今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

サブカルスーパースター鬱伝

2012年08月30日 | ブックレビュー

 吉田豪著 徳間書店 定価:1600円(本体)

 

 話題の書籍ですので読んでみました。作者の吉田豪氏は格闘技のリングス中継のゲストで出てた頃から知ってはいたのですが、注目したのはTBSラジオ「ストリーム」以来。書籍は「BAND LIFE」「新人間コク宝」に続いて3冊目。

 オビの言葉によると「文系男子(サブカルもの)は40歳で鬱病になるって本当?」「平成日本文化を担った11人に、テレビ・ラジオ・雑誌・ネットなどさまざまな媒体で日々大活躍の現・日本SBC(サブカルチャンピオン)王者吉田豪が迫る」というもの。

 その11人とはリリー・フランキー、大槻ケンヂ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、みうらじゅん、ECD、松尾スズキ、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカという面々。これらの男性陣の鬱に悩んだときのことをあれこれ聞き出し、最後に香山リカさんにそれについて総括して貰うという構成です。

 ネットでの評判は「身につまされる」「読んでる方がやばくなるのでその傾向のある人は注意」などの声が多かったので心してかかったのですが、私はその気がまったくないせいか、「ほぉそんなもんか」というくらいでさらっと読めました。まぁそういうのは、あまり深刻な事態を具体的に語ってない人が多いせいでしょうが、やはり実際に電車の中でパニック発作が出た人の話などはドキっとします。

 吉田豪氏は取材対象をいろいろ見てて「サブカルは40歳で鬱になる」という持論があるそうですが、特にサブカル系の人に限らずその年代はやばいのでは? 厄年でもあり、ぼちぼち老後のことも考える頃でしょうし、バリバリ仕事する人はちょっと体力的に落ちてきたことに悩んだり、仕事がイマイチの人は「このまま一生給料上がらなかったら?」とか悩むでしょうし、そうでない人も将来どこに住む、親の面倒はどうする?、とか考えたり。

 ということで、面白いって言えば面白いですが、私としては「BAND LIFE」が圧倒的に面白かったので同じくらいの価格っていうとこれには物足らなさを感じました。ボリューム的にもうちょっと欲しかったかな? とはいえ、11人の誰か一人にでも反応する方であればオススメではあります。結構売れてるようですね。


テクマクマヤコン テクマクマヤコン…

2012年08月29日 | 日記・雑記・ただの戯言

 世間では「ひみつのアッコちゃん」が話題になっています。綾瀬はるかさんが主演の実写版が公開されるそうですが、私の年代からするとアッコちゃんとサリーちゃんの登場人物がごっちゃになっててよくわからないのが正直なところ。ただ、「魔法のコンパクトがあれば誰に変身したいか?」と聞けば青少年の大半が「綾瀬はるかになって入浴する」と応えることは明白なので、これは映画自体が有害であることはいうまでもありません。

 さて、大人としては実際自分が誰に変身したいかと考えるわけですが、これはなかなか難しいところ。私は格闘技とかプロレスが好きなものの自分では経験ありません。今となってはあちこち痛いし体は硬いしで地道に柔道かレスリングからやろうという気もないですし。なにしろ指を痛めるとギター弾けないので。

 で、「テクマクマヤコンテクマクマヤコン 船木誠勝にな~れ」とか言って変身しても、本人になって試合した場合痛くないわけじゃないですよね? マラソンの金メダリストに変身したとしても速い人と遅い人がしんどさがそんなに変わるわけじゃないですし、速くとも遅くとも死ぬほど辛いのはそんなに変わらないだろうと。

 なのでスポーツ系は無理として「Charになあれ!」とか言ってすごくギターが上手くなったとします。が、元に戻ったときにすっごく下手だった場合まず自殺しますね。なのでアッコちゃんが変身するときは、精神科医の綿密なサポートも必要ではないかと思う次第です。変身したときは技術、技能、身体的能力、思想信条までまったく同じ人に変身するかどうかということで。

