基本的なポリシーは特にありませんが、酒場の話題のネタにでもなれば幸いと思ってやってました。あとは、他人のネタを使った場合は出展を明記するのがこだわりでしょうか。
この年末年始はパソコンのない環境になるので年明けは3日頃から再開の予定です。今年もお付き合いいただきありがとうございました。
ということで続きです。
※7月
◇カラフル 森 絵都
文庫・新品で購入。結構期待して読んだのですが、若者向けだったような気がします。読み終わって娘1号にやろうと思ったら「もう読んだ」ですと。やはり高校生向け?
◇移民の譜 麻野涼
文庫・新品で購入。昨年垣根先生の「ワイルドソウル」を読んで以来ブラジル移民の歴史も知りたいとは思ってたのですが、これはその関係の小説でした。ブラジルとその近辺に移住した人たちの苦労がうかがい知れます。この話は段々すごくなっていく上に、最後はすごいことになったり。問題は「文庫なのに高い!」という点につきます。内容はグーです。
◇奇跡の人 真保裕一
図書館で借りた。結構うっとうしいというかそういう展開ではありました。悲劇的な方に向かうんだろうなと思いながらもやめられないという話なんですが、あまり読後感はよくありません。
◇東京島 桐野夏生
ハードカバー・新品で購入。ラジオでブックレビューを聞いて「面白そう」と思いすぐに買いました。この人の本を読んだのは初めてですが、なかなか凄いことを考えますね。尻切れトンボにならず、ちゃんと結末まで持って行ったのはさすが。
◇ニート 絲山 秋子
文庫・新品で購入。最後の話の最後のセリフは一生忘れられません。これはお子様には薦められません。
※8月
◇琉球空手ばか一代 今野敏
文庫・新品で購入。刑事もののシリーズで人気作家なんですね。知りませんでした。なんとなくイラストに惹かれて買った感じ。でも面白かったです。「古い型の方が実践的」というのは含蓄があります。
◇闇の子供たち 梁石日
文庫・新品で購入。今年の後半は「迷ったときは梁石日」というのが本選びの基本でした。これは映画でも話題になったので読みましたが、なんともやりきれない悲惨な話。この作者の方が大阪の在日の話以外で小説を書くのを初めて知りました。これまで読んだのは作風が相当違います。結構売れたと思いますが、幅広い層に知って欲しい世界があります。お子様には薦められませんが。
◇さよならの代わりに 貫井徳郎
文庫・新品で購入。この人の小説としては結構明るい方かも。あんまり好きなタイプの話ではありませんでした。途中でからくりを考えて頭の中が混乱したり。
◇銀齢の果てに 筒井康隆
文庫・新品で購入。「さすが筒井先生」というあたりで、陰惨になりそうな話を各々のキャラクターの立て方により、物語として読ませてくれました。やはり天才ですね。
◇カオス 梁石日
文庫・新品で購入。これの主役二人についてはシリーズものになったようですね。それぞれのキャラが立ってて面白いです。
※9月
◇90くんところがったあの頃 大槻ケンヂ
文庫・新品で購入。バンドブームにもまれた頃の話で、大槻氏のエッセイの真骨頂でした。面白いです。
◇泳いで帰れ 奥田英朗
文庫・新品で購入。野球の日本代表を追いかけてオリンピックを見に行った話。あまりのふがいなさに「バッキャロー、泳いで帰れ!」と怒ったというのがオチですが、これは北京五輪じゃなくてアテネ五輪の話なんですね。4年前も同じでしたか。
◇雷鳴 梁石日
文庫・新品で購入。歴史小説のような感じで読みました。まぁまぁかな?(←偉そう)
◇あの娘は石ころ 中島らも
図書館で借りた。らも先生のエッセイもいろいろ読んでるので、特に感動はありませんでした。残念。
◇表と裏 梁石日
文庫・中古で購入。裏表紙のあらすじを見て買ってみたのですが、段々凄い話になっていくのが凄い。(って、なんやそれ)
◇ばかたれ 奥居香
前に読んだのを再読。10年ほど前に買った本を再度読み直し。これは面白いので是非文庫にして貰って、みんなに読ませたいと。もうなってるのかな? プリプリ時代にステージで差し歯数本がいっぺんに取れてしまった話は涙が出るほど笑いました。
◇魂の流れゆく果て 梁石日
図書館で借りた。これは梁石日氏が昔過ごした場所や生活についてのエッセイ。「血と骨」とか「族譜の果てに」とか「夜を賭ける」を読んだ人は楽しめるでしょう。
