人生の最後にカローラ

 光岡自動車が、新型の霊柩車『ミツオカリムジン type2-04』を発表した。そして今日、港区にある日本自動車会館でその発表会が行われたらしい。事前に知っていれば見に行ったのにという、霊柩車ファンがいたかどうかはわからないけれど、霊柩車の展示発表会と云うのは業界でも珍しいのだと。

 ミツオカリムジンtype2-04は全長5170mm×全幅1690mm×全高1460mm。カローラフィールダーをベースにストレッチしたもののようだが、オリジナルの全長が4420mmだからなんと750mmもストレッチしていることになる。さすがにこれだけストレッチするとなると後車軸以降だけと云うわけにはいかず、ホイルベースからストレッチしている。

 いくらFWDとは云ってもホイルベースを伸ばすのには相当コストがかかっていることだろう。案の定、オリジナルの150万円からに対してミツオカリムジン type2-04は520万円からと、相当高価である。もっともクルマの基本部分だけではなく、霊柩車と云う特殊用途の部分にも金がかかっていることだとは思うけれど。

 断っておくが、ミツオカリムジン type2-04は、ピックアップトラックあるいは4ドアセダンの後ろ半分に「お宮」が乗っているタイプではなく、所謂ワゴンタイプのシックなものである。最近は葬儀場や火葬場近くの住民がお宮型霊柩車の出入りを嫌がり、特に都市部ではこのワゴンタイプが増えてきているらしい。(写真はこちらを参照

 郷秋<Gauche>がこれまでに見たワゴンタイプ霊柩車のなかでは、11代目クラウン(1999年~)のエステート・アスリートをベースにしたものが実にシックでカッコよかった記憶がある。これはホイルベースはオリジナルのままに、リヤオーバーハングを300mm程ストレッチしたものであった。伸ばされたリアホイルアーチからリアバンパーまでの部分もバンパーのサイド部分が実に上手に処理されていて、ちょっと目にはストレッチされていることに気付かないほどの出来であった。

 さて、カローラフィールダーベースのミツオカリムジン type2-04である。人それぞれで、最後くらい立派なお宮型に乗りたいとか、ずっとカローラだったから馴染みのカローラベースのミツオカリムジン type2-04がいいという方もいるかも知れないが、郷秋<Gauche>はやっぱり人生の最後にカローラはやめて欲しい。出来ればポルシェ・パナメーラやランボルギーニ・エストーケをベースにした、あるいはジャガーのシューティングブレークのような、速くてカッコいいのがいい。

 もっとも「人生の最後に乗る」とは云っても正確には死んだ後、つまり人生が終わってしまった後のことだから、どんな霊柩車でも自分には判りはしないわけだけれど、自分の生き様とか、好みとか、価値観とか、もっとカッコよく言えば美学とか、そういうものを考えたとき、やっぱり最後がカローラじゃ、郷秋<Gauche>は嫌だぞ。
 

 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の畑の隅で咲いていた菜の花。葉の形からは正確には菜の花ではないような気もするけれど、菜の花のような花ということでお許しいただきたい。
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