 なお、変身した相手から元に戻るときの呪文は「ラミパス ラミパス ルルルルル…」ですが、これを間違って「エコエコアザラク エコエコザメラク」と言ってしまう人もいるようです。たたりがありそうなのでご注意下さい。それにしても、何がどうかと言って「アッコちゃん」というニック-ネームは、アツコ、アキコなどという名前が多いような気がするのですが、これまでの人生でそういうニックネームの女子に会ったことがないというか、そそられる人がいなかったというか、そう言う意味でまったく興味がないわけです。いえ、綾瀬はるかさんが入浴するならそれなりにそそられますが。


6億当たったらという妄想

2012年08月28日 | 日記・雑記・ただの戯言

 サマージャンボ宝くじの当選金で初めてBIGを買ってみました。サマージャンボは5等と6等が当たったのですが、合わせて3千3百円を手にして「ワーイ」と喜んだものの、よく考えてみればバラで10枚買って3千円払ってるわけだから実質300円の儲けでしかありません。これをいかに増やそうかということで、最近テレビでよく見るBIGを買ってみました。

 BIGのシステムはよく知りませんが、簡単にいうとサッカーの勝敗をコンピューターがランダムに予想したくじを引くような感じです。最高6億円が当たるんですと。一口300円なのですが、楽天銀行のサイトではネット上で買えるのでまず一口と。買った以上は当たったときのことを考えておかないと、いざというときに対応できませんので心の準備をしておきましょう。

 なにしろ6億というと普通のサラリーマンの生涯賃金よりはかなり多いですから、そんだけあれば働かなくてもよさそうな気がしますが、まず仕事は辞めません。毎日ダラダラして過ごすのは性に合わないので。で、使い道としてはまず住宅ローンと車のローンとスマホのローンを全部払って、子供の教習所の費用も払って…あ、車自体買い換えねば。なにしろ既に走行距離17万くらいなので。あとは家の傷んだところをリフォームして、ということでまぁこれでも3千万ほどあれば足りるでしょう。車は普通のワンボックスでいいし。

 あとは私の実家と妻の実家に1億ずつあげて、私の兄弟と妻の兄弟に1千万ずつあげると。当然ギターも買いますが、折角なのでギブソンのレスポールにしますか。ただし、ビンテージ品は好みじゃないので新品でできるだけいいのを、と。ま、それだったら別にギブソンじゃなくてもナビゲーターの最高級品でもいいか。ギターはいろいろ欲しいのがありますが、いっぱいあっても置き場所困るし弦を張り替えるのも大変だし、あと本物のイーグル買うのもいいなぁ。これは80年くらいのでボディがコアのを希望。別にB.C.Ricoでもいいけど。

 と、ここまで考えてまだ3億1千8百万ほど残っております。これは嫁さんに預ければなんか必要なもの買うでしょう。それでも多分3億は残るなぁ。毎日普通に仕事しながら預金残高が3億あるなんて生活は想像するだけで楽しいですね。都内へ行くのは車は慣れてないので、バンドのリハへはレスポール持ってやっぱり東上線乗ってくだろうし。

 そういうことで、いきなりギターがギブソンかナビゲーターのレスポールに変わってたらBIGに当たったと思って下さい。レスポールはレスポールでもグレコかアリアだったら違いますので。たまたまハードオフで掘り出し物見つけた、とかいう事態かと。そうやってて若いおねえちゃんに「ねぇ、実際はいくら持っとるん?」と聞かれたら、「ワシは、お前らの好きな金の玉2コ持っとるけぇの。」と言えるような余裕が欲しいですね。

 さぁ妄想はこれくらいにしてまずは練習しないと。仙台も近いし。


ついにビューティフルレインを断念

2012年08月27日 | ドラマレビュー・新着ドラマの話題

 フジのドラマですが「ビューティフルレイン」の視聴継続を断念しました。若年性アルツハイマーがテーマなのですが、段々可愛そうな展開になってくるし、結構極端な話なのでこのまま救いがないような気がして。そもそも先週のを見た段階で、父ちゃんがチョンボ→芦田愛菜ちゃんがかばう→父ちゃんまたチョンボ→周りは戸惑うが愛菜ちゃんがさらにフォロー…という展開が続くのが見えちゃったんですね。

