五季

 「五季」、聞きなれない言葉なのは当然。郷秋<Gauche>がたったいま思いついた言葉なのだから。日本には「四季」がある。もちろん、春夏秋冬の「四季」である。ならば「五季」とは何ぞや。

 俳句の世界は、春夏秋冬、季節の世界であるが、それぞれの季節は更に三つに分けられるのが通例である。春は早春、闌春、晩春、夏は初夏、盛夏、晩夏、秋は初秋、仲秋、晩秋と言った具合だが、実は、冬だけは四つに分けられる。つまり、初冬、仲冬、新年、厳冬である。

 仲冬と厳冬(晩冬ではなく、厳冬と呼ぶのが一般的)の間にある「新年」こそが、第五の季節なのである。だから春夏秋冬、新年の五季。

 新年とは一月のこと。その一月が終わろうとしている。新しい年が来た、手付かずの12か月、365日が目の前にぞっくりと並んでいると思ったのも束の間、早や、1か月、31日が過ぎ去ってしまった。新年が過ぎ、厳冬がやってくる。

 でも、厳冬と呼ばれる季節は29日。今年はいつもの年よりも1日長いが、それでもあと29日我慢すれば春である。春の先駆け、マンサクが咲き蝋梅が咲き水仙が、既に咲いている。春はもうすぐそこまで来ている。29日後には本物の春がやってくる。
 
今日の1枚は、厳冬の空を支える大欅。
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