◇断層海流 梁石日
知り合いから借りた。面白いといえばそうですが怖い世界の話。読後感がよくないのがちょっと。
◇家族八景 筒井康隆
図書館で借りた。ご存知七瀬シリーズの第一作。彼女がテレパスの能力を持つに至った説明とかは特にないので、「七瀬ふたたび」を読もうとしている人も特にこちらは読まなくてもいいかも。読んだ直後のレビューはこちら。
◇異邦人の夜(上・下) 梁石日
知り合いから借りた。断層海流と繋がってる話で、さらに膨らませて最後は衝撃の結末という大作でした。結構面白いです。
◇放送禁止歌
図書館で借りた。正式なタイトルは忘れましたが、赤い鳥の「竹田の子守唄」とか岡林信康の「手紙」とかそのあたりを取り上げてあります。若い人にも読んで欲しいです。
※10月
◇七瀬ふたたび 筒井康隆
文庫・新品で購入。テレビドラマが始まるってことで読んでみました。家族八景よりはこちらの方が面白いです。
◇ロカ 中島らも
図書館で借りた。らも先生の絶筆で未完の作品。が、面白くないです。これが「ガダラの豚」が未完だったとしたら続きが読みたくて大変ですけど、これはこのままでいいかなぁと。あくまでも個人的な意見ですが。
◇エディプスの恋人 筒井康隆
文庫・新品で購入。七瀬シリーズの最後ですがあまり話題に上らない理由は読んでみてわかりました。つまんないですね。もっとも「七瀬ふたたび」のノリのまま引っ張れば大人気シリーズになったかもしれないのに、それをやらなかったあたり筒井先生の挑戦的な姿勢が見えます。(違うかな?)
◇綿いっぱいの愛を 大槻ケンヂ
図書館で借りた。内容は忘れました。同じような本ばかり読んでます。
◇火車 宮部みゆき
知り合いから借りた。面白いですが、私は先に読んだ「誰か」の方が好きです。結構話題になってる作品ですが、ちょっと展開に無理があるんとちゃうかなぁと思いましてのめりこめませんでした。
※11月
◇ロッキンホースバレリーナ 大槻ケンヂ
図書館で借りた。こちらは小説。大槻氏の小説ではグミチョコパインが大好きだったのでこちらも期待して読みました。音楽業界の内幕を書いたものでもあるのですが、今ひとつ乗り切れず。なぜでしょう。多分キャラクターが好きになれないせいかも。
◇睡魔 梁石日
図書館で借りた。「人はなぜマルチ商法にはまるのか?」という帯の言葉に興味を持って読みました。面白いです。ただ、この人の小説に出てくる大人は昼間っからビールばっかり飲んで借金だらけでも小金が入るとおねえちゃん口説いて、というのがパターンですね。まぁいいですけど。
◇一回性の人生 梁石日
図書館で借りた。自分の小説の内容を例にとって人生論を語るエッセイ。うなづける部分もありそうでない部分もあり。
◇凍える牙 乃南アサ
知り合いから借りた。事件の本筋とそれを捜査する刑事達の人間関係とがあって、なんか集中できませんでした。面白くないことはないですけど。
◇僕の行く道 新堂冬樹
文庫・新品で購入。新堂氏がこういうタイプの小説も書くというのが驚きでした。絡んでくる人がみんないい人なので安心して読めます。猫も可愛いですし。
◇土の中の子供 中村文則
図書館で借りた。芥川賞受賞作ですと。芥川賞受賞作でも特に面白いわけはないという…。読後感の悪さが私にとってはマイナスです。求めているものとは違いました。(だったら読むなという世界ですが)
◇Z 梁石日
図書館で借りた。結構複雑だったので疲れました。面白くないわけではないですが。
◇ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生 山田宗樹
文庫・新品で購入。「嫌われ松子の一生」の続編ってあり?と思ったのですが、実はこれが今年のNo.1。素晴らしい作品です。前作で、松子叔母の生涯を追っていた青年とその彼女のその後を描いたものですが、爽やかな青春小説になりました。もしかしてまた続編があるのかも。ちなみに、映画しか見てない人は小説も読んでみることをお奨めします。原作には光ゲンジなんか出てきません。私はあの映画はまったく許せないので
◇暴いておやりよドルバッキー 大槻ケンヂ
図書館で借りた。筋肉少女帯再結成のあたりの話。大槻氏のエッセイはいろいろ読みましたが、これが一番よかったかな?
