と見比べてその正誤を判断する必要があります。為念。

注:「間違いだらけのカメラ選び」は故徳大寺有恒氏のベストセラー「間違いだらけのクルマ選び」のパロディですが、徳大寺氏の著書の中身が間違いだらけだと云う意味ではもちろんありません。

 と云うわけで今日の一枚は、私も使っている初心者向けデジタル一眼レフ、Nikon D3500とAF-S DX NIKKOR 16-85mm F3.5-5.6G ED VRの組み合わせ。ボディは新品で4万円くらい(ストラップは同梱品とは異なります)、レンズは中古で2万円くらいで入手できます。

 blog「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori には、ただいまは5月25日に撮った写真を7点掲載いたしております。今年初めての真夏日となった森の様子をご覧いただければ幸いです。

To the author of this page: gaucheadgc(at sign)gmail(dot)com
Type "ijnuG ihsoyiK" adversely, and find me on Facebook.

コメント ( 2 ) | Trackback (  )