今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

「ちちんぷいぷい」の語源は?

2024年08月27日 | 国語の時間

 朝ドラ「虎に翼」で「ちちんぷいぷい」という言葉を久しぶりに聞きました。昔はよく聞きましたが、考えてみればこれの語源は知りません。

 そこで手元の電子辞書のスーパー大辞林で調べたところ、「ちちんぷいぷい御代(ごよ)の御宝(おんたから)の略」で、「子供が手足などを痛めたとき、なでさすって痛みを和らげるときの呪文。」となっていました。ちなみに旺文社の国語辞典(第十版)には、この語句は出ていません。

 こういうまじないの言葉というのはいろいろあって、思いつくだけでも

・アブラカタブラ
・マハリ~ク マハ~リタ
・エロイムエッサイム、我は求め訴えたり
・ピ~リカピリカラ
・臨兵闘者皆陣列在前
・アノクタラサンミャクサンボダイ
・マハール ターマラ フーランパ
・ベラルル ベラルル ベララルラー
・アバクラタラリン クラクラマカシン
・エコエコアザラク エコエコザメラク

などあります。

 ちなみにマハリ~ク マハ~リタのあとに「ヤンバルクイナ」というか「チャンバラトリオ」と繋げるかで効果が変わるといわれています。(諸説あります。)

 これらの語源とそれぞれの効果について調べると面白いかもしれませんので、夏休みの自由研究がまだの人はぜひチャレンジをどうぞ。ただし、黒魔術を実際に使って完璧に効き目があった場合も当方は責任を取りません。

 まあ、何かあってもいまどき「ちちんぷいぷい」という人も珍しいでしょうが、「わしのちんちん、ブイブイやで。」というような昭和なおじさんとはお友達になれません。あしからず。


朝立ちした日に朝立ちし朝立ちしたら朝立ちに遭遇した

2024年07月26日 | 国語の時間

 もう50年ほど前の話。叔母が自分の娘(高校生)に「お前、朝立ちって知っとるか?」と聞いたら、本人は真顔で答えは「夕立の反対やろ?」と。

 よほどその答えが面白かったと見え、叔母は会う人ごとにその話をしてましたが、ある人から忠告されました。それは「ちゃんと教えないとバス通学の途中で雨が降った時に『あ、朝立ちや!』と大声で言ったりしたらえらいことだ。」と。

 たしかに満員のバスでそんな事を言えば男子学生はみんな股間を抑えて悶絶するし、興味を持ったおじさんが「ほぉ~、なかなかユニークなお嬢さんですな。それなら私が本物を(以下自粛)」と話しかけてきたりするかもしれません。

 それで叔母は真実を伝えたそうですが、言葉のみだったか図解したのかはさだかではありません。

 さて、それはともかく「朝立ち」という言葉をgooの辞書の辞書で見ると、

1.朝、家を出ること。朝早く旅立つこと。「-して昼までに目的地に着く」

2.政治家などが、朝の通勤時間帯に、駅前などの人通りの多いところで演説をすること。

3.朝、男性が目覚めた際に、陰茎が勃起(ぼっき)している現象のこと。

4.(朝立)朝方に降る雨。→夕立


という四つの意味があるそうです。ということは、私のいとこが言った「夕立の反対」も正解ということになりますね。

 しかし、これだけ色々な意味があるということは、3→1→2→4という順に繋げれば、本日のタイトルの通り「朝立ちした日に朝立ちし朝立ちしたら朝立ちに遭遇した」という文章は成り立ちます。とはいえ順序を変えると大変なことになりそうな気もしますので、朝立ちは寝床の中だけにしておきたいものです。日本語は難しいですね。

 そういえば「貴社の記者が汽車で帰社した」なんて表現もあったような。←と、無理やり話題をそらして締める。


中型辞書とは

2024年04月08日 | 国語の時間

 ドラマ「舟を編む」の影響で辞書に興味を持ってます。元々毎日ブログを書いてるくらいなので言葉の使い方には関心がある方ですが、昨日も「制作と製作ってどう違うんだっけ?」と思い、それを辞書で調べてみたくなったり。

 このドラマが始まった時に、「そういえば我が家にも辞書があった」と思い引っ張り出してきたのですが、そこはお手軽なものだったのでドラマで見るような拘りの境地には至らず楽しくありません。

 それで、「そういえば娘1号が大学に入った時に電子辞書を買ったような。」と思い出し、探してみたらありました。これに入ってるのがスーパー大辞林。

 今では中型辞書に位置づけされるものというと、「広辞苑」「大辞林」「大辞泉」の三つだけだとネットで見ました。広辞苑くらいになると大型辞書なのかと思ったら、あれで中型なのですね。