※12月
◇ロンリーハート(上・下) 久間十義
文庫・新品で購入。裏表紙のあらすじを読んで「面白そう」と思ったのですが、まったく期待と違ったのがこの本。犯人たちと男性刑事と女性刑事とそれぞれの内面も追いながら場面を切り替えて、という手法なのでしょうが私はどうにも集中できませんでした。偶然にも先月読んだ「凍える牙」と被る感じがしたのも残念。
◇お引越し ヒコ田中
文庫・新品で購入。もっと泣ける話かと思ったらそうでもなかったです。作風が馴染めず感動できず。
◇ただいまこの本品切れです 鈴木廉也
図書館で借りた。書店の内幕を描いたというと大げさかもしれませんが、事情がよくわかりました。雑誌の付録を本の間にはさんで輪ゴムを掛けるというのは本屋さんがやってるんですね。考えてみればそうなんでしょうけど、初めて知りました。それが数が合わなかったりすることを考えると…、本屋でバイトするのはやめました(笑)
◇世に棲む日々(一) 司馬遼太郎
文庫・新品で買った。幕末の歴史を勉強しようと、その筋に詳しい人に聞いてみたらいくつかの本を紹介され、まずはこれから読むことにしました。丁度吉田松陰について興味を持ってたところなのでこれがバッチリです。数ヵ月後には幕末オタクになっていることでしょう。いよいよシバリョーワールドに突入ということで、シバリョーの次は多分スギリョーでしょう。(本当か?) これは全4巻なのでいいのですが、「翔ぶが如く」は全10巻なんですね。なかなか手ごわそう。
◇うたうひと 小路幸也
図書館で借りた。音楽関係の短編集です。この作者については全然予備知識がなかったのですが、最初の話をパラパラッと読んでみて面白そうだったので借りました。面白くないことはないのですが、なんか音楽業界の話を断片的に拾ってきたという感じがするのがちょっと抵抗ありました。まぁ難しく考えなければ楽しめます。
一番本が読めるのは電車での移動中なのですが、今年は出張が少なかったのとバンドの練習も昨年より少なかったかも、ということで数だけいうと伸びませんでした。もちろん体調不良と仕事が後半忙しくなったのもありますが。
今年後半のベストは「ゴールデンタイム 続・嫌われ松子の一生」で決まり。年間のベスト1も同じくです。一応目標は100冊ということにしてたのですが、現在のところちょっと足りません。あと4日で到達するかどうか。
現在読んでいるのは図書館で借りてきた「蟹工船」。あとは「世に棲む日々」の続きも気になるので読まねばならんと。それと途中まで読んで中断してるのが「吾輩は猫である」。これもなんとかしたいと。
全般的には図書館比率が高かった年でした。自分では経済的事情と持ち運びを考えて文庫本しか買わないので、新しいのはあまりわかりません。今のところ好きな作家というと、奥田英朗、垣根涼介、山田宗樹でしょうか。
本を読むことでいいのは想像力が豊かになることでしょうか。自分の知らない世界のことをいろいろと感じられるようになるというのはありますね。来年も良い本にめぐり合えますように。
昨年の好評に応えて(?)今年も読書記録の公開です。何度も言いますが読んだ本を全部公開するのは自分の頭の中を見せてるような感覚もあるもんです。パンツの中を見せろと言われてもできませんが、こんな頭の中でよかったらいくらでも見せましょうと。
ということで今年前半の読書記録です。
※1月
◇黄金仮面 江戸川乱歩
図書館で借りた。ご存知乱歩先生の作品で、明智先生は出てきますが20面相は出ません。奇想天外な展開で面白いのですが、ALさんが出てくる後半より「誰でも黄金仮面」な前半の方がハラハラ感が強いような気がします。いずれにしても、1年の始めが乱歩先生で、なおかつ黄金仮面だったというのがゴージャス感が漂います。(漂うか?)
