西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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第149回芥川賞は藤野可織さんに決定!

2013年07月17日 | 女性文学・女性
第149回芥川龍之介賞の選考委員会が平成25年7月17日(水)午後5時より築地・新喜楽で開催され、下記候補作品の中から藤野可織さんの「爪と目」が授賞作に決まりました。

公益財団法人 日本文学振興会


いとうせいこう 「想像(そうぞう)ラジオ」(文藝春号)

戌井昭人(いぬい あきと) 「すっぽん心中(しんじゅう)」(新潮1月号)

鶴川健吉(つるかわ けんきち) 「すなまわり」(文學界6月号)

藤野可織 <受賞> (ふじの かおり) 「爪(つめ)と目(め)」(新潮4月号)

山下澄人(やました すみと) 「砂漠(さばく)ダンス」(文藝夏号)


(作者名50音順)

http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/


芥川賞 直木賞の受賞作決まる
7月17日 22時15分

第149回の芥川賞と直木賞の選考会が17日夜、東京で開かれ、芥川賞に藤野可織さんの「爪と目」が、直木賞に桜木紫乃さんの連作短編集「ホテルローヤル」がそれぞれ選ばれました。

芥川賞に藤野可織さん
このうち、芥川賞の受賞が決まった藤野可織さんは京都市出身の33歳。
同志社大学の大学院を修了後、平成18年に「いやしい鳥」で文芸雑誌の新人賞を受賞してデビューしました。
今回、芥川賞は2度目の候補で受賞となりました。
受賞作の「爪と目」は、不倫の末に、男性の連れ子の娘と一緒に3人で暮らすことなった若い女性について描いた作品です。
女性と連れ子の複雑でいびつな関係が、連れ子の視点から繊細に描かれています。
藤野さんは記者会見で、「大変うれしく思っています。こんな夢のような、いいことがあるんやな」と京都市出身の藤野さんらしい表現で喜びを語りました。
そのうえで、「これからは毎回一作一作、できるだけ前作とは違ういろんな小説を書いていきたい」と抱負を述べました。

選考委員・島田さん「極めて精巧」
芥川賞の受賞が決まった藤野さんの作品の受賞理由について、選考委員の島田雅彦さんは、「作品は『あなたへ』で始まる2人称小説だ。2人称小説の形式は過去に例がないわけではないが、成功例が少ないなかでこの作品は非常に2人称が功を奏していた。連れ子の3歳児のまなざしで父の愛人である『あなた』のことを描きながらも、その『あなた』に自画像を重ね合わせるという強烈な自己批評が含まれている。細部があいまいにされており、謎が多い小説ではあるが、じっくり読むと極めて精巧にできており、藤野さんのこれまでの作品で最もよかった」と話していました。
一方、東日本大震災をテーマに取り上げ、話題の候補作となっていたいとうせいこうさんの作品については、「まだ震災からの歳月が浅く、311を直接素材にして描くのをためらう作家が多いなかで、あえて死者を利用して書いたというそしりを恐れずに、この手の作品を書いた『蛮勇』に対する評価はある。一方で、技巧を極めすぎたあざとさがあり、また死者の弔いについてヒューマニズムですべてを回収してしまっていいのかと思った」と受賞に至らなかった理由を語りました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130717/t10013105751000.html

ーーー
女性作家になりたいと願う女性たちは、19世紀にも数多く存在しました。
サンドのもとにも、書いた小説を読んでほしいと原稿を送ってくる女性達たちがいました。
サンドは親切にもそんな女性たちの作品を読み、時には厳しく、丁寧な助言を与えていました。



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