 昔は「社会人なら広辞苑くらい持ってないと。」と言われたものですが、実際私は買ったことありません。就職活動に備えて「現代用語の基礎知識」は買ったことあって、そういう種類のものでは「イミダス」「知恵蔵」とかありましたね。もちろん「現代用語の基礎知識」が役に立ったことはありません。枕か筋トレに使えるという話があったくらい。

 ちなみに広辞苑「くらい」と書きましたが、この場合の「くらい」の意味は、スーパー大辞林によると

⑤作品の品位・風格。
⑥芸道上の力量の程度。到達し得た境地。

などにあたるかと思いますが、⑤の方でしょうか。

 ちなみに、などに「あたる」の「あたる」は

⑭…に相当する。該当する。

の使い方ですね。いや、大辞林面白いですわ。それにしても十数年前の電子辞書は読みにくい。一応バックライトあるけど目に優しくないような。いっそのことデジタル版の辞書を買った方がいいのかもしれませんね。


家と書いてなんと読むか

2023年07月22日 | 国語の時間

 ラジオでリスナーのメールで、時折気になる事があります。「イエの父が」「イエの犬が」「今夜のイエの晩御飯は」などなど。

 聞いてると「ん?」と思うのですが、多分メールには「家の父が」「家の犬が」「今夜の家の晩御飯は」と書いてあるのでしょう。しかし、書いた方は「うちの父が」「うちの犬が」「今夜のうちの晩御飯は」というつもりなのでしょう。読む方が「家」をそのまま「イエ」と読んだと。

 これらはハガキで投稿してた頃は平仮名で「うちの」と書いてたでしょうし、「家の父が」とする人はいなかったでしょう。投稿をPCやスマホで書くようになって、勝手に変換されるのに慣れてしまったことが原因ですね。

 いっそのこと「うち」と書いて「家」と変換されないようにすればいいと思うのですが、この辺いかがでしょう? なんか支障ありますでしょうか。支障というか、私の場合現状のWindowsの日本語変換には不満だらけですが。

 そして「家」と書いて「うち」と読む人がいるかというと、これが赤江珠緒さん。「たまむすび」では、横浜家系ラーメンを「うちけい」と読むのが定番のネタになってました。

 ただ、私も最初見た時は「これは『ヨコハマヤケイ』か『ヨコハマカケイ』?」と思ったものです。「家系図」だと「カケイ」ですしね。そういえば、「磯野家」なら「ケ」ですが「吉野家」だと「ヤ」ですね。難しいなあ。


十戒と書いてなんと読む?

2022年11月04日 | 国語の時間

 先日「うたコン」で若手の女性アイドルが中森明菜さんの「十戒 (1984)」を歌ってました。曲名はこれが正式だそうですが、面倒なのでここでは「十戒」と表記します。

 それで、この曲名を書こうとしたらPCでは「じゅっかい」では変換されません。これは前に映画の「十戒」のレビューを書こうとしたときにも経験したのですが、正しくは「じっかい」なのですね。

 十戒といえば、有名なのはモーゼの十戒ですが、モーゼさんが「これは『じっかい』と読むのじゃあ! 『じゅっかい』とか『じゅうかい』と読む奴にはタタリがある。『とおかい』と読むような意識が斜め上の奴は許す。」と言ったわけはありません。調べてみたら仏教でも「仏道修行上まもるべき十の戒め。」として、「じっかい」があるのですね。

 しかし、明菜ちゃんのこの曲はあえて「じゅっかい」と読むそうな。なので、PCやスマホで「じゅっかい」と入力して「十戒」と変換されるように単語登録してる人は明菜ファンという判断ができます。一種の踏み絵ですね(?)。

 それで、この読み方を調べてたら「十手」も「じって」と読むという話がありました。しかし、こちらは普通に「じゅって」と入力しても変換されます。なにより、舟木一夫さんは「銭形平次」の主題歌で「野暮なじゅってぇ~は~」とキッパリ歌ってますし、橋幸夫先生も「伝七捕物帳」の主題歌で「房は紫 このじゅってぇ~え~」と歌ってます。

 さらには「白獅子仮面」の主題歌も、水木一郎アニキが「二丁じゅってがカチッと鳴~れ~ば~」と歌ってます。銭形と伝七と白獅子仮面に逆らえる奴はおらんでしょうから、これは堂々と「じゅって」と読んで良さそうですね。

 それにしても、色々調べてたら伝七親分が使ってた紫の房の十手は本当はなかったらしいとか、銭形平次は実在の人物ではないという話とか、知らなくてもいいことを色々知ってしまいます。せめて木枯し紋次郎と中村主水くらいは実在してて欲しいものですが、夢の見られない時代ですね。