◇ラティーノラティーノ 垣根涼介
文庫・新品で購入。垣根さんの作品はすごく好きで、それも一番好きな「ワイルドソウル」の取材記だというので楽しみに読みました。面白かったです。どうせならもっと詳細な日記でもよかったです。作者ご本人が熱い男だというのがよくわかりました。
◇偽装国家2 勝谷誠彦
新書・新品で購入。私は勝谷メールの読者なので、大体日々見ているような内容がまとまっているのですが、この人が悪い方に予想すると大体世の中がそちらの方にいくという、ヤな時代を象徴する本ではあります。何年か経って読み返してみても、「結局世の中変わってないなぁ」と思うかも。
◇ダライラマに恋して たかのてるこ
文庫・新品で購入。モンキームーンまで読んでたかのさんの本はもういいかなと思ってたのですが、もう1冊だけ読んでみることにしました。ダライラマ法王に興味を持ち始めた時期でもありますし。
◇いつか虹の向こうへ 伊岡瞬
図書館で借りた。これは何かの賞を取ったそうで結構面白かったです。ミステリーにハードボイルドが加わってて、なおかつほのかに明るさもあるというキャラクターでナイスでした。主役が元刑事という設定はストーリーを作る際には便利でしょうね。
◇永遠の1/2 佐藤正午
図書館で借りた。日記にも書きましたがとにかく字がびっしりで読むのは大変でした。面白いのは面白いのですが。
◇誰か 宮部みゆき
知り合いから借りた。面白かったです。私は特に推理しながら読んでるわけじゃないので、着メロの秘密がわかったのは明かされる2ページくらい前だったという…。
◇黒い春 山田宗樹
図書館で借りた。面白いですけど怖いです。この人は人間の嫌な部分をすごくうまく表現するのでそれが怖いと。
◇グラスホッパー 伊坂幸太郎
文庫・新品で購入。「殺し屋小説」という宣伝文句に魅かれて読んでみました。主役の人がお人よしなのがいいですね。展開は「んなアホな」と思わんでもないですが。
◇四度目の氷河期 荻原浩
図書館で借りた。この作者は前に読んだ本がイマイチだったのですが、もう1冊読んでみようと思ってチャレンジ。かなり変わってる話で面白かったです。よく練られた作品だと思います。
※2月
◇あの日へドライブ 荻原浩
図書館で借りた。「四度目の氷河期」が面白かったのでもう一冊読もうと思いましたが失敗でした(笑) いつ事件が起きるのだろうと思ってたら結局何も起きなかったという…。
◇ツレがウツになりまして 細川貂々
新品で購入。話題になってたので読みました。面白いです。笑って読めるのは、私がこういう体験がないせいでしょう。ご本人は大変だったでしょうね。
◇我が名は青春のエッセイドラゴン 大槻ケンヂ
図書館で借りた。この人のエッセイはいっぱい読んでるので内容は完全に忘れました。
◇松田聖子と中森明菜 中川右介
知り合いから借りた。アイドル歌謡とか新人歌手の売り出しというのは結構奥が深いというのはよくわかりました。松田聖子が「涙はダイヤモンド」と歌えば、中森明菜は「ダイヤと違うの涙は ハッハ~ン」と歌ってたんですね。熾烈な争いだったようで。
◇直線の死角 山田宗樹
図書館で借りた。デビュー作というか、これが受賞したのをきっかけにデビューしたそうです。たしかに後の作品に比べれば甘いといえばそうですが面白いことは面白いと。
◇赤い月(上・下) なかにし礼
図書館で借りた。なかにし氏の自伝的な小説だそうですが、こういう境遇の人って結構いたんでしょうね。壮絶なストーリーではあるのですが、期待ほどではなかったのはなぜでしょう。
◇パンドラの火花 黒武洋
