崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

雨の中、「しものせき映画祭」

2011年04月09日 05時04分45秒 | エッセイ

 昨日東亜大学で「しものせき映画祭」が行われた。前日20度近くまで上がった陽気から変わって、気象予報の通りに雨が降って気温も下がって何ヶ所かにストーブをおいても寒さを感じた人がいたようで心痛い。申し訳ないと思う。私はお葬式に関する映画のタイトルが「祝祭」になったわけ、見どころ、注視すべき点などについて講演をしてから鑑賞していただき、質疑へと進行した。それが終わってから朝日新聞、毎日新聞のインタビューに応じた。(写真は2011,4,9朝刊毎日、朝日)韓国文化の中で高齢者の死を「祝」として扱うことが話題になった。
 下関出身のグ・スーヨン氏と久しぶりに会った。彼を大学側の教員たちに紹介した。彼の作品の上映の後、彼は演壇に立って何回も試験に落ちて、専門学校で映像を勉強、新人監督試験、サントリーでCM、そして映画監督への過程を分かりやすく語ってくれた。CMには資本が付くが、映画は資本がないと言い出してCM,TV,ミュージック、映画の世界での活躍が如何に険しいかが伝わってきた。しかし彼は下関の「ひがみこんじょう(僻み根性)」で育った力で戦って生きるという言葉通りに信念が表情から見えた。「300年後にも残る作品に挑戦する」という言葉には私は大いに同感した。永遠に残る創作に挑戦する人の心はただの生き方とは違う宗教者や哲学者のような存在であると感じたからである。(写真:右はグスヒョン監督、左は実行委員の河波氏)最後に彼はこれから下関と小倉で新しい映画を撮ることを宣言し、市民に協力を呼びかけた。