今日のひとネタ

日常ふと浮かんだことを思いのままに。更新は基本的に毎日。笑っていただければ幸いです。

オリンピックはブラジルで

2009年10月04日 | ニュースに一言

 東京でオリンピックがあれば、それはそれで見たいと思う気持ちはありましたが思い入れはその程度。是非とも今オリンピックを東京で!という気はしなかったんですね。なんか、都政の人気回復だとか景気対策だとかそういう方面が垣間見えるので。

 ではどこがいいかというと、今回の候補の中ではリオデジャネイロがいいと思ってたのであちらが当選してよかったと喜んでいます。ブラジルというと、音楽、格闘技など私の好きなものもいくつかあるので。(とはいえ、ブラジルの格闘家で好きな人はいませんが)

 ブラジルというと日系人の多いところです。今でこそ「日系人が多い」「経済界の主要人物には日系人が多いらしい」とか、それが特別のことでもないように語られますが、かの地に移住した人たちは大変な苦労があったことでしょう。

 私がブラジルや南米への移民に興味を持ったのは、垣根涼介氏の「ワイルド・ソウル」と、麻野涼氏の「移民の譜 東京・サンパウロ殺人交点」がきっかけ。「ワイルド・ソウル」は、大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞のトリプル受賞という話題作でしたのでご存知の方も多いかもしれません。「移民の譜」は文庫なのに960円というつわものなので、それほどのヒットではないかも。

 外務省に紹介されて入植したのはジャングルの奥地で、土壌は粘土質で耕作には適さず、なおかつしょっちゅう水害があってせっかく耕しても何もかも流されてしまったり、巨大なアリの大群がザワザワという音とともに押し寄せて庭の作物をすべて食べつくすのを呆然と見てるしかなかったり、治安が悪くて稼いだ金を強盗に奪われたり、おまけに暑いし病気にはなるしで、これらの本を見てるだけでも苦労が偲ばれます。

 昨年は移民の奥さんだった人たちの体験談の本も読んだのですが、救いというと元々いろんな人種がいる土地柄だけに、日本人だからということでの差別は特になかったという話が多いようなんですね。(詳しいところは知りませんが) 

 当時は夢のような話を持ちかけられて日本を飛び出したのに、現地ではとんでもない目に遭ったということで恨みを持っている人も多いのでしょう。上記の小説はどちらもそこがテーマになってます。それでも復讐しようと思う人はまだいい方で、恨み言一つ言えないままに力尽きて亡くなった人も相当多いのでしょう。

 アントニオ猪木氏もブラジル移民で、自伝によると渡航途中の船の中でお祖父さんが亡くなったのではなかったかと。そういう話はいくらでもあるのでしょうね。

 そんなこんなでブラジル移民の歴史にはすごく興味を持ってるのですが、普通の読み物としてはなかなか手ごろなものがありません。今回のオリンピック開催でブラジルとかブラジル移民が注目されて、そのあたりの話題もいろいろ出てくることを期待してます。昨年はブラジル移住100周年で皇太子様が訪問したりしてたのに、国内ではたいした話題になってなかったと記憶しています。まったく大手メディアというのは何のニュースを報じてたのやら。

 もう一つ期待してるのは、リオの治安が良くなること。コラムニスト勝谷誠彦氏がいうことには<リオに行ったのは20年近く前になる。今回も治安のことが言われているが、危ないなんてものではなかった。コパカバーナの海岸でカメラを持ってホテルから出ようとしたらセキュリティに腕づくで止められた。「あなたは5分以内にカメラをとられて殺される」と。冗談ではない。ホントの話である。彼も目が真剣であった。>だそうです。

 果たして私がブラジルを訪問する機会があるかどうかはわかりませんが、オリンピックが開催されたことによって10年後くらいに「随分治安もよくなって旅行しやすくなった。日系人が多いのでみんな日本人には優しいし。」なんてことになれば、いっぺん行ってみようかなとか思ったり。映画では「黒いオルフェ」ってのもありましたね。もう20年ほど見てませんが、あの雰囲気もなんともいえません。久しぶりにもう1回見てみっかな。

 そんなこんなで2016年のオリンピックは支援しましょう。もちろん日本選手の活躍も期待して。