文庫・新品で購入。裏表紙のあらすじを見て関心を持ったのですが、ちょっと期待とは違いました。案外漫画チックですね。
※3月
◇延長戦に入りました 奥田英朗
文庫・新品で購入。これは面白いです。この人のエッセイにはほとんど外れがありません。こういう感じで書けたらいいのですけど。
◇ららのいた夏 川上健一
文庫・新品で購入。昨年読んだ「翼よいつまでも」というのが凄く爽やかで読後感がよかったため、これも読んでみることに。ま、出来すぎといえばそうですが結構爽やかでした。
◇オーケンのほほん(正式なタイトル失念) 大槻ケンヂ
図書館で借りた。内容は忘れてしまいました…。
◇青き炎 貴志祐介
図書館で借りた。結構ハラハラして読みました。主人公に対しては「そこまでせんでも」と言いたくなりますが、そういう話なので仕方ないですね。知らなかったのですが映画になってたそうな。
◇ろくでなし(上・下) 新堂冬樹
文庫・新品で購入。日頃のささくれ立った心を癒すための小説を欲しており、やれ殺人事件だやれ覚せい剤だというのはやめようと思ってたのに買ってしまったのがこれでした。もろにシャブ中と殺人事件の話でした。
◇青色讃歌/丹下健太
図書館で借りた。短い話だったのですぐ読めました。が、内容もすぐ忘れてしまいました。わりとかわいい話だったような気がします。
◇てるてるあした 加納朋子
文庫・新品で購入。ほのぼのとした小説を探してて買ってみました。悪くはないです。ドラマになってたそうですが、それは知りませんでした。
◇ボク宝 みうらじゅん
図書館で借りた。面白かったと思うのですが内容は忘れました。
※4月
◇四畳半神話体系 森見登美彦
文庫・新品で購入。「太陽の塔」の作者ですので芸風は理解してました。うっとおしいといえばそういう作風でしょう。ただ、最後の四畳半の隣がまた四畳半で延々と自分の部屋が続いているという話のアイディアは面白かったです。次はもう読まないなぁ、多分。
◇ふざけるな中国
図書館で借りた。作者の方はSF関係の人だったと思います。10年以上前の本だと思いますが、今読んでも勉強になりました。中国様の体質は変わってないようで。
◇千日紅の恋人 帚木蓬生
文庫・新品で購入。これもほのぼのとした話を読もうとして買ったもの。面白くないわけじゃないですが、長い割には…という感じ。やはり刺激的な話の方が面白かったり。
◇中国は脅威か
図書館で借りた。作者は忘れました。これも古い本ですが今も通じる話であります。中国様は変わってません。
◇虚貌(上・下) 雫井脩介
図書館で借りた。この人の本を読むのは2冊目かな? 推理小説としてはマニアから厳しい評価のようですがそれはそうかもしれません。ネタばらしはしませんが、例えば「DNA鑑定で犯人が特定されている」という設定が根底にあったとして、それが実は「犯人がDNA鑑定の結果を変える薬を発明していた」とかいうと怒りますよね、普通。それに近いかも。
◇ハイスクール1968 四方田犬彦
文庫・新品で購入。学生運動の時代に若者はどうやって過ごしていたか、というのに興味を持ってたので読みました。結構面白いです。読んだ直後のレビューはこちら。
◇世界宗教講座 井沢元彦
文庫・新品で購入。これは前に図書館で借りて読んだ本ですが、勉強になると思って結局自分で買いました。1家に1冊あってよいと思います。
※5月
◇袋小路の男 絲山秋子
文庫・新品で購入。さらっと読める割には余韻が残る感じでした。同じく収録されているアーイエオーイエという話を読むと、スプリングサンバを踊りだしたくなる…というのはウソです。タイトル違うなぁ。
