放射能で汚染された校庭

 東電福島第一原発から放出された放射性物質はまず北北西にある飯館村に流れ、その後Uターンするように大きく流れて変えて福島市から中通り地方を南下してくる。福島県の地元紙には毎日各地の詳しい放射線量が掲載されているが、それを見ると原発から直線距離ではかなりの距離があるにも関わらず福島市や郡山市では常に高い値を示している。 

 

 同じ郡山市内でも値の高い場所と低い場所があるようで、市では市内の幼稚園、小学校・中学校の校庭で放射線量の高い学校の校庭(グラウンド)の表面を23センチを削り取る作業を開始。削り取った土をゴミの最終処分場に埋めようとしたが、処分場周辺の住民が反対した(当然だろう)ことから行き場を失った「汚染土」が校庭に積み上げられたままとなっている。

 

 放射能に汚染され、健康被害が心配されることから削り取ったはずの土が校庭に積み上げられ、処分場所が決まるまでとは云え校庭の隅にブルーシートをかけられ放置される異常事態。報道によると風などで飛ばないように表面に飛散防止の薬剤が吹き付けられているようだが、危険だから近づかないようにと云う表示もない。周囲にロープが張られてはいるがお印程度のもので、手を伸ばせが届きそうな具合である。

 

 

 上の写真は郷秋<Gauche>の母校、郡山市立第一中学校(一中)の校庭に積み上げられた放射能汚染土である。ご覧の通り至近距離まで近づくことが出来る。繰り返すが、危険だからと削り取られた汚染土が校庭に鎮座していると云う、何とも不思議な光景である。どうして早く校庭から搬出しないのかと問われたら「危険性が低いから」とでも答えるのだろうか。

 

 

 こちらは一中のはす向かいにある市立薫小学校。最初に作業をした学校のようで、このブルーシートをかけられて汚染土の山の校舎の写真が全国に報道された。郷秋<Gauche>が小学生であったなら、どうしても登ってみたくなる、登らないではいられない小山である。がしかし、一中と同様、ブルーシートの周りにごく簡単にロープが張られているだけである。

 

 しかしだ、この校庭の土を削り取る費用はいったい誰が負担するんだ。取り合えずは市が作業業者に支払うんだろうが、それを東電に請求するのか。郡山市の独自の判断で実施したこの作業に対して国は困惑したようで「過剰反応である」とコメントしたが、学校の設置者として児童生徒の健康と安全を守る責任のある市が行った行為を簡単に否定してよいものなのか、疑問だ。

 

 安全だからと云い包めて福島に原発を作った東電とそれを後押しした国は、それでも安全だと云うのならば東電本社と国会や中央省庁のすべてを福島県に、そこに働くすべての人とその家族と共に今すぐ移転するべきだろう。その上で、安全だと云うのならば、福島県民も納得することだろうな。

 

追記:郷秋<Gauche>はこれから温泉に入りに熱海に行ってきます(福島県民(人)が熱海と云う時の熱海は、磐梯熱海温泉のことです)。温泉につかり美味いものを食らい、旨い福島の酒を飲んできます。風評被害に対するささやかな支援です。

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