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NTTドコモ、PHS事業から撤退

 昨日をもって、NTTドコモがPHS事業から撤退した。最盛期の1997年にはNTTドコモ(当時はNTTパーソナル)だけで212万件の契約があったが、PHS事業からの撤退を発表した2006年1月には85万件。昨年末には15万件契約を残していたが、2008年1月7日、1995年のサービス提供開始以来13年間のNTTドコモがPHS事業に幕が引かれた。

 2006年にはアステルがPHS事業から撤退していることから、今回のNTTドコモの撤退により、国内のPHS事業者はWILLCOM(ウィルコム)一社となった。昨年11月末の統計によればWILLCOMは485万件の契約があり、携帯電話とPHSを合わせた携帯型電話の総契約数の5%を占めている。

 1995年にサービスを開始したPHSは、当時の携帯電話の通話料金や端末機の価格が低廉なことから特に若年層で人気を集めたが、その後の携帯電話の通話料金、端末機の価格下落により顧客離れが進んだ結果、アステルそしてNTTがPHS事業から撤退するに至っている。

 以前からの郷秋<Gauche>の独り言の読者諸兄はご存知のとおり、郷秋<Gauche>はPHSのユーザーである。だから、今回のNTTドコモのPHS事業撤退は大変残念である。携帯電話事業者との競争はあるにしても、直接競合するPHS事業者がいなくなってしまったからである。「競争のない事業に発展はない」のは周知の事実。軽自動車メーカーがスズキ一社になってしまったのと同じだと言えば、事の深刻さをご理解いただけるだろうか。

 PHSは、はっきり言って、良い。景観を破壊するほど大仰な基地局を造らなくて良い。つまり、基地局の建設費用が低廉である。つまる所は環境負担が小さい。端末機(電話機のことだ)の送信出力が携帯電話の数十分の一(約20mmW)と小さいことから、病院内での利用が可能である(もとより、携帯電話程度の電波による人体への悪影響はないが、医療機器への干渉は有り得る)。音声通話の音質が良い。今でも携帯電話よりも通信料金が安い。などなど、PHSは携帯電話に対する多くのアドバンテージいまだに持っているのである。

 ところで、昨年末(つい一週間前のことだ)に15万いたというNTTドコモのPHSユーザーは、今日からはどうしているんだろ・・・。
 

 例によって記事本体とは何の関係もない今日の1枚は、花材としても使われる蔓梅擬(つるうめもどき)。これはなるせの森で見つけたものですが、こんな地味な実でも、色彩の乏しくなった冬枯れの野では目を引きます。
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