◇川の深さは 福井晴敏
図書館で借りた。有名な作家だと思って読んでみたのですが手こずりました。ゴールデンウイークはほとんどこれにかかりっきり。結構ややこしくて「これって誰だっけ?」と思って、前に戻りながら読んでたような。ストーリーは忘れました。直後のブックレビューはこちら。さすがに時間が経つと忘れるようで。
◇バンドライフ 吉田豪
新品で購入。これは結構面白かったです。パンクの人たちというのは、生き様にそれなりの背景があってパンクやってるケースが多いなぁというあたりが興味深いです。
◇港町食堂 奥田英朗
文庫・新品で購入。奥田氏のエッセイとしてはあまり面白くない方の部類でした。これから読もうとしてる人には悪いですけど。
◇ウランバーナの森 奥田英朗
文庫・家にあった。一応奥田氏のデビュー作ということになるようです。あまり好きな話ではないですね、わたしゃ。
◇ショーケン 萩原健一
ハードカバー・新品で買った。面白そうだけど立ち読みするには腕が疲れると思って買いました。たしかに面白いのですが、世の中は以前から大麻が一般に蔓延してたのかというのは驚きだったり。あと、この人は演じてるだけじゃなくてドラマのいろんな部分に絡んでるんですね。セルフプロデュースのできる人なのでしょう。
◇イッツオンリートーク 絲山秋子
文庫・新品で購入。絲山さんの本もいろいろ読んだので内容忘れました。ただし「袋小路の男」の方がよかったような気がします。
◇聖者海に還る 山田宗樹
文庫・新品で購入。結構面白かったです。設定だけ覚えてて中身は忘れたけど。
※6月
◇クレイジーヘブン 垣根涼介
文庫・新品で購入。垣根さんの本はほとんど外れがなく、これも面白かったです。お子さんには薦められませんけど。
◇元アイドル 吉田豪
文庫・新品で購入。文庫になったので買ってみたら、これは縮小版なんですね。カットされた人たちの分を読むのは元のゴッツイ本を買わねばなりませんか。ガッデーム。
◇ニライカナイの空で 上野哲也
図書館で借りた。途中まで読んで返してしまったのでしばらくして再度図書館から借りてきて読みました。まずまずです。(←偉そう)
◇自立日記 辛酸なめ子
文庫・新品で購入。ブログで感想も書きましたがなんともいえない味がなんともいえません。(って、なんやそれ) 直後のレビューはこちら。
◇夜を賭ける 梁石日
図書館で借りた。面白いですが、話が意外な方向に転換していったのが予想外でした。最後はラブストーリーになってしまったというか、なかなか盛りだくさんな話。
◇さかだち日記 中島らも
図書館で借りた。何年か前に読んだのですが再度読み直し。
◇サウダージ 垣根涼介
文庫・新品で購入。これは面白いです。この作品のキャラクターを使った続編はまた出るはず。って、出てるのかな?
◇死刑のすべて
文庫・新品で購入。知り合いと話してて「日本の死刑ってどうやって執行してるの? 電気椅子かガスか注射か」という話になって「絞首刑じゃないんですか?」と言ったのですが信じてもらえなかったので、本を買って説明したと、そういうわけです。気分が滅入るというか食欲なくす本ではあります。
◇されどわれらが日々 柴田翔
文庫・新品で購入。作者の方はまったく知りません。ハイスクール1968にも通じますが、その当時の学生の生態を知りたくて買いました。皆さん理屈っぽかったですわね。
◇ダーティワーク 絲山秋子
図書館で借りた。ん~思い出せない。音楽関係の連作でしたか。違ったか。
