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芭蕉の俳諧:猿蓑(24)

■旧暦7月21日、水曜日、、重陽

(写真)無題

朝早くに起きるが、作業していて、うっかりフランス語講座を聴き逃す。そろそろ、散文の読解に入りたいので、練習問題を時間のあるときに考えている。当面の目標は、Le pointなどのフランス語の雑誌を読めるようにすること。まだまだ、マエストロのテキストまでは道のりが遠い。午前中、用事で外出、午後、仕事。



デイヴィッド・G・ラヌーによる一茶の英訳

counting heads
in a hot tub...
little butterfly

yu iri shu^ no atama kazoeru ko cho^ kana

湯入衆の頭かぞへる小てふ哉

by Issa, 1816

Issa makes use of his two-part joke structure in this haiku. The first two phrases, "counting heads/ in a hot tub..." lead the reader to expect a human agent, but then he surprises us by revealing the counter to be a "little butterfly!" The butterfly seems to share in the happiness of the humans, soaking away their aches and troubles in hot water. It flits from head to head, taking roll. This haiku is one of the "essential" 188 picked by the translator. back next

■これは、面白いと思った。普通に読めば、湯入衆の頭かぞへる/小てふ哉で切れるから、取合せの句になり、頭を数えているのは、作者ということになるが、ラヌーのように、蝶が頭から頭へひらひら舞っている情景の比喩とも考えられる。この場合、一物仕立てということになろうか。一茶の思想を考えると、ラヌーの理解の方が、一茶に近いかもしれない。




灰捨て白梅うるむ垣ねかな
   凡兆

百八のかねて迷ひや闇のむめ
   其角

我事と鯲(どじょう)のにげし根芹哉
   丈艸

■猿蓑巻之四、春。凡兆の句、灰と白梅がうるむの取合せには、驚く。一見、なんの関係もないが、灰が目に入ることや同系色の灰の色との対比が周到に計算されていると思う。感覚的なだけでなく、理知的な人だったかもしれない。芥川龍之介が傾倒したのもわかる気がする。其角の句、「闇の梅」を取り合わせたところに惹かれた。闇は煩悩との連想で、普通だと思うが、「闇の梅」というのは、むしろ、煩悩を祝福しているような気配がある。煩悩の周りに闇があるのだと。丈艸の句、可笑しい。これも動物シリーズに分類できる笑いの句だろう。
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