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フランス語の俳人たち:Patrick Blanche(1)

■旧暦8月3日、月曜日、、敬老の日

(写真)利根川

知人から葡萄を送ってもらった。葡萄園は、人手が足りず、親類を集めての作業らしい。

親類が揃つてけふの葡萄摘 
  
黒葡萄洗ひたてたる天気かな   

今日は、実家に墓参りに行ってきた。いつも帰るたびに空が大きいと思っていたが、それは、空のせいじゃなく、土地が広いからだと気がついた。ここはあまりにもごみごみしている。

いつときを墓に迷ふや草雲雀

上州の土踏みしむや秋の空


倒産の会社朽ちゆく彼岸花


なんやかや拍子抜けして大昼寝
   冬月



デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳

amid cherry blossoms
the smell of smoke...
pipes

saku hana ni keburi no nioi tabako kana

さく花にけぶりの嗅いたばこ哉

by Issa, 1811

Literally, the haiku ends with "tobacco" (tabako kana). "Blossoms" (hana) can denote cherry blossoms in the shorthand of haiku.




Les reflets du soir
sur le ventre de la pie
quand les jours s'allongent


日が伸びると
夕日が
鵲の腹まで


La couleur des pivoines
usée par les pluies de mars
Une aube de brume


三月の雨に滲んだ
牡丹の色
靄の夜明け


Le braiment d'un âne
s'accroche aux grands peupliers
Est-ce déjà l'aube?


驢馬の嘶きが
ポプラの大木に引っかかっている
もう夜明けなのか


※Patrick Blancheは、自己紹介によると、1950年、フランス北部地方の生まれ。雨の日だったそうである。劣等性で学校嫌い、軍隊、工場、人種、国家、核実験も嫌い。放浪癖あり、農夫の経験あり。画家でもある。プロヴァンスの「蝦蟇の道」庵で静かな生活を送っている。Blancheにとって、俳句の道は、ただ文学活動というだけでなく、人生を理解する方法でもあるという。なかなか、現代日本の俳人よりも俳人的ではないか。

■La couleurの句、les pluies雨とbrume靄で水が重なってしまって効果を殺いでいるように思う。おそらく、雨が朝まで残って靄になったのだろう。Le braiment d'un âneの句、s'accroche aux grands peupliers(大きなポプラに引っかかっている)の比喩があまり鮮明ではない。イメージはなんとなく分かるが、別の表現の方が良くないだろうか。
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