フィリピンの大統領選では、あのマルコス元大統領の息子が当選したのだとか。そのマルコス元大統領に対して軍部がクーデター起こして退陣させたのがいつ頃の話だったかと思って調べたら、1986年2月の事でした。
私はちょうど大学を卒業する頃で、一応3月末まで下宿は借りていたものの、この時は実家に帰っていたと思われます。というのも、この時のニュースは実家で見た記憶があるので。当時は日に日にフィリピン国内での緊張が高まり、クーデター側がいつ宮殿に突入するか注目されてて、「笑っていいとも」の生放送中にもアナウンサーが速報を伝えていたのが記憶に残ってます。
その時に「国王側は宮殿に突入したクーデター軍に対し、『しょうかき』にて応戦している。」という話がありました。それを聞いたタモリと出演者たちは「消火器? あの泡の? そんなもんで応戦できるのかねぇ。駆け込んでくる奴にブシューッ!ってやってるの?」と言って笑ってたと。
が、しかし次のCM明けになった時にタモリが苦笑いしながら「先ほどは大変失礼しました。『しょうかき』は『消火器』ではなく『小火器』で、小銃とかライフルとかそういうのが小火器、ミサイルとかロケット砲とかが重火器だそうで…。」という話をするはめに。私もそういう兵器の違いは知らなかったのですが、ああいうのは生放送の面白さでもありましたね。
また、マルコスというと「元気が出るテレビ」も思い出します。ちょうどこのクーデターの頃だったのでしょうが、番組内の企画で視聴者も参加する「忠臣蔵」のドラマを作ることになり、大石内蔵助は当然松方弘樹、大石主税が野口五郎だったと思います。
そこまではいいとして、吉良上野介を演じたのが泉谷しげる。衣装だけは時代劇の恰好をしてるものの、全然まともに芝居をやる気がなくいつものように暴れまくって、最後に打ち取られる場面では「てめー、バカヤロー。おれはマルコスだ! 離せ、この野郎。」と、完全に喜劇になってました。一応出来上がったドラマを見ながら、松方弘樹が「折角こっちは真面目にやろうとしてるのにねぇ。」とポツリと。
と、当時はそんな風にあちこちで話題になったものでした。まだネットがなかった時代で、マルコス大統領の独裁体制がどんな様子だったのか、フィリピンの民衆の暮らしはどうかなんていうのがわからず、マラカニアン宮殿には1000足以上イメルダ夫人の靴を収納するためだけの部屋があるとかいう報道だけが強調されてたように思います。というか、当時ボンクラ学生だった私はそこしか覚えてないのでしょう。一応就活の対策として日経新聞は購読してたけど、渡辺淳一の「化身」しか読んでなかったし。
まぁそんな騒動があって退陣した大統領だったのに、やっぱりフィリピンの人はマルコス好きなんですね。フィリピンの歴史は勉強したことなかったのですが、今回の件で結構興味が出てきました。勉強すっか。