西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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10万回の抱擁を!

2013年07月14日 | サンド・ビオグラフィ
サンドの息子モーリスへの手紙  1874年7月14日付

この手紙の中で、サンドは郵便事情の不都合を嘆き、モーリスに手紙ではなく電報で音信を知らせるようにと言っています。

サンド70歳。手紙からは、ダンドリット画法という特殊な制作技術を使って風景画を描くことに専心しているサンドの様子が伝わってきます。

手紙の最後は息子にノアンの家族たちから10万回の抱擁を送るという一文で締めくくられています。
「1000回の抱擁を!」は現在でもよく見かける表現ですが、10万回というのは、さすが、サンドらしい発想です。
サンドは、為すことすべて規模が大きく、偉大であった、ということの証でしょうか。


A maurice Dudevant-Sand Nohant , 14 juillet 1874

Oui, c'est insensé, ces lettres qui vont à Paris et qui restent quatre jours à six nuits à nous arriver. Écris-nous par télégramme. Je suis un peu dérangée aujourd'hui.Mais ce n'est rien, l'ensemble remet. Je fais de la dendrite avec rage, car la maison est bien morte sans toi. N'importe, fais tes recherches sans préoccupation, profite de ton déplacement et que la divine Artémis te donne bonne chasse. Les petites sont mignonnes, on te bige 100 000 fois.



画像はノアンの館の二階と一階をつなぐゆるやかな階段。足にとてもやさしく昇り降りのしやすい階段でした。
ショパンやドラクロワ、そしてポーリーヌ・ヴィヤルドといった芸術家たち、それに作家のバルザック、フロベール、ゴーチエ、アレクサンドル・デュマ・フィス、ツルゲーネフ等も、昇り降りした階段だと思うと感慨深いものがありました。

ユゴーはノアンを訪れていません。
不思議なことにこの二人の作家は書簡の交換はしているのですが、会うことは一度もなかったようです。
コメント
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