新潟・庄内紀行

2019年10月12日 23時51分49秒 | 旅行記
久々の「旅行記」です。
今年は秋の連休が台風の影響を受けることが多く、この週末も自宅に留まることを余儀なくされていますが(東京での学会が中止になってしまいました……)、以前の三連休(9月21~23日)も台風17号の九州接近に伴い多くの地域で雨の予報。しかしせっかくの連休、雨の影響を受けない(であろう)エリアはないものか……とアタリをつけた結果、一年前にも訪れた新潟・庄内方面を旅してきました。そのときのお話です。


21日(土)が一日仕事だったため、出発は22日(日)に日付が変わった深夜となりました。行きはやっぱり寝台特急、ということで大阪からサンライズに乗車します。
連休の初日ということで大阪からは数十人の乗車があり、最後の寝台特急の盛況ぶりをまざまざと見せつけられます。半年ぶりの乗車だったので寝台に空きが出ることを期待していたのですが、結局は当初確保していたノビノビ座席に収まりました。競争率の高いサンライズではありますが、ノビノビ座席はこの10月から、寝台は来春からe5489での照会も可能になるようです。

仕事終わりだったこともあって京都を通過しないうちに眠りにつき、横浜到着前のおはよう放送で目を覚ましました。ただでさえ短い乗車時間のほとんどを寝てしまったのだからノビノビ座席でも十分アリでしたね。(笑)


東京には定刻での到着。みな一様に気怠さを引きずりながら、三々五々散っていきます。私はここから北上しなければいけないので、とりあえず京浜東北線で上野に出て、エキナカのたいめいけんに収まりました。


上野という立地もあるのでしょうが、早朝の店内は空いていてサンライズ乗車後はいつもここに来ます。
安価で丁度良いボリュームの朝食セットが目を覚ましてくれます。食後に珈琲を頼み、旅程を確認した後で再出発。上野から新潟方面と言えば上越新幹線ルートが一般的ですが、それほど急ぐ旅でもないので途中までは在来線を利用します。とりあえずは大宮を目指し、


当駅始発となる臨時快速「四万(しま)温泉やまどり」号に乗車します。東日本では毎週末のようにバリエーション豊かな臨時列車を走らせていますが、何か乗れそうな列車はないか……と探して見つけたのがこの列車でした。


待つことしばらく、高崎方から列車が入線してきました。車両は「リゾートやまどり」の愛称が付されており、群馬県内を拠点に走る臨時快速として活躍しています。






外観こそリゾート列車の出で立ちですが、元を辿れば2000年代初頭に雨後の筍の如く登場した485系改造JTの仲間。当初は「やまなみ」「せせらぎ」として4連2本が存在していましたが、後に「やまなみ」の中間2連と「せせらぎ」の4連が組み替えられて6連の「リゾートやまどり」に、余剰となった「やまなみ」の先頭2両は青森の中間ユニット2連を組み組んで「ジパング」となった経緯があります。

ところで「せせらぎ」と言えば今から11年前の高校時代に京都(向日町)まで入線したことがあり、私も撮影に出向いた覚えがあります。当時のアルバムを見返すと……あった!


肝心なカットが抜けているのはピンボケしてしまったから、ということも覚えています。(笑)
とは言え、後追いカットに映り込む「第二下津林踏切」の標識こそが同編成が京都に来た紛れもない証拠です。この頃はまだ東・西日本ともに485系がJR世代に押されながらも第一線で活躍していた頃で、「きらきらうえつ」や「NO・DO・KA」、上沼垂の3000番台なども京都まで来ていました。


さて、この「リゾートやまどり」自体の乗車は2回目。前回は「伊豆いで湯やまどり」号として熱海まで乗車したことがあります。出自が全車グリーン車のジョイフルトレインということもあり、座席はグリーン車と同等にシートピッチも広くなっていますが、現在は全車が普通車指定席、しかしこれで520円(消費増税後は530円)なのですから驚きです。


やがて大宮を発車した列車は高崎線を北上していきます。大改造されてはいるものの、走りだせば485系のモーター音が響き渡り、目を閉じれば「ムーンライトえちご」や「能登」に乗っている気分です。


やがて列車は深谷に到着。東日本のこうした臨時列車は車内販売や目立ったイベントもなく「ただ走らせているだけ」といった印象もあったのですが、この列車は車内放送にも気合が入っていて、停車駅周辺の情報を細かく教えてくれます。深谷は再来年の大河ドラマで描かれる渋沢栄一の出身地であること、熊谷ではラグビー・ワールドカップと秩父鉄道について、さらに群馬県内に入ると「上毛かるた」にちなんだ各駅の紹介や、さらに通過駅となる倉賀野(八高線の分岐点、広大な貨物駅)に至るまで言及があり、退屈することなく沿線地域を魅力的に感じることができました。


停車時間が多いのが臨時快速の宿命ですが、新前橋では「華」との並びも見られました。今や風前の灯となった485系一族ですが、両車とも高崎車両センターの所属ですから、案外、頻繁に並んでいるのかもしれません。

さて、列車はこれから吾妻線に入っていきますが、その分岐点である渋川で下車します。列車名に「四万温泉」とありますからむしろここから先が本番なのでしょうが、高崎線内のみの利用も多く、私のように渋川で降りて他方面を目指す向きも多いようです。


すぐ後ろに迫っている水上行きに乗り換えてしばらく、後閑(ごかん)駅で降りました。


駅名の通り長閑な駅ですが、北西およそ2kmの場所に上越新幹線の上毛高原駅があり、営業キロが同一であることから、高崎以遠を発、越後湯沢以遠を着とする乗車券を持っている場合、後閑まで在来線を利用、上毛高原から新幹線を利用(逆も然り)といった選択乗車が可能となっています(詳しくはJR東日本旅客営業規則へ)。


「長岡・新潟方面」の文字が遠くまで来たことを実感させてくれます。略字の「シ写」が素敵です。

後閑から上毛高原まではバスによる連絡も可能となっていますが、水上行きが数分遅れたためにバスは既に出発した後。それほど急ぐ旅でもないので歩くことにしました。


川を渡り、街を通り抜けて「高原」へ上っていきますが、


とても新幹線駅へのアクセスルートとは思えません。案内看板もなく、ただ遠くに見える新幹線の高架のみが頼りです。




思いのほかハードな道のりでしたが、後閑駅から約30分、上毛高原駅に到着しました(二枚上の画像にある田んぼの先に突然駅が現れたので驚きました)。駅前には関越交通のバスが停まっていて、ここから土合駅に行くこともできるようです。これも試してみたいですね。

こうした新幹線の単独駅は列車の発着こそ少ないものの機能はそこそこ充実しているイメージがあるのですが、上毛高原駅においてもやはりそのようで、駅構内は現代風にリニューアルされており、そば・うどんスタンドのほか、土産物店をを兼ねたレストランが入居していました。


ちょうどお昼時だったこともあり「みなかみ丼」を。カレーのように見えますが、実は牛肉のやわらか煮込みにデミグラスソースをかけたもの。美味しくてすぐに平らげてしまいました。

ここからまだ北へ向かいますが、群馬県とはここでお別れ、お土産を幾つか買い求め、新幹線の時刻が近付いてきたのでホームに上がります。




がらんとした、という言葉がぴったりの駅構内。と同時に、こんな余裕のある立派な駅が造れた時代があったのだな、とも思ってしまいます。実情に合わせたコンパクトな駅も一つの在り方なのでしょうけれど。


待つことしばらく、やって来た「とき319号」に乗車し、越後湯沢を目指します。

新潟・庄内紀行 その2へ続く

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