 愛菜ちゃんは可愛いといえば可愛いのですがさすがにもういいかなぁと。他にもっとモリっと来るような(?)女優さんが出てるのなら考えますが。やっぱり最初から「サマーレスキュー」にしておけばよかったかと。カーネーション以来尾野真千子さんLoveですので。

 なので昨夜はビューティフルレインの時間は風呂に入って、10時から台風のニュースを知りたくてMrサンデーを見てみたら、なんと放映時間が30分ずれててビューティフルレインの後半見てしまいました。これはなんの陰謀でしょうか? クソッ!


今週は「約束」です

2012年08月26日 | 映画

 最近の日本映画専門チャンネルは平日に毎朝同じ映画を1週間ずつ続けてるようです。先々週は「連合艦隊」で先週は「八甲田山」。暑い日に「八甲田山」を見れば涼しくなるかというとそんなことはないので見なかったのですが、今週のは見ます。何かというと「約束」。

 主演は岸惠子さんとショーケンですが、番組サイトによると「結ばれるはずのない二人が列車で出逢い、儚くも運命的な愛を育むメロドラマ。人気歌手から俳優に転身したばかりの萩原健一の奔放だがまっすぐな演技と、映画女優として名を馳せてきた岸恵子の風格すら漂う佇まいが、何もかもが正反対ゆえに惹かれ合うワケありの男女役に見事にハマり、極上の恋愛映画となった。」というもの。1972年の作品で私は30年くらい前にテレビで一度見たことあります。

 私は萩原健一氏の「ショーケン」という本を愛読しているものですが、そこにこの映画の話もあります。それによると、彼はこの当時映画作りに関わりたいということでこの映画にはサード助監督という立場で参加したのだとか。俳優の付き人からお茶汲みのようなことまでやらされたそうですが、将来自分の映画を撮るための勉強だと思ってたそうです。

 ところが主演女優が決まらず、最初の予定の岩下志麻さんが他の映画に出演するというのでダメ、次の岡田茉莉子さんが松竹ともめててダメ、倍賞千恵子さんはキスシーンに難色を示してダメで、その他10数人とは低予算の関係でギャラが折り合わずすべて断られたとか。やっと見つけた中尾ミエさんは監督がダメ出しし、その次の園まりさんもダメ。そうしているうちに先に男役に決まっていた中山仁さんが怒り出して降板したのだとか。

 そこでショーケンのアイディアでパリにいる岸惠子さんにダメ元で台本を送ってみたら気に入って貰ったらしく、とはいえ男優がいないのでどうしようかとさらにダメ元でショーケンの写真を送ってみたら「この方はわたしには若過ぎるのではないでしょうか。」という反応だったものの、実際会ってみたところ出演を承諾してくれたのだとか。その後も岸さんの運転手をやったり衣裳選びにデパートに付き合ったり、とにかく気持ちよく出演して貰うために大変だったようです。一時期デキてたなんて噂されてたそうですが「それはない」そうです。なぜならこの当時彼は笵文雀さんと付き合ってたからだそうで、さすがにもてますね。

 この映画では共演した三國連太郎さんに「俳優というものはただ脚本に書いてある通りに演じるだけではいけない。自分なりに考えて、工夫をして、より良いものにしていこうという姿勢が大切なんだ」と教わり、いろいろアイディアを出したそうです。この言葉がのちのショーケンの礎になったと言ってもいいのだとか。ちなみに三國さんとのシーンでは撮影の前に「決して手加減せずに殴るからね。ゴメンね。許してね」と伝えられたとか。撮影では本当にボコボコにされつつ一発でオーケーだったそうですが、今回はそういうところにも注目したいと思います。この本ではこの映画について7ページほど割いてるのでかなり思い入れあるのでしょう。この映画は1972年のキネマ旬報ベストテンの第五位だったそうです。

