アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

女性上位時代

2006-05-13 19:44:03 | 音楽
『女性上位時代』 pizzicato five   ☆☆☆☆☆  なんだか色んなジャケットで出ているらしいピチカート・ファイヴの『女性上位時代』だが、私が持っているのはこのオレンジ色の文字が入っているやつである。CDのプレイボタンを押すといきなり野宮真貴の話し声が聞こえてくるのでびっくりする。それぞれの曲の合間に野宮真貴と小西康陽のインタヴューというか喋りが入っていて、全体に企画物っぽい匂いを漂 . . . 本文を読む

第三の時効

2006-05-11 19:33:29 | 
『第三の時効』 横山秀夫   ☆☆☆☆☆  『半落ち』の作者の文庫が出ているのを紀伊国屋書店で見かけて買ってきた。『半落ち』も面白かったし、肩の凝らないミステリを読みたくなったからだったが、これがびっくりするほど面白かった。個人的には『半落ち』より良かった。  短篇集だが、F県警強行犯捜査係が手がけた事件の記録集になっている。多数の刑事が登場するが顔ぶれは大体同じである。しかしユニークなのは、 . . . 本文を読む

ナショナル・ストーリー・プロジェクト

2006-05-09 19:35:21 | 
『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』 ポール・オースター編   ☆☆☆☆★  ラジオ番組の企画でポール・オースターのもとに全米から届けられた四千の実話の中から、ポール・オースター自身の手によって選ばれた180の実話集。それぞれの話は1ページから5ページ程度と非常に短く、当然ながら文体や語り口もそれぞれ違う。  序文によれば、ポール・オースターは聴取者にこう呼びかけたそうだ。「私が何より惹か . . . 本文を読む

Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学

2006-05-07 14:23:17 | 音楽
『Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学』 小沢健二   ☆☆☆☆☆  小沢健二の新譜を入手した。完全なインストルメンタル・アルバムである。オザケンのアルバムを全部聴いているわけではないのでどういう変遷の結果ここにたどり着いたのか分からないが、少なくとも『LIFE』の頃とは随分違う。前作『Eclectic』でだいぶ変化したらしく、サウンド的には『Eclectic』の延長線 . . . 本文を読む

樅ノ木は残った

2006-05-05 23:19:26 | 
『樅ノ木は残った(上・中・下)』 山本周五郎   ☆☆☆☆  山本周五郎は『日本怪奇小説傑作集2』収録の『その木戸を通って』がたまらなく気に入り、長編も読んでみようと思って傑作の誉れ高い『樅ノ木は残った』を読んでみた。  あとがきによると、本書は「山本周五郎の代表作であるばかりでなく、日本の大衆文学史上にも数少ない名作の一つ」ということらしい。NHKの大河ドラマにもなっているらしい。なるほど、 . . . 本文を読む

太陽にほえろ! マカロニ刑事編 (その2)

2006-05-03 19:06:18 | テレビ番組
(昨日の続き)  しかし山さんを演じる露口茂の渋い演技はもう国宝ものである。基本的にはその表情に常にキビシサをたたえる山さんで、眉間にはいつも皺が寄っている。犯罪者に対した時のその視線の鋭さはアーミーナイフ級であるが、一旦その視線が弱い人間に向けられると、実にたまらない優しさをたたえるのである。いや~、ほんとに惚れ惚れしてしまう。とにかく露口茂の山さんは、他の俳優を寄せつけない名演技である。 . . . 本文を読む

太陽にほえろ! マカロニ刑事編 (その1)

2006-05-02 15:15:36 | テレビ番組
『太陽にほえろ! マカロニ刑事編(DVD Box 1&2)』   ☆☆☆☆  しばらく前にある筋からマカロニ編のBOX 1&2を入手していたが、先日全部観終わった。いやー懐かしかった。マカロニ編は私もリアルタイムでは観ていないが、再放送で観た記憶がある。私がちゃんと観たのはマカロニ、ジーパンぐらいで、テキサス以降はあんまり観ていない。観ようとはしたのだが、テキサスにあまり魅力を感じず、つまらなく . . . 本文を読む