verse, prose, and translation
Delfini Workshop
俳句の笑ひ:良寛の笑ひ(6)
2009-10-28 / 俳句
(写真)無題
さて、今日も一日、終わった。痛みは、徐々に引き、自転車の乗り降りと電車の階段がきついが、動作の遅いのを除けば、ほぼ、日常生活ができるようになってきた。さっそうと歩く中高年のおっさん、兄ちゃんを見ると、むかっ腹が立つのは、不徳の致すところであろう。
むかつ腹立つて見る世も秋日和
曼珠沙華夜は来し方語るべく
今、翻訳を検討している本は、著者独自の言葉をどう日本語に置き換えるか、が一つのポイントになると思っている。わかった気分にさせる漢語の組み合わせをできるだけ排除して、やまと言葉に近い日本語で理論的な著作を翻訳するには、どうしたらいいのか、試行錯誤することになると思う。『サイバープロテスト』を訳出したときには、次の3原則を立てた。1.一読了解:一読して文意鮮明であること。2.反権威的な日本語:わかった気分にさせる抽象語の排除。3.高度な日本語の散文:著者が日本人だったら、こう書くはずという日本語をめざす。
これがどのくらいクリアできたかは、読者が判断することなので、なんとも言えないが、今度の仕事も、基本的には、この線を守りながら、これに、哲学的な言葉をどうやさしい言葉で訳出するか、という用語の問題が加わる。山岡洋一先生が訳したミルの『自由論』や中山元さんが訳したカントの『啓蒙とは何か』には、目の覚める思いをしたので、参考にさせていただこうと考えている。
☆
デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳
honeybees--
but right next door
hornets
mitsu-bachi ya tonari ni kaseba arare-bachi
.みつ蜂や隣に借せばあばれ蜂
by Issa, 1824
☆
手を振て泳いでゆくや鰯売り
■これを初めて読んだときには、かなりの衝撃を受けた。鰯売りが鰯になって海を泳いでゆく幻想が見えた。しかも、全体から立ち上るユーモアは、命というものが、もともともっている、意図せざる可笑しみに通じているような印象を受ける。
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