 ということで、この映画にも注目ですがこのショーケンの本もお薦めです。この映画だけじゃなくて「太陽にほえろ」とか「傷だらけの天使」とかの現場での工夫とか苦労は本当に読み応えあります。大麻だとか麻薬とか女性関係のスキャンダラスな部分ばかり注目される本ではありますが、実際映画やドラマ作りの部分が面白いです。興味ある方は是非お読み下さい。


8月25日でなおかつ24時間テレビというと

2012年08月25日 | スペクトラム(ブラスロックバンド)

 今日は8月25日ですが、なんの日かというと昭和54年にスペクトラムがデビューした記念日です。そのときも今年と同じ土曜日で、さらに24時間テレビをやってた日でした。その24時間テレビの真夜中のステージで衝撃的なお茶の間デビューを飾った…らしいのですが、私は当時見ておりませんでした。というのも、うちの田舎は日テレ系の局がなかったので。

  そういう関係で24時間テレビ「愛は地球を救う」を初めて見たのは20歳過ぎてからだったと思います。高校出てから京都に住んだのですが最初の年の8月は夏休みで実家に帰ってたし、2年目は一人で下宿に住んでたのですがその時点ではテレビ持ってなかったし。

 そういう経緯があるせいか24時間テレビっていうのがすんなり入ってこないんですよね。ニッポン放送のラジオチャリティーミュージックソンの方は電話かけて寄付したこともあるくらいなんですが。一番の違和感は芸能人に無理矢理マラソンやらせるあたりかと。

 それはそれとしてスペクトラムのデビュー33周年を祝うとともに、コピーバンドである我々ReSPECTのライブのお知らせをします。なんと9月に2回もやっちゃいます。

◇9月8日(土) 第22回定禅寺ストリートジャズフェスティバル(仙台市)
 場 所 :勾当台公園野外音楽堂
 出演時間:14時10分~14時50分 入場無料

◇9月22日(土)  トマトパラダイスVol.7
 場所:新中野・Live Cafe 「弁天」
 時間:16時30分(開場) 17時00分(開演)
 入場料:1500円+ドリンク500円

 出演:
 Opening Act
 ▲Maniac Depression(Char, PINKCLOUDなど)
 The Bands
 ▲Petit Tomato(SPECTRUM cover)
 ▲ReSPECT(SPECTRUM cover)
 ※今年はチケット取置きはありません。直接会場にお越しください。

 仙台の方は真夏の野外なのでやる方の気分としてはスペクトラムが出演した西武球場のJapanJamです(笑)。よろしくお願いしま~す。


赤い衝撃の衝撃

2012年08月24日 | 日記・雑記・ただの戯言

 NHKFM「歌謡スクランブル」今週の特集は「なつかしの主題歌集」。初日は「チロリン村」とかそういうのだったのですが、今日はさすがに私も知ってるものばかりでした。(本日のオンエアリストはこちら) 本日の1曲目は「赤い衝撃」。ご存知山口百恵主演の赤いシリーズのテーマ曲です。私は彼女が好きじゃないのでシリーズは一切見たことないのですが、このテーマ曲は知ってます。赤い衝撃ってくらいだから「レェ~ッド センセイ~ショ~ン センセイ~ショ~ン」という歌だと思ってたら、実際は「あ~なたがいる わ~たしがいる」という歌でした。この歌も知ってますが、まさか「君たちがいて僕がいる」っていうチャーリー浜みたいな曲が「赤い衝撃」だったとわ。私が覚えている曲はなんだったのだろうと思い、山口百恵ファンの妻に聞いてみたところストーリーは完璧に覚えてたもののテーマ曲は私と同じ勘違いをしてました。はて、あれはなんなのでしょう???

