ギターの神様にお願いしたいことがあると思ってたら、夢の中で遭遇できました。
(ボワッ!!)
「あ、ベタな登場の仕方」
「ワシを呼んだのはお前か?」
「あなたがギターの神様ですか?」
「そうじゃが、それが何か?」
「…インチキおじさんかと思いました」
「だまらっしゃい! ワシがギターの神様ジャック・ニクラウスじゃ!」
「あの、普通はエリック・クラプトンとかジェフ・ベックじゃないですか?」
「ではボブ・バックランドにしよう」
「…ゴッチさんの方がいいです。ところでお願いがあるのですが」
「なんじゃ?」
「実は…実は速弾きができるようになりたいんです!」
「そうか、それは簡単じゃ。」
「え、そうなんですか?」
「うむ。まずはお腹を押さえて具合の悪そうな顔をする。脂汗の一つも浮かべると効果的じゃろう。それで職員室に行って『2時間目終わったら病院に行きたい』と」
「それは“早退き”でしょ!」
「まぁお約束のボケじゃ。それはそうとなぜ速弾きを?」
「だってこの間のライブでは、対バンのギタリストがみんな上手かったしかっこよかったしぃ。アドリブでさらっと速弾きできるとかっこいいじゃないですか。」
「ふむ、そうなるとキチンとスケールも覚えねばならんのぉ。」
「もちろん、それも勉強したいです。」
「たわけ! そのフォークソングをアイドル歌謡で煮しめたような脳みそのどこにホールトーンだのミクソリディアンだのが入り込む余地がある!」
「神様、ごむたいな」
「まあ千里の道も大江からというので、勉強したいという姿勢は誉めてやろう。が、おぬしにはもっと他にやることがあるじゃろう?」
「なんかボケが入ってる気もしますがなんでしょう?」
「まずは基本的なビブラートが全然なっておらん」
「それはたしかに。『夜明け』のソロをしくったくらいですので」
「そうじゃろう。郷ひろみもシ~シ~シ~ グッドヴァーブレーション~と歌っておったくらいなのでビブラートは肝心じゃ」
「なんか関係あるんでしょうか?」
「いや、ただのボケじゃ。しかしお前のビブラートはジョージハリスンより100倍下手じゃ!」
「ひぇ~それって要するに“まったくできない”と同義語かと」
「わかればよろしい。それと他にもやることがあるじゃろう?」
「はぁなんでしょう?」
「コーラスじゃ、コーラス。バンドとしてトータルにレベルアップしたいならギターだけに拘るより、もっと自分にできることを考えるべきじゃ。どうせReSPECTの演奏でギターに注目する人はおらんのだし(ボソッ)」
「ズキッ。まぁそれは。たしかにトマパラの前日のトリビュートは歌も演奏もさることながらコーラスが厚くてかっこよかったですし」
「そうであろう。では努力せよ。」
「なんか丸め込まれたような気がするなぁ」
「ところで、本日の相談料だが」
「は? 有料なんですか?」
「あたりまえじゃ。まぁ今回は短かったので消費税込105円にしておこう」
「おぉ安いなぁ~。…つけといて」
「あんたとはやっとれんわ!」
ということでギターではビブラートを、バンド内での役割ではコーラスを強化したいと勝手に思いました。ただし音感が悪いので演奏しながらハーモニーをつけるのは至難の業。ま、とりあえずトライしてみましょう。さぁ練習練習。って、何からするのだ?