アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

Kruder & Dorfmeister Session

2005-10-15 12:43:01 | 音楽
『Kruder & Dorfmeister Session』 Kruder & Dorfmeister   ☆☆☆

 前々から聴いてみたいと思っていてなかなか手が出なかったCDだが、ようやく買ってみた。なかなか手が出なかったのはリミックス集だからだ。私はリミックス集というものであんまり良い経験をしたことがないのである。しかも二枚組だし。

 さて、ついに入手したKruder & Dorfmeister、思った以上にダウナーである。かなりけだるい。明らかに夜の音楽である。昼からこれ聴いてたらかったるくなって何もやる気がしなくなりそうだ。同じくウィーンのdZihan & Kamienに似た音を予想していたのだが、dZihan & Kamienがフュージョン的なテンションを持っているのに対してこっちはよりダウナーであり、ヒップホップ色を感じる。またdZihan & Kamienが割と派手なシンセサイザーの使い方をするのに対し、こっちはより渋めの音使いであり、その代わりダブ処理が目立つ。つまりリバーブやらエフェクトやらであるが、それがまた瞑想感をもたらす。より繊細とも言えるかも知れない。

 音のセンスはさすがに良い。クールである。なかなかのクオリティだと思う。しかし、私的にはちょっとけだる過ぎる。ほんのちょっとだけだが。Thievery Corporationも私にしてみればけだるい(こっちは許容範囲)が、これはThievery Corporationよりもう一味けだるい感じだ。
 それから、リズムトラックが今ひとつである。「おっ」と思う素晴らしいトラックもあるのだが、エフェクトかかり過ぎと思う曲も多かった。まあヒップホップではこれが普通なのかも知れない、あんまり聴かないので分からないが、私としてはもっとクリスプなパーカッションの音が欲しいところだ。

 あともう一つ、私はラップが嫌いだ。あの金太郎飴のような黒人アクセントと一本調子の抑揚が嫌いなのである(特に日本語で、似合いもしない黒人風アクセントをつけてラップをやってるのを聴くと恥ずかしさのあまり耳を塞ぎたくなる)。このCDはラップが入ったトラックが結構あって、それもテンションが下がる原因になった。

 曲によってはかなり気に入ったものもある。しかしトータルで考えるとdZihan & Kamienの方が好みである、ということが分かった。
 

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