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一茶を読む:七番日記(32)


(写真)Bern

Wittgensteinに関心があるので、関連の論文や本を読んでいるのだが、最近書かれたものでも、広く哲学史に位置づけるのではなく、そうかと言って、理論的な発展をめざすのでもなく、内在的に、学説や理論の検討で終わっているものが多い。そうした仕事がまったく無意味とは思わないが、これは、まだモダンの仕事なのだと思う。近代化の途上にあるセクターで行われる仕事の特徴だと思う(近代化は、「近代社会」でも志向される)。学界という集団は、部分的には、まだ、近代化が進んでいないことの証拠なのだろう。その中で、きわめて面白いのが、David Bloorの仕事で、『知識の社会理論』は30年前に書かれたものだが、Wittgensteinを理論的に応用しようとする場合、非常に示唆に富んでいる。日本でも、大森荘蔵の時間論三部作など、面白そうな仕事もある。ぼちぼち検討してみたいものである。



一本の木に鈴なりの小雀哉   文化十五年十月

■この情景は、雀でよく見たことがある。非常にやかましい。宮澤賢治にも「鳥をとるやなぎ」という少し感じの似た印象的な短編があって、思い出した。



Sound and Vision

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After Dry Silence : Valery Afanassievの詩(5)

■旧暦10月9日、日曜日、

(写真)Lavaux

早朝から、作業開始。朝、江戸川ウォーキング。気分良かった。今日は終日仕事。

BernのBerner Muenster近くの小さな書店で、Hans Magnus Enzensberger詩(1950-2010)インタビュー・講演集(1970-2005)を入手したので、日本語にできないか、と考えている。Enzensbergerは、晶文社から1970年に『意識産業』が邦訳されているが、その後、あまり日本で読まれている気配はない(今調べたら、ベンヤミン、ブレヒトの研究で著名な、独文学者の故野村修さんが、さすがに、批評を多く訳されている。野村先生訳のベンヤミンには驚嘆した覚えがある)。アドルノが、「アウシュヴィッツの後で詩を書くことは野蛮だ」と述べことはよく知られているが、この言葉を撤回させたのが、Enzensbergerの詩だったことはあまり知られていない。知人の独文学者に、Enzensbergerの消息を聞いたことがあるが、近年は批評に専念しているとのことだった。しかし、Bernの書店で、2009年にも詩集が出ていることを知ってとても嬉しかった。現在、80歳。今だからこそ、もっと読まれるべき詩人の一人だと思う。



Growing, growing.
Death is better.

A few stunted trees
Are the only vegetation
I can see from my room.

There are trees on my chair,
On my windowsill,
Over my roof.



伸びる 伸びる
死こそ善きもの

ちらほら発育不全の木々
わたしの部屋から見える
唯一の植物

椅子にも
窓枠にも
屋根にも
木がある


■「stunted」という言葉が面白かった。こんな例文を見つけた。He's emotionally stunted. 例文は、あくまで例文だが、なかなか、人物評として語られると面白いなと思った。

朗読が批評なら翻訳も十分批評だと思える。なので、翻訳した上で、批評するのは、蛇足に思えてくるときがある。翻訳には、解釈の要素と朗読の要素がもともと含まれている。ただ、翻訳の仕方を問題にすることは意味があると思う。多くの場合、翻訳詩は、翻訳のみ提示される。日本語を読んでいるうちに、これが作者の詩だと、勘違いする瞬間がある。だが、それは、作品批評なのだと思う。なので、詩を翻訳する場合、原詩を併せて提示することは、必要なことだと思える。対訳という方式ではなく。



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11月13日(土)のつぶやき

00:32 from web
poetic fragments 7 #poem http://bit.ly/d19ROj
07:26 from goo
一茶を読む:七番日記(31) #goo_delfini2 http://bit.ly/9uOnkI
07:44 from web (Re: @hiniesta2010
@hiniesta2010 Macならリセットボタンがあったと思いますが、押してみては? データは、光ディスクや外部HD、あるいはWEB上に上げて保存しておくと、安全ですよ。
21:36 from web
poetic fragments 8 #poem >>> http://bit.ly/9VhHTV
23:37 from goo
翻訳詩の試み:Paul Celanを読む(7) #goo_delfini2 http://blog.goo.ne.jp/delfini2/e/20ca0236c2885d033b8c129259689d88
by delfini_ttm on Twitter
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