で、今年前半のベストはどれだったかというと…う~む、わからん。しいてあげれば小説では「サウダージ」、エッセイでは「延長戦に入りました」かなぁ。あとは「黒い春」「ハイスクール1968」「ラティーノラティーノ」も入れときますか。実は充実感なかったんですよ、本当に。偉そうに言えば、あれこれ読んでるうちに目が肥えてきたというか要求レベルが高くなったというか。
「アメリカちゃん」という歌をご存知でしょうか? 岡林信康氏がライブで歌ってたそうですが、私は十数年前にWOWOWの番組で坂崎幸之助氏となぎらけんいち氏が歌ってたのを聞いて初めて知りました。
歌詞はというといろいろ替え歌が混ざってるのですが、メインは
アメリカちゃん アメリカちゃん 平和~のために頑張ってや
ほうれん草のポパイちゃん 金のベルトのバットマン
雨にも負けず 風にも負けず
男一匹どこへ行く アメリカや~ 太郎~
というもの。
その中の一節に、
サトさんサトさんなぜ泣くの~ ジョ~ンソ~ンのおじさんの~
核付きミサイル欲~しいよ~ 原子力潜水艦も欲~しいよ~
とアンポ、アンポ 泣~くのね~
というのがあります。
昨日の読売新聞では<中国による初の核実験直後の1965年1月に、就任後初めて訪米した佐藤栄作首相が、ジョンソン政権のマクナマラ国防長官との会談で「(日本が核攻撃を受けた場合は)アメリカが直ちに核による報復を行うことを期待している」と述べ、洋上の米軍艦船からの核兵器による報復攻撃を具体的に求めていたことが、外務省が22日付で公開した外交文書で明らかになった。>という記事がありました。
私はこの会談当時まだ1歳ですので、国内でどのように報じられていたのかは知りません。が、なんか「アメリカちゃん」の歌のまんまやなぁと思いました。こういう交渉をしていたというのは当時の常識なのでしょうか。
私は「いまの日本の総理大臣は?」というのを初めて認識したのが佐藤総理だったので、かなり印象に残ってる人ではあります。が、当時の評価が今の麻生総理などと比べてどうだったかというのは知りようもありません。
その岡林氏の「アメリカちゃん」ですが、この10月にCDで再発された「あんぐら音楽祭 岡林信康リサイタル(紙ジャケット仕様) 」というライブアルバムにボーナストラックとして収録されてるんですね。
ということで、今回この外交文書が公開されたタイミングを考えると、どうやら岡林氏のアルバムのプロモーションではないのかと思う次第です。外交力と政治力まで駆使するという、なかなか物凄い力量を持った事務所とレコード会社です。あなどれません。
それにしても、この曲には「(アメリカ国家のメロディで)頼まれへんの~に~ 平和を作る~と~ 爆弾落とし~ 地獄~を作る~」という部分もあります。まったくアメリカという国は40年以上前から体質が変わってませんね。あ、日本もか?
それにしても佐藤総理ったら、さすがにノーベル平和賞は伊達ではないです(?)。
土曜日は元スペクトラムのメンバーが3人出演するライブを見に行ったわけですが、昨日もスペクトラムゆかりの地を訪ねてきました。どこかというと武蔵野音楽大学。言わずと知れた兼崎ドンペイさんの出身校です。
今回は娘2号が出演する吹奏楽フェスティバルを見に行ったわけですが、会場は入間のバッハザールというホール。大学の正門を入ってすごく急な坂を歩いてさらに階段を昇ったところにあるのですが、若かりし頃京産大の山道で鍛えた私の足腰にはなんのことはありません。そもそも大学とはこういうものであるべきで、川越の尚美学園大学とか東京国際大学とか平地にあるのはつまんないです。(なのか?)