金田一先生「じょおうばち」です>映画「女王蜂」

2021年05月19日 | 国語の時間
 
 先月のことですが、「女王を何と読む?」というのがTBSラジオ「赤江珠緒 たまむすび」で話題になってました。赤江さんは長年「じょうおう」だと思っていたのが、辞書的には「じょおう」という読みが正しいことを知ってショックだったとか。

 ちなみに水曜パートナーの博多大吉先生はあっさりと「どう考えても『じょおう』でしょ?」と即答。この日に番組Twitterでリスナー投票を行った結果、確か6割以上の人が「じょおう」派でした。

 実は私も長年というか今でも「じょうおう」派であり、何年か前に「女王の教室」のことをブログに書こうとして、PCでは「じょうおう」では「女王」に変換されなかったことから辞書を調べ、事実を知りました。

 ただ、「女王蜂」とか「エリザベス女王」を読む場合、みんな「じょうおう」と発音しているような気はしませんか? そういう語感があったからこそ私は「じょうおう」が正しいとずっと思っていたわけで、「『じょおう』しか考えられない」という人には違和感を覚えるのも正直なところ。

 それで先日BSPで放送していた映画「女王蜂」を見たわけですが、これは昭和53年2月に公開された横溝正史原作の金田一耕助シリーズ。金田一は石坂浩二さん、ヒロインは中井貴恵さんでした。化粧品会社とのタイアップで「口紅にミステリー」というCMのセリフを覚えておられる方も多いかも。

 この映画では当然「女王蜂」というセリフが出てきますが、巡査役の伴淳三郎さんも「じょうおうばち」と言っているように聞こえます。多分劇中では何回か出ますが、何しろ長いのでそれを探すのは結構大変。どなたか検証をどうぞ。

 それにしても、この作品は市川崑監督と石坂浩二さんの金田一シリーズでは一番の豪華キャストで、何しろ仮面ライダー2号とミラーマンと超人バロム1が共演しているくらい。その破壊力もあってか、前作の「獄門島」を上回るヒットになったそうです。

 実は私は今回初めて見たのですが、面白かったかというとあんまり…。ヒロインの中井貴恵さんも特にキラキラしてなかったし、テレビシリーズ「不死蝶」の竹下景子さんのような美しさとか、「真珠郎」の大谷直子さんのような妖艶さがあれば見ごたえもあったものを。

 ただ、この「女王蜂」のようにどちらの読みでも意味が変わらないというか通じる場合はいいのですが、例えば「しょじょう」と「しょうじょう」だと「書状」と「賞状」のように意味が変わってしまいますね。ちなみに、「顧問」と「肛門」だとどうだという下品なことを言う方とはお友達になれません。

 日本語の権威というと金田一春彦先生を思い出したのですが、調べてみたら2004年に亡くなっていましたので、当然この件のご意見は聞くことができません。金田一先生…。

ぼちぼちカミングアウトしておきます

2020年05月11日 | 国語の時間
 最近になって知ったことを、さも昔から知ってたように装っていることがあります。それはなにかというとマスクの話。恥ずかしながら、このコロナ騒動でマスクが話題になるまで「不織布(ふしょくふ)」を「ふしきふ」だと思ってました。何しろこんな言葉を口に出す機会はなく、不織布自体もマスクか三角コーナーのごみ袋くらいしか接する機会がなかったので。実は私は漢字検定2級なのですが、この私がそうなのですから同じ間違いをしてた人は全国で1000人くらいはいると推察します。

 奇しくも今回の騒動で正しい読みを知ったわけですが、読みを間違えた人に間髪を入れず「それは違う!」と声を荒らげたりすると、人間関係が破綻したりするのでご注意を。とはいえ、それくらいで破綻するのならそもそも脆弱な関係なのでしょうから、間違えても他人事と思って放置するのもありです。(この段落の漢字をすべて間違わずに読めた人は上級者です)

 ところで、私のブログでの一番人気は「国語の時間 「益荒男」と「手弱女」」という記事で、もう10年も前に書いたのに毎日10人以上が閲覧してます。それだけ日本語に拘る人がここを訪れていると思われるので、今回カミングアウトすることにしました。

 とはいえ、日本語も誤った読みや使い方が段々一般的になってスルーされる事があります。一番気になるのは上にも書いた「他人事」ですが、通常は「ひとごと」と読むべきであって「たにんごと」と発音するのは正しくありません。ただ、NHK放送文化研究所のサイトによると、放送現場では「他人事」という表記も「たにんごと」という読みも使わないそうで、表記も読みも「ひとごと」がいいようです。テレビのバラエティやドラマでもどちらかというと「たにんごと」という発音をよく聞くので、もう気にする人は少ないのかもしれませんが、先日「北の国から」の再放送を見ててもそうだったし、40年近く前から世間に浸透していたと思われます。

 ま、そんなこんなですが、今回は「あ~なた~は ひとご~と~♪」と歌ってお別れしましょう。(これがわかる人も上級者です。…か?)

