この二日ほど地検から逃走した男の話題で持ちきりでしたが、複数の協力者がいたという情報もあります。それを聞いて「ドンを撃った男」を思い出しました。「ドンを撃った男」と言っても若い人は一切わからないと思いますが、ドンとは山口組田岡組長のことで、撃った男とはその組長を狙撃した鳴海清のこと。
この事件は1978年のことで、組長を狙撃した鳴海はその場から逃走し友好団体などに匿われていましたが、何しろ相手は日本最大の暴力団で事件後鳴海が新聞社に山口組を挑発するような書面を送ったこともあって、警察からも山口組からも一層睨まれることになりました。
なので匿っている方にもその追求は及ぶわけで、逃走劇の最終的な顛末はわかりませんが、数ヶ月後に鳴海は腐乱死体で発見されました。情報としては、殺害したのは匿っていた友好団体の組員で、山口組からの厳しい報復に彼の身をもてあましたということでしたが、鳴海の遺体は全身に激しい暴行を受けた跡があり、爪は剥がされ性器が切り取られていたそうで、報復のための拷問の果てにという気もします。いまだに鳴海殺害の真犯人はわからないままだとか。
そういう前例もあるので、逃げる方も大変ですが匿う方も大変だと。特に匿う方にその覚悟がないとどっちも耐えられないだろうなと思った次第。今回の事件では元々の罪で逮捕されただけでは顔写真まで公開されなかっただろうに、逃げたためにテレビの全国ニュースで大騒ぎになり一躍有名人になってしまいました。
「厳罰に処すべし!」とかいうのは簡単なのですが、逃げても匿っても不幸なことになるよというのは世間に知らしめるべきなので、その辺は充分に対応すべきですね。
ということで久しぶりに時事ネタに反応してしまいました。ちなみに鳴海清の件については昭和の殺人事件についてまとめた本を読んで興味を持ちましたが、どんな拷問をされて死んだかと思うといまだにゾッとします。知らなければ知らない方がよかった話かも。