唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
遠藤周作に会いに行く
ちょっと週刊誌チックなタイトルをつけてしまったが、神奈川県立近代文学館で開催中の「遠藤周作展」を見に行ってきたと云う話である。サブタイトルが「没後15年、21世紀の生命(いのち)のために」とされているが、もう15年も経つのかと云うのが正直なところである。
遠藤がその作品のテーマとした日本(人)におけるキリスト教受容は、日本とキリスト教に止まらず、キリスト教と非キリスト教なるものとの相互受容(あるいは非受容)に置き換えて考えることが出来る。2001年9月1日以降顕在化したキリスト教文明と非キリスト教文明の軋轢を考える際のヒントの一つともなる大きなテーマである。
さて、展示の内容だが、郷秋が知る限りにおいて間違いのない一級品である。強いて云えば、遠藤と長崎の関係、特は遠藤にとって最も重要な作品である「沈黙」の舞台ともなった外海についての更に踏み込んだ解説が欲しかったということになるだろうか。
ちなみに郷秋は、学生時代に遠藤氏と2度ほど遭遇したことがある。一度は昼間のラーメン屋、もう一度は確か「薩摩」と云う名前に居酒屋で、どちらも「狐狸庵」から谷筋に下ったところにある店だった。二度とも編集者らしき人と一緒であったと記憶している。
今日の一枚は「遠藤周作展」の図録。同展は6月5日まで開始。詳細はこちらをご覧ください。なお、郷秋が幾度か「沈黙」の舞台を訪ねた時のレポートはオリジナルサイトに掲載してあります。でお気が向きましたらどうぞこちらをご覧ください。
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