 その赤いシリーズはまったく見たことないのですが、「赤い稲妻」っていうドラマもありましたよねと思って調べてみたら、こちらは「紅い稲妻」でした。なんか美少女格闘ものだった記憶がありますが、さすがに詳細は覚えておらず。なんかもう1回ちゃんと見てみたい気もする設定ですが。

 んで、赤いシリーズというと田宮二郎主演の「白いシリーズ」ってのもありました。「白い滑走路」とか「白い地平線」とかありましたが、「白い顔」ってのはなんだっけ?と思ったらそちらは「怪奇大作戦」でした。ということで、いっそのこと「白い顔シリーズ」というのはどうでしょう? 白い顔の人を集めたドラマで構成するシリーズで、まずは怪奇大作戦で、次は「犬神家の一族」のスケキヨで、あとは「必殺仕業人」の中村敦夫氏の白塗りというあたりで。

 顔でなければ「白い髪」というのもありかと思いますが、髪の方は「白髪鬼」というのがありますね。天知茂氏の明智小五郎シリーズでは「宝石の美女」というタイトルで金沢碧さんがヒロインだったようです。私は見た記憶がないのですが、金沢碧さんがワッチコンしたりするのでしょうか? 「白髪鬼」というと元々海外の小説だったのを江戸川乱歩先生が翻訳したように言われててそれも正解なのですが、その前に黒岩涙香先生が翻訳してたようです。私は黒岩涙香先生の「鉄仮面」が大好きなのでそっちも読んでみたいですね。

 ということで、赤から始まって白を通って黒で終わりました。ということで、どなたか「レェ~ッド センセイ~ショ~ン」の歌がなんなのかおせーて下さい。


ちょっとゴージャスな気分

2012年08月23日 | 日記・雑記・ただの戯言

 夕方暑くて喉が渇いたのですが、なんとなく甘い物が欲しくてさらにちょっと変わった物が欲しいと思い自動販売機数台をチェックしたところ発見しました。ゴールデンパイン&カルピスですって。こんなものがあるとは知りませんでした。ただのパインじゃなくてゴールデンパインというところがゴージャスな感じです(?)。瓶には「すっきり」「レモンの爽やか搾り」「カロリーオフ」など魅力的な文字が並んでおりますが、初めて体験したその味は結構美味しかったです。かなりパインの味がしっかりしてると思い「これはさぞかし…」と思ってよくよく見たら、なんと果汁1%…。ま、ほんのちょっとだけゴージャスですね。もしかして知らない方がよかった情報かもしれません。まぁいいですけど。


音楽劇「オリビアを聴きながら」始まりました

2012年08月22日 | 尾崎亜美

 劇中の音楽はすべて尾崎亜美さんの音楽で構成されているという劇団扉座の音楽劇「オリビアを聴きながら」が始まりました。昨年9月に上演され大好評を博した劇ですが、一部出演者を変更し今日から31日までの再演となります。曲は亜美さんの楽曲ですが、歌うのは出演している役者さん達。場面場面に合わせた楽曲を役者さん達が歌うというものでかなり緊迫感があり、なおかつ楽しく、さらにホロリとするお芝居です。


 劇団のオフィシャルサイトはこちら。ファンによる観劇ガイドのページはこちらで見られます。私は昨年の公演を見て高橋麻理さんLoveになりましたが(笑)、気になる方は是非ご覧下さい。


読書感想文はじめっ!

