電脳筆写『 心超臨界 』

人生は良いカードを手にすることではない
手持ちのカードで良いプレーをすることにあるのだ
ジョッシュ・ビリングス

天之御中主神とは――竹田恒泰さん

2017-03-20 | 04-歴史・文化・社会
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【 竹田恒泰、学研パブリッシング (2013/7/9)、p28 】

一 はじめに現れた神 【解説】

※1x-1 天之御中主神とは

 《 別天神(ことあまつかみ) 》
    天之御中主神
    高御産巣日神
    神産巣日神
    宇摩志阿斯訶備比古遅神
    天之常立神

 《 神代七世(かみよのななよ) 》
    一代 国之常立神
    二代 豊雲野神
    三代 宇比地邇神/須比智邇神
    四代 角杙神/活杙神
    五代 意富斗能地神/大斗乃弁神
    六代 於母陀流神/阿夜訶志古泥神
    七代 伊耶那岐神/伊耶那美神

『古事記』にはたくさんの神が登場しますが、その一番はじめに現れた神は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。天照大御神が最高神だと思っている人も多いかもしれませんが、天照大御神が現れるのは、ずっと先のことです。この天之御中主神こそが、『古事記』に登場する最初の神なのです。

天之御中主神は宇宙の根源、もしくは宇宙そのもので、ありとあらゆる所に満ちていて、お姿をとらえることはできませんでした。成った途端に、完全にお隠れになりました。けれども、御身(みみ)をお隠しになったとはいえ、その後、目に見えない所から神々の世界に影響を与えることで、宇宙を統合する特別な神なのです。

次に「天之御中主神」という神名に注目してください。「天」とは宇宙のことで、「主」とは留まって動かない者、司(つかさど)る者のことです。ですから、この神様は「宇宙の中央にいて支配する神」ということになります。天之御中主神は、『古事記』にはその後一度も登場なさらないので、その姿、言葉、行動などは何一つ知られていません。神秘に包まれた神だといえます。

生活に直接関わる神ではないためか、天之御中主神は長い間、民間であまり祭られてきませんでした。近世以降は、北極星や北斗七星を信仰する妙見(みょうけん)信仰と合わさり、妙見菩薩と同一視されて、「妙見さん」として民間で信仰されるようになりました。その後、明治期の神仏分離によって、天之御中主神と妙見菩薩が分離されて、現在の形となりました。天之御中主神を祭る現代の神社としては、福島県南相馬(みなみそうま)市の太田(おおた)神社、埼玉県秩父市の秩父神社、長野県松本市の四柱(よはしら)神社、北海道釧路町の釧路神社などが挙げられます。

また、最初に現れた神であることから、天之御中主神をキリスト教の「ゴッド」やヒンズー教の「ブラフマン」と同一視する考え方もありますが、次に述べる理由で適切な考えとはいえません。

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