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写真の極意

 写真撮影のテクニックの極意ではない。写真対する姿勢、哲学の極意である。
 今日の神奈川新聞に、写真家北井一夫氏に関する記事。お恥ずかしい話だが、北井氏のお名前を初めて知った。1976年の第一回木村伊兵衛写真賞受賞者であると云う。

 木村伊兵衛が北井氏の写真と写真に取り組む姿勢について「決定的瞬間ではなく、誰もが見ているものを撮っている。だがそれがかえって日常というものの、長い時間を感じさせる」と評し、その後同賞が授与されている。木村は、自らの名を冠した写真賞の最初に受賞者として北井氏を指名し、そして逝ったのであろう。

 「決定的瞬間ではなく、誰もが見ているものを撮っている。だがそれがかえって日常というものの、長い時間を感じさせる」

 重い言葉である。写真家・カメラマンは誰もが「決定的瞬間」を撮ろうと鵜の目鷹の目である。しかし木村は、そうではない在り来たりの市井の人々の生活に目を、レンズを向けることの重要性、そこにこそ真実が潜んでいることを説いているのだ。郷秋<Gauche>が目指す写真もこれだと我が意をえた、今日の神奈川新聞の記事である。

 Website「恩田の森Now」に9日に撮影した写真を掲載いたしておりますのでどうぞご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/

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