最近、右瞼がよく腫れて、今朝もそうだ。今日のしごとが終わったら眼科にかかろうかどうしようか、窓辺から曇り日を見つつ思案している。
彼岸の入り。
〈失踪中〉の部屋前に漂ふパンの香り 規制線の朝もふかく濃くありき
目を見つつ温かく話すひとだつた その朝はもう写真のみとなりて
〈事件現場の最後つ屁にはライムの香りあり〉と刑事が鼻をヒクヒクさせてゐる午後
セプテムバーの海に捨ててきた青きトマト 新宿駅の雑沓に拾ふ
その夏も〈あの人たち〉に裏切られた夏だつたから国会売店のトマト饅頭、トマト饅頭
デモ隊は手に手にトマトを齧りつつ海辺の首相公邸を目指す
〈あの人〉はトマトに似てゐるかもと今更に海への坂できみはぼそりと
〈恥〉を知らぬ〈あの人〉の前で麦わら帽のわれはトマトを投げつけてゐたり
しごとのあと。夕方の雨は蕭蕭たり。今日は、最近しばしば持ち歩くブラームスのピアノコンチェルト第二番のミニスコアは携へず。短歌研究文庫の『塚本邦雄全歌集』第八巻と現代俳句作品アンソロジー『天の川銀河発電所』(佐藤文香編著、左右社)を鞄に入れて、地下鉄に乗り、駅前に非常に大きな郵便局のあるS駅に出る。地下街のイレブンイマサで三十年近くぶりにキーマカレー。そのあと、アマティでカフェオレを頼み、短歌作りの苦吟に突入。
取り敢へず八首。
〈失踪中〉の部屋前に漂ふパンの香り 規制線の朝もふかく濃くありき
目を見つつ温かく話すひとだつた 今朝はもう写真のみとなりて
いちにち休日の今日は、久しぶりに池袋ジュンク堂へ立ち寄り、お世話になっている短歌・俳句ご担当のTさんに〈10月号納品後を目処にいつもの返品伝票ご発行をお願いします。伝票受け取りの具体的な日取りはまたあらためて電話でご相談させてください〉とお願いし、俳人佐藤文香さんの非常にユニークで面白い新著についてしばし雑談。Tさん曰く〈佐藤さん、ついこの間この新著にサインするためいらしたんですよ。で、佐藤さんて、あの佐藤佐太郎のお孫さんて知ってました?!T副店長が言っていたんですけど。〉〈え、そうだったんですか!?知りませんでした。〉と私。
そのあと、新文芸座の大林監督作品四本立てへ。
自転車は、月曜日にタイヤ劣化による交換修理を受けて、火曜日のしごと場からの帰宅走行中に〈謎の〉ペダル固まりとタイヤチューブの派手な破裂。水曜日はいつも見てくださる自転車店休みのため、木曜日のしごとのあと、自転車店に愛車をゴロゴロと引いていき、〈名人〉に今回の症状を説明し見て頂くも、原因はわからず。ともかく月曜日の上の火曜日なので、修理代無料でばらして必要部品を交換してあらためて完璧なメンテナンスをしてくださった。
Twitter、つい先日〈強制更新〉させられて以来、使おうとすると〈強制的なエラー終了〉ばかりで困っていた。思い切ってアンインストールして入れ直してみたら少し良くなった気がする。
ぐったり疲れた身体と心も入れ直し。ブラームスのピアノ協奏曲第二番を脳内再生して生き返る。
食べログ口コミからメモ。
たべりすと氏
(40代前半・男性・東京都)
★★★★☆4.0 味 4.0 サ 3.5 雰 3.0 CP 3.2
[昼] ~¥999
1 回
2014/05訪問
[昼] ~¥999
〈駒込のパン屋 飯粉屋(ぱんこや)は霜降銀座商店街に潜む実力派〉
駒込のパン屋 飯粉屋(ぱんこや)に行ってみた。
お店の概要
駒込駅からやや離れた霜降銀座商店街の中にあるパン屋。3人入ったらいっぱいになってしまう店内には菓子パン、惣菜パンのほか全粒粉を使ったハードめのパンもちらほらと並んでいる。
食べたものは以下。
クロワッサンBC(240円(税込み))
香ばしいクロワッサン生地のパンの中にしっとりとして程よい甘味のアーモンドケーキが入っている。
こしあんぱん(130円(税込み))
適度にハリのあるパンに滑らかで程よい甘味のこしあん。桜の塩漬けが乗っており、これぞあんぱん、と思わせる正統派。素直に美味しい。
ホイップクリーム(150円(税込み))
ハリのあるコッペパンにたっぷりのホイップクリームとシロップ漬けのみかんとさくらんぼ。ホイップクリームはしつこくなくペロリといただける。
くるみいちじく(260円(税込み))
そこそこ噛みごたえのある全粒粉のパンに香ばしいくるみとしっとりしたいちじくが入っている。
アクセス
山手線駒込駅北口または東口から徒歩7〜8分。本郷通りの霜降橋交差点付近から商店街に入りしばらく歩くと左手にある。
総評
商店街にある町のパン屋に相応しく菓子パン、惣菜パンがメインかと思いきや全粒粉のパンもあり、どちらのパンも抜かり無く美味しく作られている。
平日の午後に行ってあまりパンの種類が多くなかったのだが、なかなか実力を感じさせる。近くを通ることがあればぜひまた立ち寄りたい。
短歌七首。2019年6月17日。
星やはらかく息づきをりたるその夜よ〈恥を知れ〉〈恥を知れ〉〈恥を知れ〉
〈逮捕〉しに来たる車のその人も翌朝〈逮捕〉されてしまつた
〈朕は法なり〉何時しか〈法〉はその一条のみ 〈朕〉が窓辺で珈琲を飲む
その〈国〉では悉く〈監視〉されてをり 毛糸帽子は目深に被らる
〈大本家(おほほんけ)〉〈縁居(ゑんきよ)〉〈分家〉〈小口〉なる四家の墓は黒土の上(へ)に
〈朕〉倒すために〈大本家(おほほんけ)〉の〈若者〉は馬に乗り村を出でたりと聞く
あの靴は〈若者〉の靴かも 血のやうな夕焼けの川に浮かびたる靴