漢字変換はもっとこだわるべきだと思い

2019年08月09日 | 国語の時間

 今日あるラジオ番組を聞いてたら、リスナーからのメールを読んでたパーソナリティーが一瞬詰まって「これ、なんて読むんだっけ?」とスタッフに聞いてました。メールを送る方は、PCやスマホで変換されたままに書いてしまうのでしょうが、読む方としては普段使わない漢字は読めないことも多かろうと。


 私はワープロを使い始めた頃、「へぇ~、この言葉はこういう漢字なんだ」と思って、とにかく全部変換されるものは全部漢字で文章を書いてました。が、あるとき仕事先で「漢字が多すぎて堅苦しい」と言われたり、「御」と「お」が混在してて統一感が無いとか指摘されて「ふ~む」と考え直しました。


 また、あるとき社内の文書で「扨」という文字を見つけてそれを読めず、調べてみたら「さて」という字でした。普通に手書きの文書を書く際に「さて」を漢字で書く人はいるでしょうか。多分ワープロで変換されるままに書いたのでしょうが、その時に凄く違和感を感じて、「これではいかん!」と思ったものです。


 私はワープロを使い始めたのが割と早かったので(1985年に自分でワープロ専用機を買いました)、当時は喜んで使ってたものの文書を受け取った人は漢字が多すぎて戸惑ってたかもしれませんね。ちなみにその前から英文タイプをちょこっと習って自分でも練習したので、当時からタイピングは速かったです。えっへん。(って、字の汚さをカバーできると思ったのが理由でしたが…)


 そんなこんなで、今はどうかというと自分が手で書くときに書けないような漢字は基本的に使わないようになりました。とはいえ、「憂鬱」とか「懺悔」とかいうのはさすがにひらがなにはしませんが、幸いそういう言葉を使う文書はあまり書く機会がないので。


 もう30年近く前になりますが、高千穂遙氏がパソコン雑誌に日本語FEPの事を書いてて。WX2の会社に「作家の辞書」ということで自分の辞書を提供したら「全然言葉が出てこない」と言われたとか。あの人なんかは、既にその辺こだわってて余計な漢字は使わなかったのでしょうね。使わない漢字や単語はことごとく削除してたそうですし。


 今だと日本語FEPじゃなくてIMEというのでしょうか。使ってて、なんか全然学習能力が働かないというか、この記事を書いてる間も「漢字」が全部「感じ」で出てきて、何回変換してもダメ。この辺は極めて不満。


 なお、冒頭に書いたパーソナリティーが読めなかったという漢字は「弄る」でした。まぁ読めないことはないですが、私だったら漢字では書かないなぁ。


ちょっと受けました>落ちて知るべし

2015年08月28日 | 国語の時間

 昨日当ブログに辿り着いた人の検索ワード1位は「落ちて知るべし」でした。当然「推して知るべし」をもじったものでしょうが、考えた人はセンスありますね。ちょっと受けました。

 …って、私はそんな記事書いたことないのですが、なぜそのワードでここに辿り着くのだ。う~むん?


またもケンケンガクガクが

2012年02月09日 | 国語の時間

 本日もラジオで「ケンケンガクガク」という言葉を聞きました。それも二回も。一人は国会中継での岡田副総理で、もう一人は夕方のニュースに出てた再生医学の専門家。どっちもエラい人なんですが。私は自分が漢字で書けない単語はしゃべらないようにしてるので、このお二人には「ケンケンガクガクって漢字で書いてご覧なさい」と言ってあげたいと。

 ご存知の通りこの言葉は「喧々囂々」と「侃々諤々」という二つの言葉が混同されて誤用されるうちに一般的な単語として広まってしまったものです。前にも記事にしたことがあるのですが、そのときよりも広まっているかも。こうなったらいっそのこと、アパッチケンと光石研と吉田豪と郷ひろみの四人で「ケンケンゴーゴー」というユニットを組んでデビューさせたらどうでしょうか。キンキンの「欽欽学学教室」も「欽欽囂囂教室」で復活するとか。

 ちなみに私は日常生活では侃々諤々も喧々囂々も使いません。そもそもどっちも今の若いもんには通じないだろうし。ジャンジャンバリバリくらいならなんとか…。(って、なんやそれ)