今朝の帰京すべく乗り込んだ新幹線車中で、先般J-WAVEで放送された坂本龍一さん追悼特別番組の録音を再び再生してしみじみ拝聴。坂本龍一さんはたしかに偉大なおひとりだったと思う。坂本さんの書かれた音楽には、耳にしたときに〈これは坂本さんの音楽だ〉と思わせるもの(独自の揺るぎない個性)があり、そこは大いに非凡。そうでありながら、古今東西の大作曲家の代表的作品を聴いたときと比較して、心の中にどうしてもモヤモヤしたやや物足りないなという感覚が残ってしまうのは何故だろう。片山杜秀先生はラジオ番組〈クラシックの迷宮〉の坂本龍一さん追悼回の中で、〈坂本龍一さんは、バッハを尊敬し敬愛したヒンデミットの愛弟子であった師匠松本民之助先生の作風から大きな影響を受けて、オーケストラ大作をバリバリ書くのではなく、基本、シンセサイザー音響を巧みに駆使される方向性での作曲で活躍された〉というような総括をなさっていたが、モヤモヤの理由は案外そういうところにあるのかもしれないとも思う。いろいろ言いながら、結局、私は坂本龍一さんの音楽が好きである。これからも折々に拝聴していきたい。
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