2012年08月21日 | こんなの考えました

書名:あの日からの膝十字固め 作者:藤原潔司


「あの日からの膝十字固め」を読んで

 「こんなに悲しい話があってよいのでしょうか?」というのが最初の感想です。読み進めるうちに、途中からは涙が止まらなくなり、読み終えたときは慟哭の中で無意識に壁に拳を打ち付けていました。この作者の作品はよく読んでおり、「自由への下り坂」「絶望を抱いて暗闇を泳ぐ」など悲しい話が多いのはわかっていましたが、今回読んだ作品はその比ではありませんでした。
 主人公のイチロウは優しい姉たちや可愛い弟とともに病気の母親を助けながら暮らしていました。若い頃に戦争でなくなった父親が残していった小さな畑を家族で耕しながらの生活でしたが、隣接する農家があれこれと理由を付けて彼らの畑を乗っ取って行く様子は、現在の日韓関係、あるいは日中関係、ひいては北方領土問題を連想させようとする作者の意図ではないかと思います。そのためにイチロウは成人してからは一貫して「日本も核武装をするべきだ」という意見を持つのですが、「力がなければ家族を守れない」という思いを強く持つキッカケになった出来事は様々あります。実は借金が多くあった彼の母は帝国金融の社長から返済を強く求められますが、病気で寝たきりの彼女にはその能力はなく矛先は当然イチロウの姉たちへ。「どうや、姉ちゃんたち。おうちのためにちょこっと肉体労働してもらおうやないか」というセリフには激しい怒りを感じました。
 その後、イチロウは鶏の鳴き真似が上手いことから「お笑い芸人にしてやる」という芸能プロダクションの社長と称する人物の言葉を信じて東京に出て行くことになるのですが、その言葉は真っ赤なウソで実は養鶏場から逃げ出した鶏を捕まえるためのおとりとして酷使されるという仕事でした。そのウソが発覚したときに極寒の津軽海峡を彼が泳いで渡る様子にまず涙が止まらなくなりました。
 結局イチロウは優しい姉たちのため、病気の母のため、可愛い弟たちのため、幼なじみで彼の子供を身ごもったソーランアレマのために、国際インターナショナル柔道アソシエーションが主催するワールドグランプリに出場することになります。しかし、彼は元々スポーツというとけん玉しか経験がなかったので、この設定はちょっと無理があるのではないかと思いました。しかし、実際の試合では反則すれすれの技をしかけてくる相手を次々となぎ倒したものの、決勝では禁じ手の膝十字固めを使ってしまい優勝はできませんでした。
 この作品で作者が訴えようとしているのは「努力すれば報われるのは本当だ。しかしその努力は並大抵のものではいけない。世の中のすべてのものを許す気がなければ生きられない。」というものだと思います。
 何よりも、私がイチロウの立場になったとしたら、彼のように頑張れるだろうかというのを強く疑問に感じました。何よりも私は泳げないし、けん玉もできないし。そういう投げかけもこの作者からされているように感じました。
 今は泣くだけ泣いたらすっきりした感じがします。この作者の次回作も期待しつつ、私もイチロウのように強く生きたいと思いました。終わり。

 


 

 

 

 と、いうことで夏休みの宿題の定番である読書感想文にチャレンジしました。ただし、書名も作者もでっちあげ。存在しない架空の本を読んだことにして感想文を書いたわけです。字数は1250字くらいなので、原稿用紙だと4枚目に入るくらいですが、宿題っていうとこれくらいの分量でいいのでしょうか? ちなみに「よーいドン」で書き始めて約17分で書き上げました。小学校の授業では「あんまりあらすじばかり書くのはいかん」と言われてましたので、今回の内容だと×でしょう。なお、最初を「」で始めるのは「くらたま」こと倉田真由美さんが「これで書き出すと賞が貰える」と書いてたので試した次第。

 課題図書で書かねばならない場合はこの技は使えませんが、本は読んでないがどうしても感想文は出さねばならないという場合は一時しのぎで使えるかもしれませんね。ただしパソコンで書いて17分なので、鉛筆で原稿用紙に書くとその何倍かはかかるでしょう。

 読書感想文の対策というと「最初と最後だけ読んで書く」「あとがきを見て書く」「あらすじだけ調べて書く」「どうでもいいことをとにかく書き連ねて字数を稼ぐ」などありますが、宿題の目的としては感想文を書くよりも本を読むことが重要な気がしました。なので、今回のような技はいけません。よい子のみんなは真似しないように。とはいえ、中学の同級生で実際にこの技を使った奴がいたんですよね。結局どうなったのかは知らんけど。