ドンペイさんの在学中にこのホールがあったのかはわかりませんし、江古田にもキャンパスがあるのでどちらが正式なゆかりの地かはわかりませんが、とにかくすごくきれいなホールでした。クラシックの専門ホールに来たのは初めてかも。
ということで、昨日はそういう休日でした。中学の吹奏楽フェスティバルといっても生徒はほとんどが女子。今後の日本のブラスロック界を支える人材があの中から出るのかどうか。ま、うちの娘はブラスロックとは縁のない楽器なので無理ですが。
ところでドンペイさんというと現在は栃木に引きこもってると言われますが、昨年のこういう活動を見つけました。矢板の人は間近で見られて幸せかも。
昨夜は都内に「松吉セッション」なるライブを見に行きました。松吉とはいえ松たか子と吉幾三のジョイントではありません。(当たり前じゃ) 松吉セッションの松とはトランペッターの松木隆裕さんで、吉とは元スペクトラムのスーパートロンボーンプレーヤー吉田俊之さん。
この二人のプレイヤーを中心にインストものをやるという企画ですが、他のメンバーは包国充(Sax)、斉藤"TAK"貴之(B)、岡本郭男(Ds)、モンゴル松尾(Kb)という顔ぶれ。包国さんはクリエイションにいたこともあってドラマ「ムー一族」のテーマ曲だった「暗闇のレオ」はお茶の間にも広く浸透していることでしょう。(最近はこのドラマでの生演奏シーンもYouTubeで見られるようですが)
吉田さんと包国さんはご存知ホーンスペクトラムでの共演が多いわけですが、このお二人が並んでステージに立ってる姿は前にも見たことがあります。あれは1985年1月の大阪厚生年金会館、新田一郎さんの「CASINO」というステージでした。(その時のホーンスペクトラムは新田さんとドンペイさんとの4名で最強最高のメンバー。)
今回のライブはというと、松木さん曰く「大きい音出さない。高い音出さない。」ということだそうで、ドラムの岡本さんもやたらと小さいセット。会場が高田馬場駅前のビルの地下で「え? こんなところにライブハウスが?」という場所だった関係もあるのでしょう。時折「苦情来てない?」と気にしてたり。
そういうわけで松木さんのMCもマイク無しの上にユルユル(笑)。爆音じゃなかったので耳の健康は保たれましたが、やたらとステージとの距離が近いので心臓に悪かったような…。
演奏曲は、フレディハバードやクルセイダーズなどから、松木さんの曲、斉藤さんの曲、吉田さんのスペクトラム時代の曲「エレガントレディ」、ドンペイさんの「Natural-E」からの曲、包国さんの編曲によるビートルズの「レディ・マドンナ」などなど。「エレガントレディ」はスペクトラムのアルバムではちょこっとしか聞けなかったので、今回フルヴァージョンで演奏されたのはファンにとっては大変ありがたかったです。また「Natural-E」の曲はレコードでも岡本さんが叩いているそうですが、ご本人まったく覚えていなかったとか…。
私はクルセイダーズも好きなので今回の演奏曲の数々は相当ヒットしました。ビートの利いたかっこいいテーマがあって、合間にそれぞれのソロが入る演奏というのは私の理想とするところでもあり「こういうのが聞きたかった」という感じであります。もちろん、凄腕のミュージシャン揃いの今回のメンバーならではの贅沢ということでもありますが。
そして第二部からスペシャルゲストが登場。なんと元スペクトラムの西慎嗣さん! 今回は鮮やかなグリーンでマッチングヘッドのNavigatorのストラトを抱えて、素晴らしい演奏を聞かせてくれました。歌手であれば一声出せば客席を魅了できる人がいいわけですが、ギタリストも一音弾いただけで「ああ、いい音」と思わせるのがプロです。西さんの場合はとにかくビブラートがすごいので、本当にいつまでも聞いてたいような感じ。今回はクルセイダーズの曲から始まって、いろいろと円熟のソロを聞かせてくれました。
私はReSPECTというスペクトラムのコピーバンドでギターを弾いているわけですから、「これは是非ご挨拶しておかねば!」と思い終演後に追っかけセットを持って(?)ステージへ。コピーバンドでギターを弾いてると言ったら、この日使ってたピックを下さいました。いい人です。もちろん写真の通りサインも貰ったのでこれは家宝にいたします。
なお、ご本人によるとスペクトラムで使ってた白いイーグルは回転装置ごとチャリティーに出したので、当時の衣装から何からと同様既に手元にはないそうです。ということはそれを買ったファンの人がいるわけで、どこかに眠ってるのでしょうね。どこのどなたかは存じませんが、私に譲ってくれないもんでしょうか。
ちなみに私の「追っかけセット」は、サインを貰うための色紙もしくはCD、サインペン、デジカメなどです。今回CDは西さんの新作とスペクトラム時代のソロアルバムの両方を持っていきましたが、紙ジャケ仕様の「NISHI」にサインをいただきました。こちらも今年再発になってますので、探していた人は是非お買い求め下さい。ヤフオクで旧盤を高値でつかまされないようにしましょう。
いただいたピックはESP製で西さんのオリジナルですが、なんと形が左右非対称。この辺の秘密も聞けばよかったですね。いやそれにしてもいい演奏を見せてもらいました。